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わたしの「家族」

わたしの実家は、いわゆるステップファミリーである。


わたしが14歳のときに両親が離婚し、いろんな大人の思惑で、わたしの親権は父が持った。
ちなみに、実母はいまも健在でわたしとは仲良しです。ふふ。


その父が、離婚後10年近くお付き合いした彼女さんとお別れし、結婚したのがいまの奥さん。
わたしにとっては、継母さんになる人。
継母さんは3人の子どもを連れての結婚だったので、22年間ひとりっ子だったわたしは、突然4人きょうだいの長女になった。わお。


この結婚については、

・入籍前に1回しか継母さん家族に会っていないこと
・入籍が事後報告だったこと


以上の2点について、わたしは未だに根に持っている。笑
(これは100パーセント父が悪いんだけど)

それでも、相手(父)に障害を持つ子どもがいることを承知で嫁いでくれた継母さんには、とても感謝している。
妹弟もみんないい子で、【きょうだい】を知らないわたしを、姉として思ってくれている。


感謝しているのは本当だけれど、特に継母さんとはやっぱり節目節目でわだかまる出来事もあったりして、わたしはどうしても、かかわるときに心が構えてしまう。
昔も、いまも。


そんなファミリーと、先週、LINE通話した。

きっかけは、すぐ下の妹が作ってくれた。
この4月に高校生になる甥っ子(妹の息子)の制服が届いたらしく、真新しい制服を着た凛々しい甥っ子の写真が、妹、末妹、継母さんの3人から時間差でピロリロリンと送られてきた。
末妹が送ってきたのは、甥っ子の制服を着た自分の写真だったけど。笑

それぞれに返信したり、写真をつけて近況報告したりしていたら、妹が

「おねーちゃん電話できるー?」

と聞いてきたので、それに乗っかってみた。


すっごい久しぶりにファミリーの面々を見た。
末妹と弟は不在で、主役の甥っ子は寝てたけど。

父は13キロのダイエットに成功したらしく、えらいドヤ顔だったが、だいぶ老けていた。
あぁ老けたなあ…という思いを言わずに胸に閉まっていたのに、わたしの顔を見た父は開口一番

「おめー歳いったな!」

と言ってきたので、

「そっくりそのまま返すわ!」

と言ったら大爆笑された。
人の気遣いを返してほしい。


なんやかんやと20分くらい話して終了したあと。

ドドッと疲労感に襲われた。

話しているときは楽しかった。それは本心で。
だけど、自分でもびっくりするくらい、疲れた。

まだ病院にいた頃、年に1回は父の家に帰省していた。
自分では意識していなかったけれど、その帰省中の数日間は強く緊張していたようだ。
病院に戻ってきて、父母を見送った直後、

「やっと終わった…」

と思ったのだ。
気が抜けて、発熱したこともあった。

そのときと同じような疲労感を、また感じた。


しばらくひとりで

「あーづがれだー!」
「もーしんどー!」

などとグダグダしていたら、旦那さんがお風呂からあがってきた。
よっ!待ってました!とばかりに、となりの部屋でヘルパーさんに服を着せてもらっている旦那さんに、半ばひとりごとのように話を聞いてもらった。


そうしたら。

興奮していた神経が、落ち着いてきた。
ギザギザした感情が、なだらかになったのがわかった。
その感覚に、これまたびっくりした。


そのときに、あらためて、

「ここがわたしの居場所だな」

と実感した。

旦那さんの実家で同居しているわたしだけど、お義父さん・お義母さんと会話するときのほうが、父一家とのそれとは比較にならないくらいリラックスしている。

けれど、どんなに仲良しでも、毎日同じメンバーが顔を合わせているわけで、しかもこのコロナ禍の中で、すべてが薔薇色ハッピー♪というわけにはいかない。

旦那さんとわたしのヘルパーさんがけっこうな時間家にいることで、必要不可欠で仕方がないこととは言え、特にお義父さんは居心地の悪い思いをしているだろうと思う。

その思いをお義母さんはぶつけられているだろうし、旦那さんはきっといろんな方面からの板挟みでやれやれと思っていることもあるだろう。

わたしも、ひとりの時間が持てなくてモヤモヤするし、自分ばっかり我慢しているような被害妄想に苛まれることも、正直たくさんある。

だけど、みんな自然にお互いを思いあって、意見を交わしあって、よりよく暮らそうという同じ方向を見て、暮らしている。
わたしは、この家にお嫁に来られて本当によかった。


いまの、ここが、わたしの家族だ。

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