バンドをやりたくて上京。そして性懲りも無く今も続けてる。1990年代編⑮(MOO-COW初音源〜レコ発)
前回からまた間が空いてしまった。
なかなかコンスタントに書けていないけど良かったら今回も読んでみてください。
渋谷のレストランを辞めたあと、ちょっと飲食業から離れてみようと思い、他の仕事を探してみることにした。
ちょうどその頃、同じ沿線に住んでいたTさんと出会った。
Tさんはその頃、狂った感じのHCバンドをやっていたので最初は「怖い人なんじゃないか?」と思っていたが話してみると全くそんなことはなく、実に優しい人だった。
「そしたら池ちゃん(俺の通称)俺の仕事先に来る?」と新しい職場を紹介してくれることになった。
Tさんとは今も付き合いが続いていてたまに連絡を取り合っている。相変わらず音楽好きでいろいろなライブに通い詰めているみたいだ。
Tさんが紹介してくれたのは建築現場で養生をしたり清掃をしたりする仕事。
同僚には音楽をやっている人や役者志望の人なども沢山いて、現場系の仕事をするのは久しぶりだったがなんとかやっていけそうだった。
ただ、大きな建築現場の詰所には独特な雰囲気もあって、たまに怖い人もいたりするので(今はどうなんだろう?)最初のうちは内心ビクビクしていた。
この職場で出会った人達もキャラが濃かったなー(追って書いていく予定)
一方バンドのほうはどうなっていたかというと、少し話は前後するが、まだ飲食店で働いている頃、20000Vのブッキングかなにかの対バンで知り合ったCHANIWAというバンドのリーダー、アタロー君のやっていたレーベルから音源を出してもらっていた。
前のバンドでは正式な音源は出せなかったのでこれは本当に嬉しかった。
相変わらず毎日深酒で現実逃避はしていたもののバンド活動は上り調子だったので、日々の暮らしでそれが唯一の心の支えになっていた。
最初に収録された音源は「V.A. - Evil Surfin’ Dred」というオムニバス作品。
今見てもなかなか興味深い収録メンツだ。
(SIDE A)
1) Moo-Cow - Fish Song
2) Fruity - Step By Step
3) Chaniwa - Just Some School-Less
(SIDE B)
1) Mad Moisell - 素晴らしき哉、人生
2) Tropical Gorilla - 60Sec. Speech (Groom Of Day Duty)
3) Jelly Belly - Little Resistance
7inchEPに各バンドが1分の曲を6バンド分詰め込んだ内容。
自分の過去の音源を聴くのは恥ずかしいけど、この収録メンツの中からメジャー、アンダーグラウンド問わず幅広く派生していったり、今でも続けて活動しているバンドもあったりして感慨深いものがある。
今はなき西荻窪WATSで行われたこの作品のレコ発ライブも思い出深い。
その日は店内に入りきれないくらいのお客さんが来ていた。
しかし、ライブハウス周辺というのはいつでも周りの住民とのトラブルがつきものだ。
満員の店内から逃れるために店の前にたむろしていると(WATSには楽屋なんか無かった)そこに角刈りにサングラスのライブハウスにはあまり居ないタイプの男(若い時の梶原一騎系)が現れた。
「わりぃけど全員中に入ってくれねーかなぁ」
その男もそうは言いつつも最初はそれほど威圧的ではなかったが、いわゆるカタギの人ではなさそう。
最初のうちはみんな適当にあしらっていたが、当時のCHANIWAのベーシストだったリコさん(チャキチャキのお姐さんキャラ)がその梶原一騎似に「あんたごちゃごちゃうるさいんだよ!」とキレたのをきっかけに、男が携帯で若い衆を集めようとしたので、他の共演者の人が慌てて間に入りことなきを得たという場面があった。
最近知ったのは昔WATSがあった場所の近くのマンションにはヤ◯ザの人が住んでいたみたいで、付近でたむろされるとうるさいので舎弟に人払いを命じていたということだったらしい。
これはいまから25年近く前の話なので、今はその通りも昔のような雰囲気は全く無い。パンクスが酔い潰れて寝転がったりしていることも無い。
今回も書いていて「あれ?あの出来事は去年くらいな感じがするなー」と思った。
この感覚はなんなんだろう。
※写真は上記オムニバス7inchのジャケット。この後、収録バンドを増やしてCD化もされました。
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