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人生で初めて「修羅場」というものを経験した話


現在は結婚し、子供にも恵まれ、ごく一般的な家庭というものを築いている普通のしがない一般人な私。

そんな私でも”修羅場”という経験を一度したことがあります。

それが今から約8年前。
私が大学三年生の頃。



大学一年生、二年生の時は大学の学園祭実行委員会に入っており、学業とその委員会。そしてアルバイト、友達と遊ぶようなありきたりな大学生活を送っていた。

学園祭実行委員会は正直、内気な自分を変えたいと思って入った。一年で辞めようと思ってたけど周りの人たちに恵まれていたのか、楽しい日々を送っていた。
一年生の時より二年生の時が一番楽しかった思い出がある。ただ、楽しいだけじゃ終わらない。
他のサークルと違い、学園祭実行委員会ということもあり、学校全体の大事な文化祭に関わってる仕事のようなものなので学年があがることに役職が与えられるようになる。
責任を負いたくない私は、大学三年になる前に委員会を辞め、学業に専念するかと思いきや、私はアルバイト一直線に入った。

私がアルバイトをしていたのは焼肉店。そこそこ高級店な焼肉店。
焼肉の名前を正直覚えることが苦手でメニューを誤魔化しながら提供した時もあった適当さがあったが、これまた周りに恵まれていたのか(多分)頼られていた気がする。

お昼の時間はおばちゃん世代が多いパートさん。
夕方から夜にかけては高校生や同世代の子達ばかりだったのでバイトをするのが楽しかった。

それに一番驚かれたのは、学業にも専念しつつ、委員会を辞めたことでバイトのシフトを増やしたおかげで正社員として入社した年下の子よりだいぶ稼いだこと。
夏くらいに18万くらい。思わず申し訳ないって思ってしまった。

その頃かな。
修羅場を経験するきっかけになったのが。



一日フルタイムで入る日などお昼休憩で賄いを食べる時があるが、自分一人だけじゃなく、他の子達も一緒に食べることがあるので賄い部屋と言われる大きな個室(座敷)で大人数、そこで談笑しながら休憩を過ごす。

その時、Eくんと呼ばれる当日高校二年生の男の子が急に「いちこさん、来月どこ入ってます?」とシフトの紙を見せながら聞いてきた。
私は正直驚きましたが、何の疑いもなくこことここ入ってるよなんて言いながら普通に返答した。
彼はニコニコしながらシフトの希望日程を書いてその日は何事もなく終わった。


Eくんとシフトが被るようになったら、今まであんまり話したことないのに少しづつ話すようになった。
そもそも私はホール内での仕事(主に接客)、Eくんはキッチンでの仕事なので話すタイミングはあまりなかったのが現状。

Eくんは一個上の彼女と付き合ってるらしい。
同じキッチンの人で時々話す人に聞いた。
私は彼とどうこうなるつもりはなかったからその時は「ふーん」という感情しかなった。

Eくんは高校生なので22時まで仕事はできない。反対に私は20歳を超えている大学生なので普通にできる。だから仕事終わりが22時過ぎていると高校生たちは普通はもう帰っているはずなのに、賄いを食べていると言う名目で残っている人が多数いた。
Eくんもそう。

ただ賄いを食べているだけだと思っていたが、そうじゃないみたいだった。
Eくんは私とまだ話したかったと真っ直ぐな目で見てくる。
だからその場で談笑したり、時には私が運転する車の中で二人きりでどうでもいい話をしたり、LINEでも会話したり、夜中に電話をする日々が続いた。

私は純粋に可愛い後輩とおしゃべりする行為が楽しかった。だけど一つ疑問点があった。

Eくんには彼女がいるはずだよね…?

だから私は聞いた。
「彼女さんとは大丈夫なの?」
すると彼は「倦怠期なのかな。もう、別れたいと思ってるんだよね」と答える。

意外な言葉に驚いた。
他のキッチンの人に聞いた時は、夏祭り楽しそうにしていたと聞いていたので何があったのか。

私は純粋に恋愛相談として色々話をまた聞くようになった。だけどそれがいけなかったのだ。

彼は二人きりで話したいと言い、私の車の助手席に乗るなり、彼は私に不意にキスをするのだ。
驚きつつ、彼のことを拒むも、彼は年下といえ、相手は男。拒む力がだんだんと弱ってくる。私は当時、NOとは言えない人間だったので彼が私の身体を弄っていても私は受け入れるしかなかった。


そんな日々が数日続き、Eくんは唐突に泊まりでここに行きたいと言う。
まだ彼女とは別れている様子はない。さすがに泊まりは良くない。だから断るも、せっかく休み取ったのにと言って聞く耳を持たない。
だから私は観念して泊まりじゃなければ良いよと言い、二人で初めてのお出かけをすることになったのだ。


Eくんがローストビーフ丼を食べたいと言うので行列必須だったお店に向かうことにした。
今までのことが嘘だったかのように普通に食事を楽しんだ。

これから地獄が始まろうとも知りもせず。




目的が終わり、普通に解散かと思いきや、彼はまだ帰りたくないと言う。
どこのカフェとか行くか聞いても答えない。
「何したいの?」って聞くとこういう所行きたいとスマホの画面を見せてくる。
そこにはラブホテルの画面。

このお出掛け、いわゆるデートだって彼女がいる男と一緒にいるのも危ういのにラブホなんて。
さすがにこれは、と思いNOと言えない私でも拒絶した。
なのに彼は諦めない。そして「何もしないよ、社会科見学だから」とそれっぽいことを言い出す。
確かに高校生はラブホなんて行かない。むしろ行けない。でも未成年じゃない私と一緒であれば大丈夫なのかなと良く分かってないなりに社会科見学だからねと念を押し、Eくんと、彼氏ではない相手とラブホに行くのだった。

私は人生で何度かのラブホ。相手はほんとに恐らく初めてなんだろう。反応がいちいち初々しい。

今までEくんとは、キスや身体を触られたことは何度かあったけど、今回は訳が違う。そういう行為をする場所に来てるのだ。休憩ではない。でも今回は社会科見学。あくまで社会科見学だから、そういうことはしない。絶対に。
それに私はEくんより、年上。少し大人なんだから、彼を自制させるように私がリードしなくては。

そんなことを思っても一瞬でそれは砕けてしまった。
彼の社会科見学という名目にまんまと沼に入ってしまった。
一緒にお風呂に入ったり、今まで禁止にしていた挿入をしてしまったり。
私は更なる禁忌へと犯していった。


これをきっかけに彼はバイト先でも見えるように私の首にキスマークを付けたり、挿入はしなくてもそういう行為を続けていた。

時には、バイト先の同僚や後輩、先輩までなぜか心配するようになった。
恐らく、「浮気」のような行為をしているからだろう。

私はそうしたくなかったのに。気付けば傍から見るとれっきとした浮気であった。

そんな時、Eくんと親しかったEくんより一個上であり、年下だけどバイトでは先輩であったIくんにこう言われた。

「いちこさんはEのこと本気で好きですか……?」
「え……?」
好きとか嫌いとか正直あんまり考えたことがなかった。
最初は可愛い後輩だなと思っていたところから始まり、気付けばお互い”好き”という確認をせずに、そういう行為へ走っていた。
好きとか、可愛いとかそんな言葉を発してくれていた。でも「付き合おう」なんて言葉は一切ない。ましてや彼女と別れたなんて言葉も一切聞いていない。別れたいと言っているだけで、事実は確認しなかった。

なんて答えるのが正解なのか。
Eくんのことは好きか嫌いかの二択で答えろと言われれば、【好き】の部類に入る。
でもそれが付き合いたいという意味の【好き】かと聞かれると分からない。
今はどちらかというと、友達としての【好き】なのかもしれない。


だから私は、「好きだよ」と何の迷いもなく答える。
そしてIくんは「そうですか……」と言い、外に出る。
どうしたのかなと思っていたが、数分後。

Iくんから外に出てほしいと言われ、そのまま外に出る。

するとそこには、少しガラの悪い人たちが数名とEくん。そして一人の可愛らしい女の子がバイト先の駐車場にいた。

なんだろう。この状況。と一瞬思ったが、また一瞬にして理解できた。
可愛らしい女の子はEくんの彼女だと。
隅にいるEくんはまるで子犬のように落ち込んでいた。こっちを見ようともしない。

そしてEくんの彼女は口を開く。
「あの!Eから聞いたんですけど、あなたEをたぶらかしたんですか?」
「いや、たぶらかしたって言うのは少し語弊がありまして」
「でもEに聞いたら、あなたがデートに誘ってきたって言ったじゃないですか!?」

彼女の言葉に絶句した。
Eくんからデートに誘ってきたはずなのに、私がデートに誘ったことになっていた。きっと彼女の口調から見るに怒らせたら怖いタイプの人間なのだろう。彼自身が撒いた種なのに、全部私が責任を負う形に仕立て上げていた。

もちろん、彼にも非があるが、私にも可愛い彼女がいるって知っていながらもデートやそういう行為をしたというのには変わりない。私もかなりの非がある。

だから私は素直に大勢いる中で「ごめんなさい」と謝る。
正直、恥ずかしかった。
バイト先の駐車場にて、知らない人も含め、大勢に見られながら、彼女に怒られる姿には。
そしてEくん、Eくんの彼女、Iくん、Iくんの友人たち。
それぞれ私より年下。お手本にならなきゃいけない私が何やっているんだという思いでいっぱい。

幸い、お昼休憩の時間帯だったので人通りはあまりいなかった。
だからその現場を見ているのは、現場にいた人たちに加え、同僚の女の子と後輩の男の子だけだったのでまだ良かった。
これでもっと大勢の人たちに見られていたと思うと、もっと大きな黒歴史になるところだった。


まぁ、この時点でもかなりの真っ黒い黒歴史だけど。


その後、落ち込みながらも夜の時間帯もバイトに励んだ。
終業後、Iくんからまた呼び出され、Iくんのスマホを手渡された。
誰かと通話している様子だった。恐る恐る電話に出る。
それはEくんの彼女だった。

また怒られるのかなと思いきや、私も言いすぎましたと少し謝られた。
私がいけないことをした立場なので謝る必要がないのに、わざわざこうして電話をくれた彼女のことを少し好きになった。
電話はそれだけじゃなく、Eくんの嫌なところとか愚痴とか、好きなところとか一方的に話された。
普段だったら聞くのだるいなと思うが、今回だけはしっかり聞いておこうとなった。

この瞬間。ほんの一瞬だけ、Eくんの彼女と友達になれた気がした。
ほんとに一瞬だけど。


Eくん事件が起こってから、私は今まで通り、バイトに出勤。
時々Eくん事件をいじられていた。もうネタにするしかないなって。

Eくんはというと、やはり気まずさからなのか、バイトを辞めた。
私と会うこともなく。


その後は、彼女と上手くいったのかは分からない。
この経験を反省に彼女一途なのかなと思っていたが、どうやらまた何かしでかしているような風の噂があったり、なかったり……?







という感じで、人生で修羅場を経験した話をまとめました。
あの頃は、恋愛というものが分かっていなかったし、流されるままな受け身だったので仕方ないのかもしれません。
(仕方ないで済む話ではない)

その後も懲りず、私は彼女のいる先輩の一人暮らしの家にお泊りしたり、そいうことをしたりしていた通称:二番目の女になっていましたからね……。


将来もこのまま浮気とか、不倫とかしちゃうような二番目の女になるのかな~と不安な未来を抱えていましたが、最終的にはまともな将来に辿り着き、安泰です。

(──と言っても、現在の結婚までのプロセスもまぁ、色々語れるわけですが……例えば、マッチングアプリで出会った年下男子はホストクラブの勧誘でしたとか、マッチングアプリで声が好みだと思った人は自分勝手なドMバンドマンでしたとか……ね)

上記にあるお話はまたどこかで話せたら。


今回、昔そういえばこういうことがあったなと思ってnoteに記しました。
いわゆる記録用です。
内容も少し省略した部分もありますが、読んだ人がこんな大人にならないでほしいなと思いました。

私も今では語れるネタとして来世まで持っていけるけど、もし。
もう一度時を戻せるならこの時代に戻ってやり直したいですね。

Eくんのこと、本気で好きじゃないなら子供をからかわない!
自分よ、大学生だからといって一応成人を超えた大人なのだから。
恋愛に疎かったとしても後先のことを考えて行動しろ!ってね。



拙い内容でしたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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