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拝啓、推し様。4(完)

──拝啓 推し様。


君との出逢いを書き出していたらもう書く行がなくなってしまったみたい。

もう少しで締めるとするよ。


えー。これを読んでいるということはもう僕は、この世にいないってことだね。

あ。言っておくけど、これ自殺じゃないからね。間違っても後追いしないでね。

僕がいなくなったのはれっきとした病気であり、僕の方が年上なのだから。こればっかりは仕方ないことだよね。


君は僕と再会を果たした時。既にアイドルを引退していたけど、やっぱり君は生まれ持ったアイドルの天性を活かすべきだと思う。若いピチピチなアイドルは確かに良い。けどそれに負けない君の笑顔と究極のファンサービスを持ち合わせている。だから、もう一度アイドルをやってほしい。それが僕の願いです。

アイドルをやっている君を間近で見れることはもうないけど、アイドルを続けてくれたら死んでも喜ぶ。まぁ死んでるけどね。


もう少し早く。僕が最後まで君を推しとして応援していたら。長い時間二人でいられたのにな。

僕って本当にバカだ。好きなくせに閉じ込めようとするなんて。

でも君も僕と同じストーカー気質を持っていたから叶ったことだから。君に感謝しきれないよ。


僕たちは運命の赤い糸で繋がっていたのかなぁ、なんてギザの言葉より、<邂逅>という言葉のがかっこいいね。


僕たちはあれから交際。交際半年足らずで娘が授かったのも嬉しかった。

スクスク成長する娘は君と同じように愛らしい。大きくなったら君みたいにアイドルになるのかな。

そうなったら良いなぁ。そしたら僕は空の上からレスするって決めている。


あぁ。もう書くスペースが本当になくなってきた。

これで本当に最後、お別れだね。

僕は君と出会い、別れ。そしてまた巡り合えたことを誇りに思っている。

何の取柄もない元キモオタガチ恋ストーカーだった僕を最後まで愛してくれてありがとう。

僕も君を愛することをやめないで良かった。

どうか。元気でね。


僕の愛する悠衣、希愛(きあ)



(了)

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