発売前のカードで論じる意味ある?

発売前のしかも全てのカードが出揃っていない状態でのデッキ構築や対戦に意味があるのか?

意味は当然「ある」のですが、『意味』なんて強い言葉を使うからXなどのSNSでしばしば論争のタネになったりします。

意味はプレイした人自身がそこに見い出すものです。本人がその時間楽しかった、何かしら知見が得られた、それだけで意味は生まれています。

しかし『やる意味ない』という発言の中には時に、

『(次環境の大会で持ち込めるデッキの検証を目的とした競技レベルの話において、まだカードも出揃っていない中で確定していない個々の強さ、まして流行も加味して決まるメタゲームがわかるわけないのに)やる意味ない』

と括弧書きで別の言葉が隠れていたりします。

そんな前提条件、本来誰も知りませんが、強い言葉を使うとこの前提条件が暗に満たされてしまう場合があります。

このnoteで言いたい事は1つで、『発信するのは個人の自由だが、強い言葉を使うならリスクはあるよ』という話です。

強い言葉のリスク

この記事で指す「強い言葉」とは、「捉え方が読み手によっていくらでも変わるのに、主題の対象が広い(多数の人が反応してしまう)言葉」のことです。代表的な強い言葉の例を挙げます。

・○○流石にTier1
・○○環境デッキだわ
・○○強い / ○○弱い

このあたりの言葉にどういうリスクがあるかと言うと、「検証の目的」「検証の精度」「プレイヤーレベル差」「カードへの熱量差(そもそもゲーム全体をみた検証なんて大それた話をするつもりはない)」など、本来なら全く異なる前提条件の人たちが「次環境の大会で持ち込めるデッキは何か?」くらいのガチレベルの話に片足を突っ込むことになるからです。

これは発信者がそんなつもりでなかったとしても関係ありません。なぜなら、強い言葉を使っているから。

Xのように一投稿の文字数も限られ、かつ流し読みが前提の場では「前提条件」というのは往々にして語られません。主題がぼけるので入れたくないですし、そもそも文字数制限の問題もあり真っ先にカットされる部分です。

加えて全員が隅々まで読んでいるとは限らないSNSという場です。「強い言葉」の投稿を見つけようものなら、様々な反応がされることでしょう。ひとたび拡散されてしまえば、もう投稿者の意図など関係ありません。「噂話に尾ひれがつく」のもっとエグイ版です。

「元々前提条件がカットされた状態で、読む側が完全に理解していないのに、好き勝手にみんなが自分の主張に使う」

強い言葉を使った投稿とは、そういうリスクに飛び込むことです。

補足

各言葉がどう危険かの補足。書き殴り。

・○○流石にTier1

「Tier(ティア)」という単語がヤバイです。
完全に競技シーンの話になるので、言い逃れできません。

Tierとは「層、階層」の意味を持つ英単語で、一番強い階層をTier1と呼び、以降Tier2〜と呼ばれます。数字が若いほど強いのですが、同じ階層に置けないほど突出した強さは「Tier0」や「TierGOD」と言われたりします。0はまだ数字ですが、GODは意味不明ですね。神デッキから来ていると思われる。完全にテンションで付いていますが、カードゲーマーはすぐフィールドに神を降臨させたがります。

尚、この「階層」はユーザーがつくりあげるものです。例えば藤井聡太さんしか使いこなせない完全無欠の最強デッキがあっても、多くの人は使いこなすのを諦めて次に強いデッキを握るでしょう。

そうなると次に強いデッキがTier 1です。大会でも「次に強いデッキ」がトップシェアでしょうね。

このときの完全無欠の最強デッキなら「GOD」と呼んで差し支えないかもしれない。流石に神デッキ、神にしか使えない。でも藤井聡太さんは特徴:人間。むずかしいね。

・○○環境デッキだわ

Tierほどではないが「環境」といえば一般的には「競技環境」の話、ひいてはメタゲームの言及につながります。
メタゲームの話になると、カードゲーマーは黙っていられません。

・○○強い / ○○弱い

これも解釈が自由すぎて危険。競技環境の話での「強い =Tier1」と捉える人も多いです。

数回のバトルでブン回って気持ちよくなって「つえーーー!!!」とテンションのまま「強い!」って書くのも勿論、強いで合っています。

言葉の問題すぎる。みんな仲良く。


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