見出し画像

なぜ結婚には契約書がないのか?事実婚契約書にまつわるあれこれ

現代社会に生きるわたしたちは、何か契約を交わすときには、明文化された契約書に目を通してサインをします。

契約内容を事前に確認し、納得してから合意することは、のちのちの揉め事を起こさないためにも重要なことです。

結婚においてはどうでしょうか。

多くの人は、特に深く考えることなく婚姻届を役所に提出し、法律上の夫婦として結婚をしているのではないでしょうか。
あたりまえですが、婚姻届には契約書のような細かい条項は見当たりません。

しかし、一度婚姻届を提出すれば、それは法的な責任と義務を伴う契約を結んだことになります。

わたしは法律婚ではなく、事実婚を選んだため、法律婚をしたときに発生する責任と義務の一部は発生しません。なので、あえて「契約書」を自分たちで用意することにしました。

わざわざ契約を結んだので、「結婚するといろいろな責任と義務が発生するんだな〜!大変だ〜!」ってことを文章で読むことになりました。

読んでみて改めて「なんで結婚ってこんな重い契約なのに契約書ないの?」と思ったので、どんな契約をしたのかをすこし書き留めておこうと思います。


作成した書類

事実婚は法律婚では当たり前に認められること全てが認められるわけではありません。しかし、中には公正証書などの書類を作成しておけば、同等の権利が確保できそうなものもあります。

しかし、実際なにか困ったことが発生した場合は、裁判で争われることになるため、完全に権利を保証するものではありませんが……。公正証書などの書類がどの程度有効かはケースにもよると思いますし、婚前に結んでおかないと効力として弱いという説もあります。

でも、ないよりはいいでしょうってことで、わたしたちは行政書士の方にお願いして、いくつか書類を作成しました。

事実婚契約書

わたしたちが事実婚関係にあることを確認し、責任と義務について取り決めたものです。
基本的なベースは行政書士の方に作成いただき、少し我が家向けにカスタムしました。

具体的には以下の点について、記述してあります。

  • 婚姻意思の合致を確認する

  • 同居し、夫婦関係から生ずる費用を分担すること

  • 不貞行為に関すること

  • 子どもに関する取り決め(認知・親権の行使)

  • 医療行為への同意

  • 事実婚解消時の取り決め

また、この書類は公正証書として作成するため、最寄りの公証役場に行きました。現地で、改めて書類の読み合わせをして、調印をしました。

夫婦財産契約書

公正証書に財産についても記述する方もいるとは思いますが、持っている口座が増えたり、会社を設立したりした際に、更新する可能性も視野に入れて、契約書として作成しました。

以下の点をもりこみ、クラウドサインで署名しました。

  • 特有財産の指定(なにを共有財産としないか)

  • 共有財産の取り扱い

  • 婚姻費用の負担

  • 債務の負担

  • 婚姻の解消

  • 契約の変更について

遺言書

事実婚は基本的には相続権がないため、遺言書を作成しました。
こちらも子どもができたりすると変更する可能性があるため、気軽に更新できるように、自筆証書遺言保管制度を利用することにしました。

作成してみての雑感

費用的には、行政書士の方への支払い(195,000円)、公証役場の手数料(1万数千円)、遺言の保管申請手数料(3,900円 x 2)、弁護士相談料(25,000円)で、約24万円くらいかかりました。普通に高いね!でもうちは婚約指輪・結婚指輪を完全にスルーしたのでヨシとしました!

また、事実婚契約書、遺言書の内容についてはだいたいテンプレに沿った内容となりすんなり決まりましたが、一番揉めるのはやっぱりお金

夫婦財産契約書に関しては、行政書士に作っていただいたものをベースに、夫婦で相談を重ね、最終的には別途弁護士に依頼し、どちらかに不利な内容になっていないかをレビューをしてもらいました。

この相談を重ねている過程で、パートナー的には、結婚する前に離婚について話し合うことに嫌悪感があったらしく、ちょっと険悪な空気になることもありました。

実際、せっかく結婚しようっていうのに離婚についても話し合わなきゃいけないとなると、結婚へのテンションが下がる方もいると思うので、結婚に伴う責任と義務はボヤッとさせたまま契約(結婚)したほうが、婚姻数は増えるんだろうなあと思いました。

余談ですが、『損する結婚 儲かる離婚』を読むと、契約内容を知らずに結婚してしまったために大変な目にあったエピソードがたくさん読めます!結婚前に読むと怖くて結婚できなくなるかもしれません。

 アフィリエイトリンクです!

いいなと思ったら応援しよう!

池澤 あやか
いただいたサポートは次の企みのための資金として大切に使わせていただきます。ありがとうございます。