(子ども・子育て支援金制度創設に係る国会審議の論点を整理しています。)
支援金は、医療保険制度を通じて徴収される。
医療保険制度を利用する案は、どのようにして生まれたのか。
竹詰 子ども・子育て支援金制度って、一体、保険制度なんでしょうか、何なんでしょうか。これ、本会議でもこういった質問をさせていただきました。なぜ医療保険と同様の算定とするのか、なぜ医療保険と一緒に徴収するのか、なぜ実質的負担がないと言い切れるのか、私はそれらが解明されていないと思っています。
また、国民からも期待されていないというのが七三%という世論調査のことを本会議でも御紹介させていただきました。
少し振り返ってみますと、ちょっと先ほど柴田委員も触れたんですけれども、私の存じ上げる限り、例えば令和三年十二月に閣議決定、こども政策の新たな推進体制に関する基本方針、あるいは翌年の十二月に全世代型社会保障構築会議報告書、令和五年六月には、こども未来戦略方針、そして骨太の方針二〇二三、去年の十二月にこども未来戦略と、こういったものがいろいろ閣議決定あるいは政府の方針として決まってきたわけですけれども、この様々な会議を経て方針や戦略などが出されてきたんですが、この子ども・子育て支援金制度というのは一体どの段階から議論がされて表に出てきたか、私自身、理解できていないですね。
その経緯を説明していただきたいんですが、この子ども・子育て支援金を医療保険制度を活用して徴収する案、これは、いつ、どの会議あるいは審議会で出てきたものなのか、御説明ください。
加藤 お答え申し上げます。
子ども・子育て支援金の賦課徴収を医療保険の仕組みを通じて行うことは、昨年六月のこども未来戦略方針において、賦課対象者の広さを考慮しつつ社会保険の賦課徴収ルートを活用することとされ、これを受けた昨年十月のこども未来戦略会議におきまして、賦課対象者の広さの点から医療保険制度とすることが考えられるとの御意見を頂戴しました。その後、こども家庭庁におきまして昨年十一月に開催をした支援金制度等の具体的設計に関する大臣懇話会におきまして、こども家庭庁から、医療保険者に被保険者からの支援金の徴収等をお願いすることについて論点として提示をし、有識者の方々や医療保険者の方々の意見を伺った上で、最終的には昨年末にこども未来戦略として閣議決定し、政府として法案に盛り込んだものとなります。
竹詰 よくこういった議論の中で、例えば審議会や有識者会議などで議論のやり方として複数案提示されて、A案、B案、C案というのが複数案提示されて、それを議論した中で最終的に一つの案に取りまとめられるという、こういった議論のやり方もあるわけですけれども、私、今の加藤大臣の御説明聞いて、こうやって複数案という中から絞り込んだわけじゃないというふうに、そういった印象を持ったんですけれども、この支援金の徴収は、もう最初から一貫して、この支援金制度、今提案されている支援金制度、医療保険制度等を活用するという、こういった議論の進め方であったのか、もう一度、大臣、お伺いします。
加藤 お答え申し上げます。
経緯としましては先ほど申し上げたとおりでございますけれども、昨年六月のこども未来戦略方針において、賦課対象者の広さを考慮しつつ社会保険の賦課徴収ルートを活用することとされたことを踏まえまして、秋以降の議論において医療保険制度という具体案が上がり、その方向で関係者の御意見を頂戴してきたものでございます。
竹詰 それでは、最初から医療保険制度しか検討候補がなかったというふうに今私は理解をいたしました。
参考資料等
こども未来戦略方針
こども未来戦略会議
支援金制度等の具体的設計に関する大臣懇話会
こども未来戦略