耳すま日記
好きなジブリ作品は「耳をすませば(以下、耳すま)」。
他にも素敵な作品多かれど、私は耳すまが断トツで好きです。
耳すまの聖地・聖蹟桜ヶ丘へ遊びに行ってきたので、今回は耳すまについて語ります。
※
耳すまは視聴人口が多いので、どこからがネタバレに当たるのか分かりませんが、作品の内容についてガッツリ触れます。嫌な方はお帰りください。
また、作品の内容が分かる体で話を進めますので、見たことがない方は早急に見て戻ってきてください。良作です。
私のブログなので自分語りしますよ。
私が耳すまに出会ったのは小学生の時だと思います。よく覚えていませんが。でも小さい頃からずっと好きだったのは確かです。
中学に入り、聖地・聖蹟桜ヶ丘の存在を知りました。高校に入ったら行こうと思っていました。
高校、聖地巡礼しませんでした。
そして今、念願を果たしました……!!!
本当ならね、私にとっての聖司くんと、二人で行こうと思っていたんです。でも聖司くんは現れませんでした。足繁く図書館に通っても出会えませんでした。
廃れた図書カードが憎い。
仕方がないので、一人で行きました。
耳すま聖地巡礼前日、耳すまを見返しました。こういうの、ちゃんとしたいタイプです。
好きな割に、映像を見返すのは随分と久しぶりでした。見返さない間に、原作漫画を買ったり実写映画を見たりしていたのですが、ジブリの耳すまとは数年ぶりと言っても過言でないくらいお久しぶり。
自分がいつの間にか成長していたことに気が付きました。
一番驚いたのは、雫ちゃんのお姉さん。今の私と同じ大学生ですが、しっかり者すぎます。お母さんの代わりに家事をこなして、バイトをして、一人暮らしを始めるのです。私は自他ともに認める箱入り娘ですが、親のすねをかじってばかりじゃダメだなと思いました。自立しないとね。
何を勘違いしていたのか、最近まで雫ちゃんのことを高校生だと思っていました。最後のシーンで婚約するものですから、それくらいの年齢だと思い込んでいたのです。ところがどっこい中学3年生でした。マジかよ。
見返してみれば、作中のテストのシーンで出てくる漢字、確かに中学生くらいの頃に習った気がします。
熱心に見入っていたのが幼い頃だったので、セーラー服も定期試験も部活も、全てオトナなものに見えていたのでしょう。
おませな女の子だったので、最後の告白のシーンが大好きでした。でもよく見たら、学校の屋上で一度良い雰囲気になっているんですね。それを踏まえての早朝求婚。聖司くん、やるじゃん。
その求婚を見たいがために、おじいさんとの原石のシーンを毎回すっ飛ばしてました。つまらないと思っていたけれど、あのシーンはなくちゃダメです。今になって原石の重要性やメッセージ性に気付きました。おじいさんの言葉があたたかくて優しくて心に沁みます。
幼い頃は雫ちゃんばかりに感情移入していましたが、俯瞰してみれば、雫・聖司・夕子・杉村の恋愛模様が複雑すぎて、その真ん中でもみくちゃになった雫ちゃんの心労が計り知れません。
けれど、その4人だけでなく雫ちゃんの家族やその他諸々の人も含め、登場人物全員が自分の心に“耳をすませて”生きているハートフル作品であることを知りました。
泥臭いけれど甘酸っぱい青春を、私も慈しみたいです。
こころなしか早くなっていく歩調を包丁と勘違いして、こりゃ物騒な曲だと思っていたのも懐かしいです。
こういう感想を言い合える人がいないので、ここで消化しました。耳すま好きがいたら、ぜひ仲良くしてください。
さてやっと本題に入ります。前日談書きすぎ。
京王線 聖蹟桜ヶ丘駅へ向かいます。行きの電車の中で漫画を読み、カントリーロードを聴きながら、聖蹟桜ヶ丘の駅名がアナウンスされるたびに心を躍らせます。けれど何かが起こるわけでもなく普通に到着。
車内に猫が乗り込まなければ何も始まりません。もっとも私は猫アレルギーなので、隣に座られては困るのですが。
改札を通ったあたりで、ホームの方からカントリーロードが聞こえてきました。電車接近の音楽がカントリーロードなんですってね。帰るときに聞き逃したので、ちゃんと聞けてはいません。
猫がいないかキョロキョロしながら西口を出ます。
耳すまの背景によく映るKeioの看板を仰ぎ見て、青春のポストを探します。
街全体が耳すまを推していて、とても嬉しい。
このポストは投函しても実際に配達してもらえるわけではありません。けれど、夢を書いて投函し、夢が叶ったらそのご報告を投函するという、青春を後押ししてくれるようなポストなのです。
投函するような夢がない私は見るだけです。
窓を覗くとバロンがいたような気がします。他にも閉じ込められているやつらがいましたが、メンバーは覚えていないです。
ポスト裏の階段を上り、左へ進むと、スタンプラリーの紙がもらえます。そして1つ目のスタンプをポン。
この紙を片手に出発です!!!
スタンプラリーのゴールは地球屋があるロータリーです。そこまでは一本道なので迷うことはない。
歩き始めて早速、2つ目のスタンプを発見。
歩いて左側に見えるファミリーマートです。
ただのコンビニに見えますが、ここは作中で雫ちゃんが牛乳を買ったり、夕子ちゃんと待ち合わせしたりしていた場所です。
スタンプを押し、写真も撮りましたが、言ってしまえばただのコンビニなのでそのまま通過します。
周りに見える“聖蹟桜ヶ丘店”の文字が輝いています。周りを探したら本当に雫ちゃんがいるのではないかと、キョロキョロに一層キレが増します。
川を渡ると目の前にデーンと坂が現れます。
ここ登るのぉ?
埼玉の平野に慣れ親しんだ人間にこの傾斜はキツいです。万年引きこもりが祟ります。
けれどこの先の地球屋で聖司くんに出会うため、頑張りますよ!
♪カントリーロード
この道ずっといけば
あの街に続いてる気がする
カントリーロード♪
そうですよ、この道を行けば雫ちゃんのいるあの街に続いているのです。気がするだなんて不確定さはありません。確実にあるのです。地球屋は、あります!
ぐんぐん歩いていきます。滲んだ汗を、秋の気配が撫でていきます。最近急に寒くなりましたよね。風邪など召されませぬよう。
登った先、道路の反対側に雫ちゃんのお父さんが働く図書館があります。実際のその場所はいろは坂桜公園です。
自然豊かな公園でした。どれくらい豊かかと言うと、木が生い茂るくらいです。
気になりますか?仕方ないな、写真載せてあげます。
ね、生い茂ってるでしょ。
緑の図書館を横目に、いろは坂を横断する階段を上ります。3つありますよ。
覚悟はしていましたが、坂というだけあって疲れる。
ところどころに看板が看板があります。
その看板に勇気づけられて上を目指します。
この階段は、雫ちゃんが地球屋から図書館へ行くときに駆け下りていった場所です。
私も帰りに駆け下ります。
3つ階段を上ると、左手に小さな神社があります。
ここは、杉村が雫ちゃんに思いの丈を告げたところです。
思えば、夕子ちゃんは野球部の先輩からラブレターを貰っているので、耳すまガールズはモテモテですね。
私には「これからも友達か?」なんて聞いてくれる男の子すらいません。
階段の隣に腰掛けても、誰も告っちゃくれません。
神社に挨拶がてらお参りをしていたら、地元住民のおばさまが話しかけてくださいました。
観光に来る方が多いそうです。
一人で来たんですと言ったら、「たくましいわねぇ」と言われました。聖司くんに会えないのは、私がたくましすぎるからかもしれません。
さて、まだまだ歩きますよ〜。
いよいよ、ロータリーへ行きます。
道中、階段を何度も見かけました。作中の階段はいくつかの実物の階段を組み合わせたものらしいので、階段を見かけるたびに「これはジブリに出てきた階段か?」と思いながら、一応降りたり登ったりしてみます。
体力がないくせに、道草食わないでください。
そこそこ歩きました。洋風のお家が多くなってきて、そろそろロータリー?なんて思ったらまだでした。
この道はどこまで続くんだ……と思っていると、ありましたよ!
ロータリーの標識!!!
ネタバレッ!!!!!!
まさか標識にネタバレされるとは思わず。私も雫ちゃんみたいに
「こんなところにロータリーが?!?!」
と思いたかったのに
「こんなところにロータリーの標識?!」
となっちゃうなんて……。
まあいいです。ゴールは目前なので。
そして、ロータリーに着きます。
スタンプラリー最後のスタンプがこの地にあります。相変わらず猫に会わなければ聖司くんもいないけれど、雫ちゃんの大切な場所にお邪魔することができました。感無量。
聖地巡礼って良いですね。なんてことない景色が特別になるから。
このロータリーにある、和桜というお店にお邪魔します(スタンプもここにあります)。
お店のお姉さんがカーテンを引いて、バロンと恋人を見せてくれました。2人とも、再会できたのね!♡
ここで「ロータリードーナツ」を頂きます。ずっと気になってたんですよ〜。
写真を撮ろうとしたら、お姉さんがニャンコを連れてきてくれました。毛並み良く決まってますね。でも、どこ見てんの。目ぇ逸らさないでよ。
このロータリードーナツは抹茶味。他に紅茶味もあります。
焼きたてなのか、あたたかくて、外はサクッと中はしっとりしています。頑張って歩いた身体を労るような、やさしい味です。
お抹茶の味わい方が分からない人間なので、抹茶ドーンみたいな味は苦手なのですが、この抹茶はほのかに香って仲良くなれるようなお抹茶でした。
食べきってしまうのが惜しくて、ちびちび食べます。
お姉さんが、手作りの耳すまノートや雑誌の切り抜きを持ってきてくださって、それを眺めながら食べ進めました。
丁寧な暮らしって感じの、満足感高い時間です。
訪れたファンの方が書き込むファンノートもありました。日本語ではない文字もいくつかあって、なんだか嬉しくなりました。制作関係者ではないのに、誇らしいような、よくぞこの作品を見つけてくれたと褒め称えたいような、変な気分です。
そして、高確率で探されている聖司くん。
分かりますよ、私も聖司くん探しに来たもん。
私の聖司くん、どこ!!!
予約をすれば、あの鍋焼きうどんも食べられるそうで、鍋焼きうどんが美味しくなる季節にまた行きたいです。
地名になっているだけあって、桜の名所でもあるそうなので、春にもぜひ。今度は一人じゃないといいな。はは。
随分まったりさせてもらってから、さらに聖蹟桜ヶ丘の奥へと足を進めます。
スタンプラリーはロータリーのスタンプでおしまいですが、ロータリーを抜けた先に、雫ちゃんが暮らす団地があるのです。
駅からロータリーまで歩いて20分。ロータリーから団地まで20分。
全て自分の足で歩きました。頑張ったインドア派。この日はトータル2時間くらいウロチョロしてたと思います。良いお散歩です。
いろは坂通りを歩きます。結構ね、遠いです。ずっと歩くと前方に団地の一角が見えてきます。わー白い!
公園を横切ります。上る階段の途中で(また階段)、ドングリや栗みたいなイガイガしたやつが落ちています。小さい秋見つけました。
公園を抜けると見えてくるのが給水塔です。
作中では、この場所で早朝求婚が行われます。朝焼けをバックの告白。くぅ〜。いいですね。
実は私、言ってなかったんですけど、朝焼け好きなんですよ。チラチラッ。
次行きます。
給水塔の横を通ると、地図が目的地への到着を告げました。
お住いの方がいらっしゃるので、さすがに写真は撮りませんでした。
調べると、雫ちゃんの住む団地のモデルになった建物の番号(番地?)が詳しく明記されていたりしますが、どこがどこやら分からなかったので、雫ちゃん宅の兄弟団地を見て満足しました。
んー、まあ、似てると言えば似てますかね。
新興住宅地の育ちなので、団地はどれも同じに見えて敵いません。ちゃんと自分のお家がある建物が分かるのすごいですね。
団地を通り過ぎて小さな公園に行きます。ここは、杉村に「先輩からのラブレターの返事くれ」と言われて泣く夕子ちゃんを、雫ちゃんが慰めるシーン、のベンチがあるとこです。
私もここで一人二役します。
「こんな顔じゃ学校行けない。明日休むね(泣)」
「テストあるよ?」
「うん(行かない)」
うろ覚えなのでセリフが合っているか知りませんが、テスト休むの強いなと思いました。
でもなんか、こういう思いつきや今の気持ちだけで未来を切り開いていく感じが、愚直で眩しいです。
意気揚々とベンチ探そ〜と思ったのですが、おじいちゃんおばあちゃん達が、ゴルフに興じておられました。いち観光客がご老人の楽しみを奪うものではないので、「公園に用はありませんけど」といった風にUターンします。普通に悔しかった。
では帰りましょうね。
もうイベントは無いかと思いきや、最後にビッグなのあります。
そう、いろは坂の駆け下りです。
清水寺の飛び降りみたく言ってすみません。
ともかく、私はやらにゃならんのです。
例の階段前。妙に力む身体。
見られていたら恥ずかしいので、周りに人がいないこともしっかり確認します。
録画を開始して
駆け下りる!!!
「(雫ちゃんのセリフ)」
撮れた動画は非公開ですが、幾度の水分補給でタポタポのお腹と、思ったより重く回る足で、エモいも何もあったものじゃありません。加えてひどい内股。
それに足元ばかり映していました。ジブリはもっと目線を上に、住宅街を見下ろすアングルです。
そしてまさかのTake2。
階段最上までもう一度上り
駆け下りる!!!!!!
Take1より、いささかマシな動画が撮れました。
私はジブリのヒロインにはなれないし、プロのカメラマンでもないので、これで良しとします。
前方から人が来ちゃったし、解散です。
帰りの坂は下り。
ゆっくり歩いて聖蹟桜ヶ丘の景色を焼き付けます。
秋が隣にやってきて、天気も良くて、大好きな作品の仲間入りができて、とてもステキな一日でした。
私もいつか、好きな人ができました、と言えますように。
階段を“のぼる”の漢字変換が不安定ですが、直すの面倒なのでそのままにしてます。
「上る」が正しい?