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それを人はストーカーと呼ぶんだよ

モテ期は一生のうちに三回訪れると言われており、私のモテ期は中学二年生の頃、大学二年生の頃、二十四歳の頃と確かに一生のうちに三回訪れていました。
現在は結婚しており、新たにモテ期なんて期待もしていないし、三回も訪れているので金輪際ないと思っています。

そんなモテ期の中で、高校三年性の頃から恋愛というものを意識するようになりました。もちろん、その前から恋愛というものには興味がありましたが、この人良いなと思うことあっても、この人と恋愛をしたい。付き合いたいとまではいかなかったのです。

どうして高校三年生にして、恋愛を意識するようになったのか。
それはある人との出会い、初めての彼氏となる人となる人に出会ったのがきっかけです。

出会いは当時流行していたSNSツール、mixで出会いました。
きっかけは少しうろ覚えですが、何かの掲示板で彼とやり取りをはじめ、連絡先を交換しはじめたのです。

当時、彼の声だけ聞いており、イケボ(※イケメンボイス)だ!なんてもう好きになってしまったのです。
同い歳で住んでいる県も同じ県で運命だ!なんて感じていましたが、同じ県でも市が違く、大人になった今では車を使えば問題ない距離であったものの、まだ車の免許を取得していない私たちにとって中距離でした。

それでも好きな気持ちは変わりなかった私は、彼に毎日好き好きを言っていましたが、彼は距離もあるしごめんね。の一点張り。

そこで諦めればいいものの、私はまだまだ諦めない。

直接会ってキスをしたり、まだ彼氏にはなっていないのに私の”はじめて”をあげても。彼はそれでも付き合おうとはしなかった。

私もこれ以上は無理だ、諦めようと思えばいいのに。どうしてか、この時だけは何されようとずっと好きでい続け、何度も何度も告白した。

でも疲れてしまった私は、クリスマスの日にお泊りデートを誘って、断られたら諦めようと思った。

どうせ断るんだろうななんて後ろ向きだったが、予想外の言葉に私はこの時目を見開くということをした気がする。
嫌な顔をせずに「いいよ」なんて二つ言葉で返事する彼。

嬉しいと疑問の気持ちがあったが、この時は嬉しいという感情が余裕で勝っていた。

スケートをしたり、遊園地で遊んだり、ショッピングしたり。
傍から見たら普通のカップルみたいな私たち。

付き合えなくても良い。この時間が続けばいいのに。
なんて思っていた矢先、最後の観覧車のてっぺんで彼は「まだ俺のこと好きなの……?」なんて聞くから、私は「当り前!もちろん!大好き」という五回目の告白をした。
彼は私に観念されたのか「いいよ、付き合おう」なんて答えた。


この時は凄い嬉しかったことを覚えている。
ようやく私の想いが実ったんだって。

付き合い始めてからは嬉しい気持ちばっかりだった。
連絡するのも、直接会うのも、そういう行為をするのも。
全部、全部、愛おしくて。
まだ付き合って一ヶ月なのに。一生この人の隣にいるんだなんて、まるで結婚したいと言っているかのような気持ちばかり毎日毎日募っていった。


なのに付き合って三ヶ月で別れよう、と彼が告げる。
理由は好きになろうと思ったけれど、好きになれなかったという理由。
私はこれ以上のない虚無感を感じ、思わず泣いてしまう。
彼も見兼ねて次のデートで考え直すから、泣かないでと別れる発言を撤回。

別れるのを阻止できたのは嬉しかったけれど、この時は少し複雑さを感じた。


次のデートは水族館。
水族館は私の大好きな場所。ここで挽回できないとこの人の隣にいれないのでこの日は今まで以上に張り切ったデートをした気がする。

それが相まったのか、ようやく好きになれたとのことで恋人を続行することになった。

これで良かった、この愛は永遠だと思っていたのに。


今度は交際十か月くらいの時にまた彼から別れたいという言葉が。
今度の理由は別に好きな人が出来たからと。

その理由を聞いてまたもや私は泣くも、彼はもうそんな泣き落としには効かないから。もう本気で好きじゃなくなったから。そんな冷たい言葉を言う。

私はそんな彼のオーラに負けてしまい、渋々別れることにした。
別れてからも時々、彼のことを考えることが増えてきた。

そんな時、ふとTwitter(現X)で彼のネットでのハンドルネームを検索してみることにした。引っかかることはないだろうと思っていたが、まさかヒット。
名前が一緒なだけであって、彼ではないだろうなんて半信半疑もあり、過去のツイートなど遡ると私が知っている彼の情報がチラホラ。載っている画像も見たことがあるものだったので彼のTwitterだと確信。

そこから彼のTwitterをフォローせず、ただ見るだけ。
暇さえあれば彼のTwitterを見ることが日課になったのだ。


でもこの行動はまだ彼に未練があったから。
しょうがないよねなんて自分に言い聞かせていた。


彼と別れてから、しばらく未練があった中でも新しい人との出会いや別れ、更には彼以上の人と出会い、結婚・出産を経験した。


もう彼はただの過去の人。
もう未練なんてない。未練があるはずなんてないんだ。
そう思うのに。


どうしてか、今でも彼のXを覗いてしまう。
もちろん、フォローなんかはしない。そんなことしたらバレてしまうからね、相手に。

趣味は前とほぼ変わっていないなーとか、Youtuberになっているんだとか、彼女出来たんだとか。
今も暇さえあれば、彼のハンドルネームを検索し、何かつぶやきしていないかなーとついついチェックしてしまう。

彼に彼女ができたから嫉妬とか、未練が再び出てくるとかそんなことはなくて。ましてや浮気したいという願望もさらさらない。(※私がまだ独身で交際相手がいるにも関わらず、別れてから数年経って向こうから連絡があって体を重ねたことはあるけれど)

むしろ幸せになって良かったね、と少しばかり祝福している私がいる。

単純に過去付き合った人の、付き合う寸前までの人のSNSを見たいだけなんです。
最初は好きだったから、好きな相手だったから、知っている人だから。
そんな理由で見たい気持ちが増し、XやInstagramでそれらしい人を探すのを未だにやめられません。

旦那のことが好きじゃないから。愛想尽かしたから。浮気したいから。
そんな理由は全くないのです。

ただ、関わった人の動向が気になるだけで。

でもこれはきっと、世に言うストーカー、いや、ネットストーカーなんだろう。

旦那に今すぐやめろって言われたらやめるかもしれないけれど。
ある意味、これが私のささやかな楽しみなのかもしれない。

共感する人は少ないと思いますが、これっておかしいですかね?


(了)

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