逆子戦記 37週で外回転術を受けるまで
1年間の不妊治療を経て、マタニティライフが始まりました。
友人・知人から、妊娠中のキツかったエピソードを聞いてはいましたが、私の場合は拍子抜けするくらい順調な生活が続きました。
しかし、妊娠25週目の妊婦健診で「逆子」の診断が出ることに…!
25週 逆子発覚
25週で医者さんから妊婦健診で逆子を指摘された時、「まだまだこの時期は逆子の子も多いし、最後まで逆子の子は5%で、だいたいそのうち治るから大丈夫!」とも言われており、私も特に気にしていませんでした。
しかし、その後の28週、30週の妊婦健診でも変わらず逆子でした。
逆子の経膣分娩はリスクが高く、帝王切開で生む人がほとんどなのだそう。
「せっかく事前に下調べをして無痛分娩で予約したから、できる対策はしたほうがいいかな?」くらいの気持ちで、30週頃からYouTube 動画を参考に逆子体操をはじめます。
32週 「治らないかも」と言われる
32週目の妊婦健診でも逆子。ついにお医者さんに「これは治らないかもね〜」と言われてしまいます。「え、急!!」と内心焦りが生まれます。
とはいえ、この時期は「出産は股が裂けるか、腹が裂けるか、どっちにせよどちらか裂けるんだよな」程度に考えていたので、逆子をあまり深刻なものとは捉えていませんでした。
産休にも入って自分時間も増えたので、いくつか対策を実践します。
どちらも医学的エビデンスは薄いのですが、引き続き逆子体操をしたり、お灸で身体を暖めるのがよいと聞いたので試したりしました。
この頃、小学生ぶりの氷食症を発症しており、身体を冷やしてしまっているのも悪影響があったのかもしれません。(その後、36週で貧血の診断が出たので、氷食症は貧血が原因だったのかも。)
33週 転院、帝王切開のスケジュールを決める
33週、里帰り出産のため転院をします。新しい産院のお医者さんから「逆子の場合は帝王切開になりますので、36週に帝王切開の詳細な日程を決めましょう」と言われます。
この頃から、帝王切開について調べはじめます。
保険適応だから費用を抑えられるらしい
経膣分娩に比べるとサクッと産まれるけど、術後しばらく傷が痛むらしい
子宮破裂の可能性が高まるので、年子は難しく、第二子も帝王切開になるらしい
半年間腹筋を鍛えられないこともあるらしい
赤ちゃんの免疫獲得が少し遅れるらしい
ちょっとネガティブな情報も入ってきて、「逆子治しておきたいなあ」と思うようになってきました。
34週 セルフエコーを借りてみる
引き続き、逆子です。逆子体操は赤ちゃんの背骨の位置によってとるべき体勢が変わるため、お家でも赤ちゃんの様子が確認できるように、セルフエコー「ポケマム」をレンタルしてみることにしました。申し込んだ翌日には発送してもらえました。
しかし、既に34週を迎えていたため、赤ちゃんがデカくてポケマムではあまり鮮明には見えない状態でした。頭がどこにあるかくらいはわかるけれど、素人が背骨の位置を見るのは難しかったです。
ポケマムのカスタマーサポートの方にサポートいただいたりしたものの、状況があまり変わることはなく、結局クーリングオフをさせていただくことになりました。丁寧にサポートいただいたのに申し訳なかったです。
ポケマムは12週〜26週までの期間に使ってる人が多いみたいなので、そうした方々にとっては役に立つかもしれません。
36週 外回転術を受けることを検討
36週、未だ逆子。そろそろ「帝王切開になりそうだな」と諦めの気持ちが芽生えてきたものの、「帝王切開の場合、年子は難しい」という条件は、AMH値が低く早期閉経リスクが高い私にとっては、なるべく避けたいものでした。
最後の最後の賭けで「外回転術」をしてみることにします。
外回転術は、妊婦のお腹の外から赤ちゃんの頭とお尻を手で押して回すという手技です。
手技自体は数分〜30分以内に終わるものの、しばらく安静にして様子を見る必要があり、入院しなくてはいけないそう。
分娩病院が違う妊婦に対して外回転術を行える病院が思った以上になく、少し都内からは離れますが、湘南鎌倉総合病院にお世話になることになりました。
湘南鎌倉総合病院に36週の健診のあと電話してみると、「みなさん35週で初診に来てもらっているので、少し遅いかもしれません」と言われてしまいましたが、「今日時点で36週0日なので、そこをなんとか」と交渉し、ギリギリで対応してもらえることになりました。
湘南鎌倉総合病院での初診を最短で予約。分娩予定院からの紹介状も必要だと言うので、紹介状をもらうための予約・健診もしました。
初診では、エコーで逆子であることを確認、入院日の予約や施術の説明を聞き、心電図・血液検査・レントゲンといった検査をして、外回転術に加え緊急帝王切開や麻酔の使用にまつわる大量の同意書を渡されて終了しました。
事前の説明では、以下のようなことを伺いました。
逆子が治る確率は60%ほど
湘南鎌倉総合病院では、麻酔での外回転術ではない
リスクとして、破水や臍の緒の圧迫などに伴う胎児心音異常、まれに胎盤早期剥離もあり、緊急で帝王切開が必要になることもある(湘南鎌倉総合病院では0.5%ほど)
帝王切開になった場合はそのままお産となる可能性もあるため、同行者が必要
外回転の同意書には「少し痛いです」と書いてあるけど、実際には結構痛いのだそう
37週 外回転術を受ける
最短で入院の予約し、37週1日で施術をしてもらえることになりました。
朝9時半に病院に到着し、同意書の提出をして、手術着に着替えます。手術台に移動し、腰の下にクッションを入れて腰を高くした状態にして、点滴を始めます。私自身の心拍と赤ちゃんの心拍を確認する機械も身体に装着されました。
腰を高くしているのと点滴の効果で、徐々に私の心拍数も上がっていきます。
しばらくその状態で待っていると、お医者さんや看護師さんが5人くらい入室してきて、外回転術の施術がスタートします。
赤ちゃんの心拍やエコーの様子を確認しながら、3人がかりで回していくのだそう。まず、エコーで赤ちゃんの様子を見てもらうと、赤ちゃんは這いつくばったカエルのような体勢をしており、お医者さん曰く、頭とお尻を押して回すにはちょっと難しい体勢なのだそう。
次に、赤ちゃんのお尻を浮かすため、おへそのしたあたりにグッと力をかけてもらいます。これがすごく痛い。お医者さんも「妊婦とは思えないほど腹直筋が硬くて、指が入らない」と苦戦されていました。
「赤ちゃんの体勢はカエルだし、私の腹直筋は硬いしダメかも……。アクティブ妊婦であったことが外回転術で裏目に出るとは……」とめげそうになりながらも、「これを耐えれば、帝王切開を回避できるかもしれないから!」と気合で我慢。
痛みに耐えながらも、お腹の力は抜いておく必要があるので、目を閉じて呼吸だけを意識して、ひたすら無心で耐え凌ぐことにしました。
しばらくすると、お医者さんが「あ、お尻浮いたね」と声がけをしてくれました。さらに横腹にグググと力をかけてもらいます。
「赤ちゃんも自分で動いてる!あ、回った回った!」
ということで、最終的に回転しました(泣)
回し始めてから18分くらいで終了。もうすでに軽く産んだくらいの達成感!!
わたしはしばらく放心状態で、お礼を言う暇もなく、お医者さんたちは退出していかれました(本当にありがとうございました)。
赤ちゃんが回った状態が戻らないように、手術台の背もたれが起こされ、心拍数モニターと点滴はされたままの状態で、1時間ほどあぐらで待機します。
その後、入院用のベッドに移動し、昼・夕方と赤ちゃんの心拍を確認。私の血圧や体温も測ります。朝もう一度心拍を確認した後、エコーで赤ちゃんの向きを確認し、私の血圧や体温を測って、問題なければ退院!お疲れ様でした!
逆子と戦ってみて
その後、逆子に戻ることなく、無事経膣分娩で産めました!!
結果的には良かったものの、逆子対策は思った以上に大変でした。
帝王切開になるので出産予定日が大幅に前倒しになったり、自費診療で据えてもらっていた逆子のお灸も地味に高かったし、逆子の確認のために、遠方の産院への通院回数が増えたのも想定外でした。
あと、逆子対策で体を温めようと思って、お灸と湯たんぽのお湯でやけどを負うなど、無駄な負傷も……。
また、29週ごろから細々と逆子対策はやっていたものの、帝王切開の解像度があまり高くなかったのもあり、自分が経膣分娩にこだわりがあるタイプだと気づくのが遅かったと反省しています。
焦りだすのが遅かったので、外回転術を予約するのが本当にギリギリのタイミングでした。うかうかしていると逆子に対して打てる手立てが少なくなるというのは、多くの方が知っていてもよいのではないかなと思いました。
Special Thanks
8tte さん
8tte さんによる外回転術体験記です。
36週1日でいろいろな病院に問い合わせされていて、最終的に湘南鎌倉総合病院されたそう。この記事のおかげで、「この週数で外部からの受け入れ可能な病院は湘南鎌倉総合病院一択なのかもしれない」と速攻で問い合わせた結果、なんとか施術が間に合いました!
本当に8tteさんとインターネットに感謝です。
途中でポケマムを借りているのも、すごく共感しました。
パートナー&母
いろいろなサポートありがとう!!!