バンドをやりたくて上京。そして性懲りも無く今も続けてる㉛(昔から藤子キャラっぽいと言われがちだが、、)
前に音楽業界(自主制作盤の流通・制作事務所)で働いていた時のことを書いた。
そこで感じた違和感、疎外感みたいなことを記したけど、ついでにひとつ思い出したことがある。
それは某伝説的なバンドが数年ぶりに特別なライブをやった日のことで、当日はチケットも全て売り切れで、会場に着くと中に入りきれない人も大勢いた。
当時そのバンドと事務所の社長は懇意にしていたので、自分たち(社長、社長夫人、自分)は運良くそのイベントを観ることができた。
次はいつライブをやるかわからないメインのバンドを一目観ようと、会場にいる皆が緊張感と高揚した気分でいる中。
その社長夫人はなんの前振りもなく自分に「〇〇君はラーメンとか好き?」と話しかけてきた。
一瞬「??」と思ったか、俺はその質問を額面通りに受け取り「はい、好きですよ」と返した。
「ん、これは帰りにみんなでラーメンでも食べていこうよ」てことなのかな?と思った。
日頃、ほのぼのとしたやり取りなんかも少なく、殺伐とした雰囲気の冷たい感じの職場だけど、たまにはこんなこともあるのだろうと。
それまで自分は下ネタやキツい冗談が飛び交う飲食業や現場で働いていたことが多かった。
そこでは暴力的な出来事やシャレにならないことも多々あった。が、みんなで食べたり飲んだりすることも多かったし、そんな時は和気あいあいとしていた。
猥雑な中にも少しの温かみがあったというか。
話をライブ会場に戻そう。
ピリピリとした緊張感もありつつ、楽しい空間。次々と出てきたレジェンド級な人達のライブ。
どのバンドも素晴らしくて大いに感銘をうけた。
そしてメインの人達のステージングは本当に鬼気迫るものがあった。
最後の曲を終えた時、普段はそんなことを一切言わないキャラのボーカルの方が、客席にぶっきらぼうに御礼を伝えマイクを放って去っていく姿。
自分も含め会場に居る人の全てが凄いものを観たという感動に包まれていた。
「そういえば」とさっきのやり取りがあったので終演後に社長の携帯に電話してみた。
だけど何回かけても全然出ない、、、。
「あれ?みんなでラーメン食べに行くんじゃないの?」
なんとなく釈然としない中、仕方がないから一人でトボトボと帰る途中でハッ!と気付いたのだ。
俺は当時、変な銀縁メガネを掛けていて頭髪も軽くカール(くせっ毛)していたんだけど、、、
そう、社長夫人の一言は「君はオバQに出てきたラーメン好きの小池さんに似ているね」ということが伝えたかったのでは?
要は単に「おちょくられただけ」だったということだ。
ちなみに社長夫人とは初対面。
綺麗な人だったけど正直、感じ悪いなと思った。
それとも自分がシャレが通じない無粋なやつということなのか?
いや、やっぱりちょっとした意地悪だよな。これは。
現場のオッさんのド下ネタには対応できてもそんなひねくれた冗談には自分は全くピンと来なかった。
からかわないで俺のこ〜と♬
https://youtu.be/_WIihQ2vlQ8?si=vJnTqdVOFsFPxglD
↑この曲みたいなカッコいいエピソードではないな、、。
自分の世慣れしていなさ、ああやっぱり冷たい職場なんだなと再認識したことで、情けなくも悲しい気持ちになったけど、今考えると些細なことだ。
しかし、どうでもいいことを覚えているな俺も。
まあ考えてみたらあのライブの場はラーメンがどうこうっていう感じでもなかった。
ということはやっぱり俺がまぬけ野郎だったということなのだろう。