バンドをやりたくて上京。そして性懲りも無く今も続けてる㉞(お酒を飲み過ぎていたころのお話。その②)
ここ何回かアル中のことを書いているけど、もしこれを読んでいる人でなにかの中毒になっていて、そこから抜け出したいという人がいたら自分の経験上からひとこと。
「あいつに比べたら俺はまだマシ」とか思わないほうがいい。
自分が明らかに飲み過ぎている時期、遊び仲間や職場にはもっとグダグダに見える人も居て(酒以外のものも含む)、その人達に比べたら「自分はまだまだ大丈夫!」な気がしていた。
「もうすでに酒に負けてる自分」を認めたくないというのもあって、周りを見ても全く反面教師にはしなかった。
それで気づいた時には自分自身がボロボロになっていたという。
人には体質や体力差があるから、中毒するまでの量、時間は人それぞれだと思う。
中毒というのはブレーキがききづらくなる(もしくは全くきかなくなる)こと。
そして一線を越えると妻、恋人、親兄弟、友達がいくら親身になって心配してくれても言うことを聞かなくなる。
量や内容よりも酒やドラッグを使いたくて(そう、酒もある時期からは「飲む」っていうより「使う」っていう感覚になっていった)、周りにウソをつき始めたら立派な中毒者でしょう。
自分もどうしても追加の酒が飲みたくて、当時の彼女(現在の妻)に嘘をつき、、、
「ちょっとコンビニ行ってくるわ」→「店先でワンカップ2本を一気飲み」→「帰宅」→「当然臭いですぐバレる!」
なんてこともあった。
普通に考えたらそんなのバレるに決まっている。
でも、当時はそんなことも気がつかない位いろいろとおかしかったみたい。
そんな状態だと当然体調も良くない。
いつも疲れやすく、足の裏には常に米粒を踏んでいるような違和感(どこか内臓が悪い時の症状らしい)、飲み過ぎると背中や節々が風邪を引いて熱がある時の様に痛くなったり、、。
妻に言わせるとピーク時の俺からは体臭というものがしなくて、常にアルコールの臭いしかしなかったとのこと。(当時は風呂や歯磨きもテキトーだったりしたのに)
精神的にも参っていたので心療内科を受診→アルコール外来を勧められるが、いざ受診してみても担当の医師(志村けん師匠似)の意見には全く聞く耳を持たず、しまいには口ごたえまでしたような覚えが。(診察を受ける直前にも景気づけに飲んでから行った)
一時は睡眠薬、抗うつ剤も併用しつつ酒も大量に飲んでいたのも良くなかった。
一番ひどい時は
朝に抗うつ剤を飲む→日中にも追加で飲む→夕方からはワンカップ大関→寝る前に酒と一緒に睡眠薬。
という負のループ状態。
時間の感覚がおかしくなってしまったこともあって、彼女(現在の妻)と映画を観に行く約束をして渋谷で夕方6時に待ち合わせをしたのに、何故か朝の6時に着くように家を出ていて、その違和感にも途中まで全く気が付かなかった。
この時は自分でも心底ゾッとした。
しかも観に行った映画はGG ALINEとCRAMPSのドキュメタリーの二本立て(笑)
GGが便器に座ってアコギを弾いて歌うシーンには泣けた。
後から知ったんだけど、彼女は俺の状況を周囲の人に相談したり、アルコール外来にも俺より先に話を聞きに行っていた。
仕事も休みがちになり、極めつけは部屋の中ででっかい蜘蛛がバリバリ音を立てて歩いてる様な気がしたり。(こうなるともう夢だか幻覚だかなんだかわからない、、)
彼女に向かって「もう殺してくれー!」とか叫んだり。
そんな感じの日々でも「酒を飲めなければ死んだ方がマシだ!」と本気で思っていた。
(ほんといい加減にしとけよ、、)