バンドをやりたくて上京。そして性懲りも無く今も続けてる。㉕(番外編・ザ・昭和!1980年代後半のある地方高校生)
すっかり東京の人のような顔をして暮らしていますが自分はド田舎の農業高校卒です。
家が農家ではないのになぜ農業高校だったかと言うと、当時その高校は偏差値が低くて、勉強をしなかった俺が公立で入れる学校の中のわずかな選択肢のひとつだったから。(私立はお金がかかるから親に遠慮した)
授業の一環で農作業をする時間が沢山があった。(日曜日にあることも。しかもサボるとかなり単位に響く、、)
昭和の時代でド田舎の農業高校。
「熱笑!!花沢高校」からバイオレンス要素を抜いて「工業高校バレーボーイズ」からお色気を抜きそれらを足した様な学校だったといえば少しは雰囲気が伝わるだろうか?
実際、熱笑!!花沢高校の主人公の「力勝男」の様なやたらとおっさん臭い男子生徒が居たり、前歯が3本くらい無い女子生徒が居たから。
一応、男女共学だったけど、科によって校舎は別れていてノリはほぼ男子校だった。(ただ、隣のクラスには何故か2人だけ女子生徒が在籍していた。彼女達は日々どんな気持ちで過ごしていたのだろう?)
教師の中にはかなり暴力的だったり、ちょっと精神的に大丈夫かな?という人もいた。
同じクラスのツッパってたやつが教師に呼び出された後に顔をボコボコに腫らして帰ってきたり。
生徒が授業中に弁当を食ったり、騒いだり、寝たりしている中、時間一杯ずーっと下を向いたままボソボソとただ教科書を読み上げるだけの教師とか、、。
最寄りの駅はほぼ無人駅。
もちろんコンビニなんかは無くて、駅前にも食料品店と雑貨店を兼ねた様な店が一軒あるのみ。
そこで帰りにガリガリ君を食べるくらいしか娯楽が無い。
あとは校内にあった自販機のリンゴジュース(学校で作っていた)を飲むとか、購買でコロッケ買うとか、、、。
リンゴジュースの空き瓶が教室の後ろのバケツにいつも溜まっていて、誰も片付けないものだからいつも教室内がすえたような臭いがしていた。
そして窓の外からは牛舎からの牛糞の臭いが風に吹かれて時々入ってくる。(これは立地的に仕方がない。ただ当時は嫌だった)
腐ったリンゴジュースと牛糞と野郎の体臭がミックスされた臭い。それが高校時代の原風景だった。
※ちなみにこれらは全て今から35年位前の話だし、近年は農業が見直され始めたからか、その高校も現在では偏差値も上がりだいぶ雰囲気が変わったと聞く。何年か前に高校の前を通りかかった時も力勝男のような生徒は一人も見かけなかった。
きっと今はどおくまんプロではなく、「銀の匙」(農業高校のことを描いて話題になったヒューマンドラマ系の漫画)みたいな感じなのかもしれない。
そんな環境だったので、上京してから「高校は私服で服装が自由だった」とか「高校時代からクラブで遊んでた」とかいう人に会ってもにわかには信じられなかった。
そんなものは遠い外国での話か漫画の中だけの世界くらいに思っていたから。
あと世の中には高校生くらいの若さでも、社会問題に対してきちんと意見や態度を表明できたりする人も居るけど、自分の周りには当然そのようなリベラルで知的な雰囲気は一切無く、当時は学年全体でも大学に進んだ生徒も一人か二人くらいしか居なかったと記憶している。
英語の授業の時にクラスの半分以上の生徒が筆記体の読み書きができないことも判明して(もちろん自分も。実はいまでも怪しい、、)教師がびっくりしていたということもあった。
人の頭の良し悪しは学歴や偏差値だけではない。そんなことはわかっている。
だけど、一度アホなループに入ってしまうと何をするのにもいちいち遠回りをさせられたり、二度とそこから出られなくなったりするのも事実なんだ。
学歴コンプレックスからやたらと本を読んでみたりしても(おかげで読書の習慣だけはついた)、大学を出ている友達と話しているとふとした時に「あれっ?この人は俺が勉強してこなかったことを話しているぞ」と思うことが今でも時々ある。
前に中卒で元不良の某有名芸人(今では芸能界引退)が「ニュースキャスターみたいなことをするのには相当勉強しなきゃならない。俺の場合はあと何十年かかるかわからないから死ぬまでに間に合わない」と言ったようなことをTVで話していて、その気持ちはちょっとわかるなと思った。
自分の冴えない高校時代はさておき、十代のあの時代を純粋に「超楽しかった〜!」と思える人のほうが実は少数派ではないのか?
こう言っちゃ悪いがそれこそアホなんじゃないか?(ごめん)
みんな「楽しいフリ」をしていただけで、内心はどこかモヤモヤしていたのではないだろうか?
それともそんな考えしかできない俺が寂しい人間なのか?(きっとそうなんだろう)
今でも付き合いのある数少ない高校時代の友人M君(学校の農業祭で一緒にラフィンノーズ、ブルーハーツのコピーバンドを組んだ)は俺のように高校時代のことをクソみたいだったとは言わない。
性格もあると思うけど、楽しむってことは物事の良い部分にフォーカスを当てるっていうことなのかもしれない。
M君なら地獄の悪魔とでもキャッチボールを楽しみそうだ。
どんな状況でも楽しめるやつが最強かもしれない。
※おっさんになった今でもM君は多趣味だし楽しみ上手。だから見た目も若い。時々ライブもにも来てくれる。ありがとう!
仮にもしちゃんと勉強して大学に行っていても「キャンパスでの日々はまるで糞の垂れ流しの様だった、、」とか書きそうだしな俺は。
今やってるバンドをあの頃の自分が観たらどんなふうに感じるかな?
「もっと速い曲やれ!」とか、「なんでパンクファッションじゃないの?」とか言いそう。
前にも書いたが、高校の卒業アルバムも文集も上京してすぐに捨てた。
東京での生活が田舎にいた頃をはるかに超えたし、卒業して何十年も経ってるんだし、昔のどうでもいいことは忘れてM君を見習って前向きに行こうと思う。
今月はライブもあるじゃないか。(さりげなく宣伝)
高校時代の自分に見せても恥ずかしくないステージをやらないとね!
昔はあの頃を思い出したくもなかったんだけど、最近になって不思議と書きたい気持ちになったので。
なんだかとりとめのない文章になったけど今回はこんなところで!
今回の一曲はjudge dread師匠。
記事とは関係ないけど「ノーモア スクール デイズ」という部分が切なく聴こえる。
※見出しの写真は17歳当時(もちろん童貞)
バイト先だったマクドナルドの控室にて。
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