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難治性うつ病

難治性うつ病とか治療抵抗性うつ病と言われているうつ病があります。

治療をしてもなかなか良くならない、薬が効きにくい………

さらに治療への動機づけが低下し、ADLが低下していく……

不眠もしくは過眠、食事はせいぜい1日に1回または夜中の過食、ほぼほぼ終日横臥、着替えられない、歯磨き洗顔もできない、入浴もできない、何もしなくても疲れる、身体が鉛のように重い、起きていられないのに眠れない、興味関心意欲がない、または強いこだわりや強迫がある……他……

………などが、特徴ですが多くが強迫性障害や発達障害や疼痛を含め慢性的身体疾患や難病を併発していることが多く、アルコールや薬物やゲームやギャンブルの問題を抱えている方々も少なくないですね。

以前にも紹介しましたが、難治性うつ病や治療抵抗性うつ病と言われる方々に「アンヘドニア」という楽しいうれしい美味しい心地よいという感覚や欲求や意欲が欠如してしまいます。

「アンヘドニア」の方々には欠如した快感や喜びを取り戻すことを目標にするのではなく、現実的なADLをルーティンワークとして習慣化させていくことを目標にした方がいいですね。

難治性うつ病や治療抵抗性うつ病にはECTという電気ショック療法(電気けいれん療法)が効果がある場合がありますが、適応を含め慎重にした方がよいですね。

アンヘドニアを伴う難治性うつ病や治療抵抗性うつ病と言われている方々のなかには、
「ヘベフレニー(破瓜型統合失調症)」の方がいます。
特に思春期や思春期以前にうつ病と診断され、長期にわたり改善が見られない……というような場合には背後に「ヘベフレニー」があるかもしれないと考え薬を変えると改善が見られることがあります。

精神科において見立て(アセスメント、診断)はかなり重要なポイントになり、それによって処方内容が違ってきますし、病状の経過に大きな影響を与えます。

長期にわたり改善が見られない、かえって悪くなっている………などの場合に、それまでの処方を変えることで良くなる(治るわけではない)ことがしばしばありますが、そこには「見立て」の問題があります。

精神科の病気は一番表に表れている症状や問題に隠れて、別な問題や症状があることが珍しくなく、症状が症状を隠蔽し問題が問題を隠蔽し、病気が病気を隠していることがしばしばあるのです。

また、精神科の病気だと思っていたら脳の病気だったり神経の病気だったり、もしくは身体疾患からきている場合もあるのです。

なかなか良くならなかったり、拗れていくような場合は「見立て」からやりなおし、使う薬剤も見直した方が良いことがあります。

そういう意味でセカンドオピニオンの利用(遠慮はいらない)も有効となることがあります。

セカンドオピニオンを誤解している方々がたくさんいます。

セカンドオピニオンは単純に勝手に別なお医者さんに診療してもらうことではありません。

今の治療がこれでいいのかどうかを別な第三者的お医者さんに判断を仰ぐことを言いますので、主治医にセカンドオピニオンを受けたいことを伝え、今の治療方針、経過、処方内容、検査データを用意してもらい、それをセカンドオピニオンのお医者さんに開示したうえで判断してもらったうえで、現主治医にその判断をフィードバックしてもらうことになります。

ですからセカンドオピニオンのお医者さんのところで新たに検査をしたり、処方を含め治療をしたりすることにはなりません。

他のお医者さんに治療してもらうのは転医と言います。

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