
[Eレギュ対応]レシピでわかるメタモンVバレットのつくりかた
メタモンVバレット
それは組んで楽しいデッキ。
一方、特に環境に影響されやすいデッキでもあります。
何度も構築しているうちに、
より簡単な組み方はないか?
よりシステマチックに構築できないか?
そう考えた結果、一応の結論を見たので記事にしてみました。
お読みいただければ幸いです。
サンプルとしてゴリランダー軸メタモンバレットを使います。
デッキコード
VVkFFV-AfiKvx-kFkvkV
1. デッキはエネルギー供給から考える
攻撃を担当するポケモン群を考えるのはデッキ構築の楽しいところです。
しかし強そうなポケモンVをなんとなく投入するだけでは、完成に時間がかかってしまいます。
近道は、どうやってエネルギーをポケモンに供給するかから考えることです。
その理由をポケモンVのエネルギー事情に着目して解説します。
◇ポケモンVのエネルギーの特徴
バレットデッキに有用なポケモンのエネルギーは多くの場合、
[ポケモンのタイプのエネ] + [無色エネ×2]
となっています。
この無色×2の部分をどう解決するかで、採用するエネルギーの色が決まります。
すぐに思いつく候補としては、
加速筆頭の溶接工にボルケニオン。
ドータクン、ポリゴンZといったポケモン。
メタルソーサーや、クラッシュハンマー+ターボパッチ
などが挙げられます。デッキの個性が最も現れる場所だと感じます。
サンプルでは、ゴリランダーの特性でエネルギーを供給するため、
モクナシと草エネルギーの採用が決まりました。
◇なぜ3エネが基本なのか?
有利な相性のポケモンと対面した際、当然一度の攻撃で倒すことを狙います。
その際に必要な火力が最低限150あたりとすると、必然的に3エネのポケモンが多くを占めます。
エネルギーの面から見ても、無色×2をデッキ全体の共通項にして、
残り一つをオーロラエネルギーでまとめるのが、最も効率的な考えかたになります。
最後に、先行/後攻問わず2ターン目には200以上の攻撃が飛び交う以上、
悠長なことはできません。
4エネ以上のポケモンは、明確な採用理由がないと厳しいです。
◇追加で採用できるポケモン
採用する色が決まったら、次のパターンを検討します。
[ポケモンのタイプのエネ×2] + [無色エネ×1]のパターンです。
ザシアンなど同色×3のパターンもあります。
強力なポケモンが多く、ぜひ採用したい枠です。
炎デッキならファイアロー、鋼ならザシアンといったところです。
一方このパターンのポケモンは、デッキにない色だと採用しにくいです。
2ターン目までにオーロラエネルギーを二つ手貼り+無色一つの用意はかなり厳しいと感じます。
オーロラエネルギーが最大で4つである以上、このパターンのポケモンは絞った方が無難だと思います。
例外はドータクンでオーロラエネルギーを使い回す場合でしょうか。
それならそれでこうしたポケモンを生かすデッキにしたい。
これが、デッキ構築はエネルギーから決めたほうが良いとする理由です。
まずエネルギーの色を決めないと、この枠が決まらないということです。
サンプルでファイアローが採用されていないのはこういった理由です。
◇ダダリンをなぜ採用しないのか
余談として、
上記の説明だけだとダダリンの不採用に疑問符がつくかもしれません。
ダダリンが採用されていない理由は、モクナシがいるからです。
追加でダダリンを採用する場合、バレットの機構を採用せずに一般的なモクナシダダリンにする方が、より強固にまとまって強いと思います。
モクナシを焼きに来た炎ポケモンをミロカロスなどで対処できるので、モクナシとメタモンバレットは同居できますが、ここにダダリンまで入れる必要はないと感じています。
草弱点はモクナシで対処すれば十分ということです。
◇全タイプをなぜ網羅しないのか
端的にいうと弱いからです。
ポケモンを横に広げていくと、対応範囲は広がります。
しかしその分、使わず無駄になる枠がふえてしまいます。
そのぶんトレーナーズに皺寄せが行きます。
相性勝ちに拘らず、対VMAXとしてキュウコンザマゼンタなどで広範に対応した方が、結果として安定します。
また、あくタイプのポケモンVはエネルギーが重く、バレットとしては採用しにくいです。
改めてサンプルを見ると、やはりドサイドンVは採用したいところです。
ムゲンダイナはやや減少したとはいえ、依然強力なデッキテーマです。
通常のパーフェクションでは厳しい戦いを強いられる以上、
差別化の意味でも採用すべきだろうと思います。
2. さらなるポケモンの検討
現状、3エネのポケモンVを並べただけで勝つことは難しいと感じています。
タイプ相性で勝てば最後まで通るようなデッキはそれほど多くなく、必ず対策があると思った方が良いです。
最近では、ウーラオスにみられるジラーチGXが好例です。
そうしたデッキに対応するため、さらにポケモンをみていきます。
◇無色エネのポケモンV
主な候補は
ウッウV、バイウールーV、ムーランドVといった面々になります。
ウッウVは、ベンチバリアミュウの流行で煽りを受けましたが、
メタモンバレットを使う以上、ぜひ採用すべきだと感じています。
たとえ相手のデッキにミュウがいたとしても、その時ベンチにいなければジラーチやデデンネなどを奇襲気味に倒せます。強い。
バイウールーVは割愛。ムーランドVは仮想敵の項目で後述します。
◇4エネのポケモンV
主な候補は
ムゲンダイナV、ドサイドンV、バンギラスVといった面々になります。
コータスVも強力です。
この枠は厳しめに見た方が良いです。
攻撃に時間がかかるということは、倒された後にVへんげでバトル場に戻ってきたとしても、攻撃できない可能性が高いということです。
明確な採用理由があり、加速手段を用意できるという前提なればこその枠だと思います。サンプルでは見送り。
◇VMAX
メタモンバレットにVMAXはアリなのか?アリだと思います。
ただし注意点があります。
サンプルに例がありませんが、
たとえば溶接工軸のメタモンバレットに、マルヤクデVMAXを入れたとします。
それは余分なカードが入っている以上、本来のマルヤクデのデッキよりも安定感が損なわれた状態での運用になります。
またVMAXを使わない対面では、全く役目のないカードになります。
そのVMAXを採用しなければならないのか?より良い手段がないか。
常に問いかける必要があります。
しんかのおこうと相性がいいのでドータクンやポリゴンZなどとは共存しやすそうではあります。
また、相手にサイドプランを2-2-2で終わらせないというメリットはあります。これはタッグチームも同様です。
◇TAG TEAM / GX
タッグチームとメタモンバレットの相性は悪くないです。むしろ良い。
エネルギーから考えてみると、
オーロラエネルギーをサーチしなければならない以上、グズマ&ハラは多めに採用したいので◎
溶接工軸ならカマドも解決できる。
ネズとのバランスをとって採用したいです。
ポケモンVだけではどうにもならない点を、GXポケモンが強力に補ってくれる。これは大きい。
◇その他非エクなど
現環境で注目しているのがこちら
メタモンバレットで使ってくださいと言わんばかりのエネルギーです。
ほか、リセットホールマーシャドーや、フィオネなども検討したい。
ベンチバリアは割愛。
3. 三神チェックとサイド落ち
エネルギーと採用するポケモンが概ね決まったら、それに合わせてトレーナーズを埋めていきます。
構築が終われば仮想敵と試運転することになります。
筆頭が三神ザシアンです。まずこれに勝てなければならない。
サンプルのモクナシでは、通常のモクナシゴリランダー同様、
後3トロピカルアワーで三神を突破後、キュウコンでザシアンを突破し勝利するプランを立てました。
その後、各環境デッキと回していく。
ここまではどのデッキでも同じだと思います。
メタモンバレットはもう一段階必要です。
◇サイド落ちの恐怖
採用する多くのポケモンが1枚採用だと、サイド落ちの危険性がつきまといます。
これは多くのメタモンバレットに共通する弱点です。
これに対する根源的な対策がカードを多数採用することしかない以上、
落ちた時の対応をあらかじめ考えておく。
これが現実的なラインだと感じています。
(まさかポケモン群を一斉に2枚採用するわけにもいかない…)
先述の三神ザシアンを例に取ると、
キュウコンがサイド落ちしていた場合、マーシャドーをたてて
ザシアンを突破していくことになります。
全ての対面でサイド落ちを考慮するのは難しいので、
最低限三神と環境トップに対して、こんな感じにしよう程度は決めておくと良さそうです。
サンプルにありませんが本当に困ったら、オルジェネ>スピットシュートで無理矢理サイドを掘ることもできます。なんならおかわりスピシュもいけます。
4. Vポケモンでみる環境デッキ対策と仮想敵
〜凡例〜
◇仮想敵
◆主に検討するポケモン
ゆるくやっていきます。
◇いちげきウーラオス
◆イエッサンV
◆ウッウV
当然のようにジラーチGXが入ってはいる。
超ポケモンを見れば大概即座に出してくるが、
そこをウッウで仕留めることができる。
闘抵抗もえらい。
開幕はデルビルを呼ぶことにリソースを使うため、
ベンチバリアまで展開しきれていない場合が多いので有効だと感じます。あくまで体感です。
相手のエネに依存するものの、イエッサンも十分戦っていけるとは思います。いちげきウーラオスに限れば…。
なお、ポットデス、マホイップは採用できません。
火力不足が過ぎます。
◇れんげきウーラオス
◆イエッサンV
いちげきウーラオスよりは難度が上がる印象ですが、ウッウからジラーチへの狙撃は、ある程度有効だと思います。
キュウコンでキョダイレンゲキをコピーし、オクタンを倒すこともできます。
当然、ベンチに攻撃できなかった場合の対策は必須です。
が、問題はイエッサンが機能不全になることです。
れんげきエネルギーを貼ったウーラオスVまでは良いものの、
VMAXになるとキョダイレンゲキでエネルギーが空になる。
これが良くない。
デメリットであるはずのエネ破棄が、対イエッサンVに限り、メリットになる。
最終的に、1エネを貼ったウーラオスVMAXが2体。
クルクルとしっぷうづきをくりかえす羽目に…
ベンチバリアとジラーチが共存している状態では、イエッサンではどうにもならない。
サンプルでイエッサンの枠がミュウミュウ+マーシャドーになっているのはこういうわけです。
無人発電所を採用していないのも、イエッサンが不甲斐ないからです。
ボスを引くか、ザマゼンタと合わせて頑張る感じです。
余談ですが、モクナシのやすらぎハリケーンとイエッサンの特性で、攻撃ごとに50回復できます。
ザルードVと合わせて持久戦に持ち込むと、相手の火力不足も相まって一応有利な印象です。
ドラパルトあたりにも使えるような気がしますが、とにかく疲れるのでサンプルでは不採用としました。
◇レッドパーフェクション
◆イエッサンV
◆ミロカロスV
◆マーシャドー
また問題児イエッサンが…
ミュウミュウのわざ、ブースターGXのぐれんのほのおは、2エネを消費します。
イエッサンでは倒せません。
レシリザのフレアストライクを誘発できれば倒せますが…
それならレシリザが前に来ますよね。う〜ん
一方ミロカロスはレシリザを余裕で仕留める。
こうでないと。
マーシャドーがミュウミュウを倒せない点は一応付記しておく程度。
◇ドラバルト
◆バンギラスV
◆コータスV
◆ビクティニV
◆ザマゼンタV
ドラパルトデッキにはクラッシュハンマーが4投されがちです。
これは厳しい。オーロラエネルギーを割られるとこちらは止まります。
ピクシーやギラティナが飛んでくるとうんざりします。
先述しましたが、あくポケモンVが全般的にエネルギーが重いのも逆風。
対超の相性勝ちは厳しめです。
例外はバンギラスVでしょうか。
ポリゴンZの特殊エネルギー軸なら活力の壺+リサイクルエネルギーが使えます。いちげき採用型バレットは面白いデッキになりそうでした。
炎軸ならコータスが有効です。
ドラパルト自体は低火力+加速手段を持たない以上、バトル場に居座れば有利です。
ひろがるほのおビクティニVとの併用が効果的です。
サンプルではモクナシで押すことにしました。トレーニングコートでエネ回収していきます。マリィで山札に戻しても良いです。
クラハン回収ネットが切れたらザマゼンタもワンチャン。
れんげき+ドラパルト混合デッキにも一貫性を持ちます。
◇非エク全般
◆三神
◆フェローチェ&マッシブーン
◆ムーランドV
◆アクジキング
メタモンバレットはその性質上、多くポケモンVを擁します。
そこで苦手なのが非エクです。
有利をとっても過剰火力。
かといって相手の攻撃を何度も耐えるわけではない。
サイドレースもエネルギー供給速度も基本的に不利です。
対策として三神が手っ取り早いです。
サンプルで採用していないのは、環境を見てミュウミュウ+モクナシ+フェロマッシのシナジーを重くみたためです。
フェロマッシと三神は悩ましいところです。採用は諸説。
フェロマッシのGXわざでサイドを2枚取れる点も一応の代替として評価しました。
ムーランドは対マッドパーティに特化している印象。
非エク全般が苦手なメタモンバレットにはちょっと範囲が狭い。
ドータクン採用の上でパワフル無色エネルギーを使うならといったところ。三神でいいです。
いっそ対非エクより、わずかに残った体力にトドメをさす役目の方が向いているのかも。トラッシュしておけばVへんげできるし。
…VMAXに効かない時点でお察しでした。タッグチームまではワンパンしたいからね。
アクジキング?う〜んポリゴンZやドータクンならありなのか?
まだ検討できてません。意外とありかもしれません。
◇ジュナイパー
◆ギルガルドV
頭の片隅にに入れなければならないのがこれ。
苦しくても最低限の勝ち筋は残しておきたいところ。
相手がモクナシジュナイパーならモクナシを焼いた後で
ボルケニオンなりジュラルドンなり、オルジェネ+なにかで頑張るなり。
サンプルではゴリランダーに出張ってもらいます。
ジュナイパー単体はもうやむなし。
炎軸ならボルケニオンの多投で無理なく解決できそうですが、サンプルでは割り切りました。
ギルガルドVの採用を検討しても良いですが、枠の都合上厳しいと考えています。ほかに役割を持てないのが辛いからです。
どうしても対策したいなら、いっそドラパルトVMAXを検討します。
5. おわりに
サンプルのモクナシゴリランダー軸のデッキは、溶接工が引けないことにうんざりしたことから構築が始まりました。
このままでも戦えますが、自分の中で納得できない部分があルので、今の段階ではサンプルに留めてあります。
メタモンバレットを冠するには、やや奇形よりかもしれません。
なのでサンプルに不適かもしれませんが、せっかくなのでこうした形で残しました。
メタモンバレット全般についてですが、
イエッサンVを現在の環境に対して強く出していけない点が、そのまま切れ味の鈍さに直結しています。ほかの超ポケモンVも全体的に使いにくい。
ミュウミュウ以外の有望株としては、やはりネクロズマVでしょうか。
必然、ドータクンやポリゴンZなどが候補に上がります。
今回は触れませんでしたが、いちげき/れんげき混合や、基本エネルギーを多色投入するデッキも面白いと思います。
後半はデッキのつくりかたからそれた気がしないでもないですが、
書きたいことは概ね書けたので満足です。
ここまでお読みいただいてありがとうございました。