「やってみたいことがあるのだけれど」を観たのだけれど

タイトル通り、男性ブランコさんの単独ライブ「やってみたいことがあるのだけれど」を視聴した。“視聴”という言葉で大体察した方もいるかもしれないが、このタイトルは「残念ながら情報が耳に入るのが遅く、実際に観にいくことはできなかったのだけれど」と続く。どうやら、良くも悪くもコロナが変えた世界は私の生活に首を突っ込んでくるらしい。おそらく今回は、前者。

そんな私の身の丈話はどうでもよくて、本題の単独ライブの感想に入ろうと思う。ただ、想像以上に自分の感想にまとまりがなく、見苦しい文章だったので端的に「マジ超最高だった!」とティーンエイジガールっぽい文言をここに置いておく。

本当に、全人類見た方がいい。マジで。すげぇっすわ。劇場に行っていたら「芸人さんのライブってこんな感じなん?」「こんな多幸感すごいもんなん?」と隣の人にダル絡みしまくっていただろうから行かなくて良かったと心から思っている。初めて観た単独ライブがこの二人の単独で本当に良かったと心から思えるすごいライブだった。

さて、この先はネタバレに全く配慮していない長ったらしい感想文だから見てもいいし見なくてもいいし読んでもいいし読まなくてもいい。

まず、オープニングから凄い。えっ、こんな感じなんですか、芸人さんの単独ライブって。それはコントや漫才を観ているというよりかはそれこそ演劇、演劇を観ているようで少し緊張感がある。もっとなんか賞レース用のコントや漫才やらをただ淡々とやっていくものとばかり思っていたからこんなに素敵なんだ。というのが初手の印象だった。トニーフランクさんのブルースハープとアコギが私のドキドキワクワクを煽っているようでかっこいいが止まない。ずっと、心拍数があいみょんが心配する域まで達してきている。

そして、二人が登場する。

サンパチマイクの立ったステージ。年末に観た漫才だ!と思った。私は基本お笑いをM1で把握しているのでやっぱり漫才を観ると「お笑いだ!」と思う。ツカミは彼ららしくて吹き出してしまった。「諦め〜」のトーン天下一品すぎる。変なフェーズに入った平井さんほど面白いものはないしもう、なんだ、すごく面白くて「サイコー」と思っていたらパンチラインのように「ちょっと、やってみたいことがあるのだけれど」と浦井さんのいい声が。そこからの舞台転換。そうなるのか〜!面白いに尽きる。

あとこれは全部に共通して言えることなので早めに言っておくのだけれどトニーフランクさんの生演奏たち、音源化してほしい。そして河川敷で夕陽を眺めながらクリアアサヒ飲みながら泣きたい。酒は飲めないので全部ホラですけど。

ここからは勝手に作品にタイトルをつけていきますが公式ではないのでご了承を。

最初の作品『観光案内』。「どんぴしゃり」の件、面白すぎて今でも笑ってしまう。遅れてくる「ぴしゃり」。面白すぎる。加えて「それだけのことをやってきました」だけで笑わせるのすごい。表情神すぎる。ずいぶん前から知っていることではあったがまぁお二人演技がお上手。平井さんワールドっぽい言葉選びが展開されていて「最高ぅ!」が続く。おっとこのノリで言っていってたらもう一個の小説が出来てしまう。まぁいいでしょう。離脱するなら今のうちですわよ。「おぎゃってる」あたりまで私は「コントだ〜」と思ってたんですけど「僕は、あなたの息子です」からなんだかそうではないような気がしてきました。なので今回の感想では“作品”という言葉を使ってます。意図したものなのですよ。フヒヒヒ。

二つめの作品『音楽家と悪魔』。「爆裂?」あたりまでは普通にクスクス笑っていたのですが「……十五!」で個人的には浦井さんがツッコミ、平井さんがボケ、というイメージがひっくり返されてしまった。私はそのギャップでファンの人たちとは違った意味合いで吹き出す。いや、いずれでも面白いのだけれど、どっちがどっちでも面白いんだ〜っと感動してしまった。どっちがボケとかツッコミとか無いのか、と進んでいく過程で理解するが一旦この感動を書かせてほしい。やっぱり、プロってすごい。悪魔が「悪魔め!」と言っちゃうくだりとっても大好き。ファンタジーな世界と現実的な話がぐわぁっと交わる。面白い話と情緒的な世界がゆんわり混ざる。「これはこんな世界のこんな話の何だ!」とカテゴライズできないこのコント、最高でした。これは完全に理性をとっぱらった発言で恐縮だが悪魔、ちょっとクイ研の知念くんを感じて可愛かった。

三つめの作品『おっちゃん』。うわわわ〜!と声に出してしまった。「この二人死ぬほど演技上手いんすよ!」とチャラい布教を全人類にしてしまいたくなるくらいに憑依がすごい。おっちゃんはめちゃくちゃおっちゃんだし、子供になったら衣装を変えてなくても子供になったなわかるくらいに声のギャップがあって最高でした。それでいてせーちゃんの喜び方、なんかの寄席の動画で見たことある喜び方だった。そこは変わらないんだ。好いですわね。「見えてへんから」で「えっ?!」ってそこそこでかい声で言っちゃったので本当に見に行ってなくて良かったと思った。隣の席の人に顔を覚えられる羽目にならずに済んだ。そんで照明美しすぎ〜!タイミング完璧すぎ〜!どんだけ〜!……マズイ。知性がどんどん失われた文章になっていってる。ここで参考資料というか思い出したことを入れる。以前、相方へ手紙を書く企画を視聴した際に浦井さんが平井さんのことを「ヒーロー」と呼んでいたことがとっても印象的で、なんかこのコントはそれを感じて、うううううと呻きたくなった。二人が二人で良かったなと心から思った。

四つめの作品『研究者』。さっきの作品を引きずり、情緒高まったままの私を「共感得られーず」やら「辞めそう!」が鎮めてくれる。他作品と比べると割と笑ってしまう場面が多かったように思うのだがそれはそのせいもあるのだろうか?考えすぎかも?まぁ、とにかくこのセンチメンタルにもなりすぎず、かといって大事なことはちゃんと教えてくれるこの空気感が今のものづくりに必要なんじゃない?と思う。どうです?創作人の皆さん。私はこの空気感、大憧れ(だいあこがれ)。平井さんっぽいことを言ってみたくなりました。どう?っぽくない?あとこの作品、何がすごいって「ちゅうしゅつ」なんて言いづらい言葉を繰り返し言ってるのすっごいと思う。本当に舞台人じゃん……。それでいて顔芸、というか顔の演技でも笑わせれる男性ブランコ、怖いもの知らずじゃないか。漫画でも出来すぎているくらいに完成された才能たち。観ていて心沸き立つ。

五つめの作品『画家』。このゼンさんとケータくんの真剣さのギャップがとっても良かった。そこが笑いにもエモーショナルにもなっているのがかっこよすぎ。絶妙に耳に残るような残らないような歌、良すぎる。スキップしながら歌うのがすっごく愉快で最高。真面目な話からマトリョーシカにつながっていく感じもこの真面目ともユニークとも分類できないジャンル〜っ。全部に言えることではあるんだけれどもこの作品は顕著にそれが表れているような気がする。絵描きの話はTwitterやら漫画やらで人並み以上に見てきたつもりでいるので知ったかぶってしまっているのはご勘弁を。絵描きというのは競争、優劣が厳しいイメージがあって創作への物々しさが受け取り手としては苦しくなってしまうのだがこの作品では優しさに変換されていてんん〜!最高!になりましたね。

最後のコント『服屋』。最初の衣装替えのタイミングから気になっていた衣装がついに登場。「……角煮?」のところ最高に意味分からなくてとっても好きだった。本題に入る前の導入、とっても好きだった。引用とか、出典の必要なものって小説やらで使うものなんじゃないの?セリフで使える勇気よ。十三年って芸歴ですか?もしかして。それはそれはギャン萌えてしまう。謝謝。これ、日によって変わっていたのかな〜と思うと配信しか視聴できていないのが惜しい。あと何気にお着替え手伝ってあげてるの可愛い〜!お二人の優しさが滲み出ていて男性ブランコっぽい!と一番思ったところかも。

そして、一番初めの初め。漫才へ。ぐわ〜!かっこいい〜!すご〜い!と少年のように目をキラキラさせてしまう。感情を掻き立てる展開。感情を煽るギター。ブルースハープ。そして、歌。音源化してくれ。何もかも完璧で、もう本当に全人類見てくれ……。としか言えない自分の語彙が憎い。最後の最後のお辞儀も男性ブランコらしくて「これからも一生着いていきます!」の気持ちになりました。

総じての話。平井さんの「タガが外れる」とか「汚名を着せられる」とか「とろとろとろとろと!……角煮?」とかその辺の言葉の扱いが本当に好き。「音符運搬、か」のときも思ったけど穏やかに言葉で遊んでいる、というか。新手の日本語であそぼみたいなこと?違うような気がするけどもまぁ今回はそういうことでまとめさせていただきたく存じます。

浦井さんが平井さんのコントは笑い以上のものを人に届ける(ニュアンスでごめんなさいな)ということをおっしゃっていた(と、思う。多分)。私はその動画を視聴した時は賞レースでしかネタを拝見していなかったので「お笑い以上のコント……?」とよく納得できなかったわけであるがしかし、今回の単独ライブを視聴し「あぁ、なるほど、これが」と異常なまでの納得感に包まれちゃったな。

あと全部の作品のセリフに「おばけ」が入ってるのちょっとすごすぎません?ただでさえものすごくすごいのにメイキングでもっと繋げたかった(ニュアンス)とおっしゃっていてこの人やべーになってしまった。すごすぎる。そりゃ天才って言っちゃうよな。

おばけカメラの話もしたいのですけれど、これ以上文字数が増えるとお見苦しくなってしまうかと思うので……。また、溢れんばかりの気持ちも書きたいところです。

ここまで読んでいただいた方はありがとうございました!本当に本当に!ありがとうございました!大好きです男性ブランコ!お体お大事にしてください!お疲れ様でした!これからも応援してます!

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