バーチャル秋葉原のバーチャルローソンでバーチャルからあげクンを揚げたら、リアルからあげクンが出現した件について。
Virtual Market 2021の記事投稿コンテスト「Vketから考えたメタバース」に応募するためにこの記事を書いている。ただし、私としては"8Kのすげーやつ"に興味はない。Vketでの感動をぜひ伝えたいと思い、キーボードをカタカタさせている。つまり、私はどの投稿者よりも純粋な気持ちを持っているのだ、と審査員の皆様に媚びを売っておく。
私が感動したことはすべてタイトルに書いておいた。近年のラノベ方式である。今回のVketでは、企業ブースとしてパラリアル秋葉原にローソンが出展していた。Vtuberが1日店長を務める企画もあり話題になっていたブースである。私は時間が合わずおめシスに会えなかった。悔しい。
……悔しい。
それはさておき、このローソンのブースでは、オリジナルからあげクンを制作できる体験が用意されていた(以下の画像はVket公式サイトから失敬した)。
正直この体験、絶妙に手間がかかって面白かった。なにせ、まずは手を消毒しないといけないのだ。それからからあげクンを1個ずつ揚げていく。ただし、油につっこんだ瞬間カリッとできあがるので時間はかからない。
これは私。本当はパッケージに表示する写真を撮影できるのだが、気づかずスルーした。ノーマルパッケージ最高じゃん。でも大事なのはそこではない。この後の抽選である。からあげクンの無料引き換え券が当たるかもしれないのだ。指示に従ってボタンをクリックすると、外部サイトが開いてその場で抽選が行われた。そして私は見事にからあげクンをゲットしたのである。ただし、Twitterをざっと見る限り外れた人はいなさそうだ。ローソンは太っ腹である。
今のところ、「たのしかったぶいけっとのおもいで」がタイトルとして妥当なほどメタバースの話をしていないが、どうか安心してほしい。この後、無理やりメタバースに絡めて話を展開させていこうと思う。ただし、最後までからあげクンの話しかしないことを先に伝えておく。
次の画像をご覧いただきたい。私のツイートのスクショである。
からあげクンが当たったのは純粋に嬉しかったのだが、それ以上に心が揺さぶられたのは、実際にからあげクンを引き換えたときのことである。ほんの小さな、大したことのない出来事ではあるのだが、私はこのときバーチャルとリアルの融合を感じたのだ。そして、私の中でメタバースに対する見方がいい意味で崩壊した瞬間でもある。
メタバースとはインターネット上にある仮想空間のことである。これまで私は、その仮想空間とはリアルからは切り離された別個の世界、リアルからの移住地、新たなフロンティア、そんな風に考えていた。メタバース内での出来事は基本的にその中だけで完結すると勘違いしていたのだ。バーチャルで手に入れたからあげクンをリアルで召喚したという事実は私の考え方に大きな影響を及ぼした。メタバースはリアルの拡張機能として使うのが正しい位置付けなのかもしれないと感じたのである。いや、正しいという言い方は語弊がある。その方が「私はワクワクする」というのが正しい。
このように感じているのは私だけではない気がする。上記のスクショを見てみると、いいねが17件もついている。普段のツイートでこんなにいいねをもらうことがない私にとっては、バズりにバズった緊急事態である。Twitterの文化によるとバズったら宣伝していいらしいので、遠慮なく宣伝させていただく。
VR e-Sportsの国際リーグがあることをご存じだろうか。私が所属するチーム「Re_QUEST」は、【Echo VR】というタイトルで出場している。Echo VRは無重力空間で行うVRスポーツである。ディスクを奪い合い、相手のゴールに入れるというルールで、サッカーやバスケに近い。先シーズンは賞金総額100万円の決勝リーグが行われた。海外ではプロチームが発足して盛り上がりを見せているが、日本での知名度はまだまだである。裏を返せば、今のうちに始めれば日本でプロになれる確率はかなり高い。ただし、プレイヤー人口が増えることはもちろんだが、一般のスポーツのように、プレーはしないけど観るのは好きという人が増えてほしいという願いもある。1月からシーズン5が始まる予定である。基本的に配信はTwitchで行われている。ぜひ一度、近未来のスポーツを観戦していただきたい。
閑話休題。正直なところ、私はメタバースに物足りなさを感じていた。それは、"メタバースは所詮リアルではない"という見方をしていたからである。例えば、VRChatで居酒屋に行き、ビールを飲み、焼き肉を食べたところで味も匂いもしないし、お腹が満たされることもない。なんだか虚しい。そう思っていた。そんなメタバースが、リアルにからあげクンを召喚してみせたのだ。これがワクワクしないでいられようか。
リアルローソンでリアルからあげクンをもらったことにより、腑に落ちたことがある。リアルとメタバースは共存できるということである。自分で書いておいてあれなのだが、めちゃくちゃ当たり前のことを言っている気がする。記事にするほどの意見ではない。でも、これを認識できたことで少しすっきりしたのは事実なのだ。誤解を恐れずに言えば、メタバースに期待しすぎていたのである。私はすべてをメタバースで補えないことに物足りなさを感じていたのだ。ローソンでファミチキを買えないことに不満を感じていたのだ。コンビニはローソンだけあればいいなんてことはない。セブンもファミマもセコマも必要だ(道民アピール)。からあげクンだけじゃなく、ななチキもファミチキもホットシェフのフライドチキン(なまら旨い)も必要だ。リアルがあって、メタバースがあって、それぞれに良さがあり、目的がある。コンビニとの違いは、それぞれが独立するのではなく絡み合うことができるという点だ。
私は「電脳コイル」が好きだ。あれはまさしく仮想と現実が絡み合う、なんなら仮想が現実に侵略してくるストーリーである。あのバランスはいい感じに面白い。そして今回のVketはいい感じにメタバースとリアルが融合していたのではなかろうか。メタバースはからあげクンを具現化してリアルに侵攻してきた。とはいえ、そもそもはローソンの店舗がメタバースで召喚されたとも言える。
電脳コイルでは最後に、子供の遊びはお終いという感じでメガネを没収されてしまっていた。あれだけ手に汗握る展開が繰り広げられていたというのに。でも、それもまた良い。どれだけメタバースに浸かるか、どんな風に利用するかは人それぞれであり、それが正しいと私は思う。
長々と書いてきたが、結論はこうである。
Vketでゲットしたからあげクンを引き換えたことにより、メタバースとリアルは別個の世界ではなく、むしろ互いに絡み合うことでワクワクが増すということを実感した。メタバースとリアルをどのように絡ませるかは人それぞれである。
メタバースがリアルを豊かにすることは間違いない。ただし、メタバースには明白な課題がある。そもそもメタバースライフの楽しみを知らない人が多いということだ。そういうわけで、メタバースを広めるために私にはもう一台VRゴーグルが必要である。それも、"8Kのすげーやつ"が。
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