大正ロマンの香りがする不穏な空気
突然ですが、好きな時代設定ってありますか?
例えば、西洋ファンタジーとか近未来SF とか。現実と地続きな作品もありますよね。個人的には明治・大正あたりがなんだかワクワクさせてくれる世界観なんです。江戸川乱歩が好きなのもあります。
そんな大正ロマンど真ん中でありミステリー風味たっぷりの作品がこちら。
『開花アパートメント』(作:飴石、出版社:KADOKAWA)です。たまたま電車内の広告で見かけました。珍しい出会いです。で、店で見ると、まあなんともそそられる表紙です。買いです。
まず、開花アパートメントが凄い。たぶん大正時代くらいだと思いますが、建物はスパニッシュミッション式(緩い勾配の寄棟屋根で庇が張り出しているのが特徴。バロック風切妻壁や、赤い屋根瓦と垂木の端を露出させており、外観はシンメトリー(左右対称)を原則とし、中央部分にペディメントを施したポーチコがあるそう)で各部屋に電話完備、地下には自動車庫、理髪店、倉庫、1階は食堂や談話室など。
もう高級ホテルじゃん!そんなとこ住みたいじゃん!
そんなところに住む住人ですから、もちろん一筋縄ではいかない人たちばかり。謎の翻訳家、探偵と助手、毒婦に2組の夫婦や謎の双子…。そして、一癖も二癖もある登場人物の裏側が語られていきます。それがまた、なんとも深みのある話。
これ以上は各話を全部ネタバレしてしまいそうです…
落ち着いた空気感の中にもどこかかから香る危うさ。
しっとりたっぷりじっくりハマれる作品だと思います。
ぜひご一読ください!
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