平和ってどういう状態?

集団的自衛権の行使に関する議論が様々なところで行われている。賛成派・反対派両方とも「平和」という目標に向かっているはずなのに、議論は逆方向に分かれている。では「平和」とはどういう状態を指すのか、きちんと提議する必要があるのではないだろうか。

辞書で調べてみる

『1 戦争や紛争がなく、世の中がおだやかな状態にあること。また、そのさま。「世界の―を守る」2 心配やもめごとがなく、おだやかなこと。また、そのさま。「―な暮らし」』(引用:goo辞書dictionary.goo.ne.jp)

と書いてある。「国際関係からの平和は戦争・紛争がないこと」「個人の平和は心穏やかなこと」ということだろうか。この二つの意味で集団的自衛権の論議は二つに分かれている様に考える。

つまり、賛成派は「戦争や紛争を起こさないために武力を持ち行使する権利を確保したい」反対派は「武力を持つこと行使する権利を持つことは戦争・紛争の勃発に繋がる」と。あくまで私感だがこの二つの考え方が対立しているのではないか。

ニワトリとタマゴの関係

さて、戦争と紛争をなくすためにはどうするべきか?「武力」が無ければ戦争・紛争は勃発しない。しかし隣国が武力を持っている状態では武力を持たない国は攻め込まれてしまい戦争が勃発する。だから武力を持ち戦争が起きない状態にする。ニワトリが先かタマゴが先かという話しに似ている気がする。しかし、ニワトリもタマゴも戦争も武力も現に存在している状態なのだ。

日本の周辺状況を考える

日本も自衛隊という武力を保有している。しかしその行使には様々な議論がなされている。そして、周辺国も武力を保有しており、その増強にかける費用も年々増えている状況だ。(中国国防予算の推移 リンク先:時事ドットコム)隣の国が武力を増強しているのに、国防費の削減や武力行使に対する権限などを検討しているのが日本だ。

バランスが崩れたら

周辺国との武力のバランスが崩れたらどうなるのか。考えてみると石油に変わるエネルギーと目されているメタンハイドレートを掘削できる可能性がある、とされている日本に対して周辺国が武力の行使をしても何ら不思議がない。それが国益を考えた国家運営だと思う。そこで「武力」のバランスが必要になるのではないだろうか。実際に日本は竹島や尖閣諸島など「話し合い」で解決が見込めない問題があり、実効支配されている事案も抱えているのだ。

平和を考えてみる

戦争や紛争がなく、世の中がおだやかな状態にあること。これが平和な状態だ。しかしそのためには「武力」を保持し増強して周辺国とのバランスを取る必要がある。武力を使わなくてすむ様に武力を保持し増強していく必要がある。また、集団的自衛権を行使すると言う意思表明が必要な状況になっている。なんとも皮肉な話しではあるが、これが現実なのではないだろうか。「戦争反対、自衛隊はいらない」ということは、実は矛盾した考え方なのだと思う。ただひとつ全世界が一斉に武力を放棄することが出来たら全ては解決するのだが、その日が来ることを願う。


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