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記録か思い出か

フイルムは高い。
現像、データ転送まで考えると3000〜5000円を用意しないといけない。さらに一度装填したフイルムは使い切らないといけない。
どんなフイルムを使おうか、試しに買うのには勇気がいる。

色んな人の作例を見て、試したい欲が出るが「果たして思った通りに撮れるのか」と怖気づく。
結局、いつものフジでいいか。

が、今回は少し勇気を出した。

Ilford Ilfocolor ISO400 24枚撮り。気になってた。

パッケージ通り、クラシックビンテージ。
「クラシック」に「ビンテージ」を重ね、さらにまだ「400ビンテージトーン」を記載、とにかく主張がすごい。
「試す必要はない、とにかく古めかしい色合いは任せておけ」感がすごい。ぜひ、お任せしましょう。

撮影はニコンS3で50mm f1.4のレンズ。近所でお祭り。フイルム装填の儀を終え、撮影へ。

人々の今風の服装が変に感じるくらい、昔っぽい色合い。

古めかしいとは言え、しっかり写る。色合いが「押し入れから昔の写真が出てきました」みたいな感じ。
この昔っぽさが、かえって「あぁ、この色はもっとこうだった」と撮影した光景を逆に鮮やかに思い出させる。
なんなら「蒸し暑かったなぁ」などと、写ってもいない事までついでに思い出す。

雨が降りそうだな。そんな心配をしたのも思い出す。

しかしこの「クラシック」で「ビンテージ」な「クラシックトーン」のフイルムで、神社やお祭りなど、日本のクラシックの代表格みたいなのを写すと、本当にただ「実家のアルバム見てたら出てきた写真」にしか見えない気がしないでもない。ちょっとテーマが濃すぎたかも知れない。

現代の日常を、色を変えて記録してみる。
それくらいがいいのかも知れない。
「鮮明な記録」じゃなく「ぼやけた思い出」を楽しむ、そんな事ができるフイルム。
あんなに主張するだけある。勇気を出して、任せておいて正解だった。ぜひまた使いたい。


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