【ワートリ考察】隠岐孝二がグラスホッパーを装備している理由〜機動型狙撃手とは?〜
なぜ隠岐は全狙撃手の中で唯一グラスホッパーを装備しているのか。その理由について考察していく。
まず最初に筆者が作中の描写から考察した結果、隠岐がグラスホッパーを装備している理由は
狙撃ポイント間の移動時間を短くするため
である。
この結論について詳しく説明するため、まずは狙撃手はどのように装備するトリガーを決めているのかを考察する。
その後そもそも狙撃手とは何をするポジションなのかについて改めて考え、その結論を元に機動型狙撃手のコンセプトを考察していく。
狙撃手のトリガー選定基準、狙撃手・機動型狙撃手のコンセプトについて理解した後で、隠岐が狙撃手で唯一グラスホッパーを装備している理由について考察する。
狙撃手のトリガー選定基準
戦闘員のポジション・トリガー選択
まずボーダーでは最初に戦闘員か否か、そして戦闘員に決まれば適性によってどのポジションにするかを決める。
ポジション選択の後に各ポジション用のトリガーを選定し、自分の戦闘スタイルを確立していく。
狙撃手のトリガー選定基準
作中で語られている狙撃手の基本の立ち回りは上述の通りである。
つまり、狙撃手の「狙撃」は「隠密行動」から始まるのだ。
サブ側ではこの基本に沿って戦闘中は常にバッグワームを起動している。
攻撃用の狙撃銃は元々の性能で射程が保証されている。
つまり、他のポジションの攻撃範囲外から一方的に攻撃ができるということだ。
基本的に「攻撃」は見えている敵にしか出来ないため、これはそのまま相手に見つからず攻撃することができると言い換えられ、攻撃用に装備している狙撃銃も狙撃手の基本に則っているといえる。
そして狙撃手はミスをしなければ相手から位置を捕捉されるはない。つまり攻撃されることもない。シールドは相手に見つかったときの保険として装備していると考えるのが妥当だ。
隠岐のグラスホッパー
隠岐のグラスホッパーは上記のように狙撃手にとって無防備な「走る」時間を短縮することで相手に一方的な攻撃をされるリスクを減らすことができる。実際に隠岐は攻撃手に見つかってもある程度の回避ができるようなことも話している。
このように隠岐にとってのグラスホッパーとは接敵を回避するためのトリガーであると考えられる。狙撃手の基本に沿ったトリガー選択だといえるだろう。
狙撃手とは
次に狙撃手とは何をするポジションなのかについて知る必要がある。
最初に結論から説明しておくと、狙撃手とは「狙撃」をするポジションである。では具体的に「狙撃」とは何をしているのかについて説明していく。
狙撃手は他のポジションとは異なり、合同訓練のみによってB級への昇格が決まる。
その合同訓練の内容は作中で描写されているものだと「通常狙撃訓練」「レーダーサーチ訓練」「捕捉&掩蔽訓練」がある。
この全てが狙撃手の役割を果たすために必要な技術を向上させるための訓練になっている。順番にその技術について説明していく。
攻撃を命中させる技術
この訓練で必要な技術は「攻撃を命中させる技術」である。
狙撃手は居場所が知られれば不利なポジションで、1発撃てば居場所は周りに知られてしまう。つまり攻撃を命中させないと不利になる一方なのだ。
索敵技術
この訓練では先ほどの「攻撃を命中させる技術」に加えて「索敵技術」が必要である。
いくら攻撃を当てられるようになっても攻撃を当てる敵を見つけられなければ意味がない。
実際に狙撃手は高所に位置取ることが多いこと、スコープを覗いて遠い相手も確認できることから索敵で活躍することも多い。
この訓練で「敵を探して狙って撃つ」という実戦での動きを一通り訓練することができるが、実戦では敵も動きながらこちらを狙ってくるため、そう上手くいかないはずだ。そのため次に紹介する訓練が必要になる。
隠密行動の技術
「攻撃を命中させる技術」「索敵技術」については他のポジションでも当然必要な技術である。しかし狙撃手はこの技術だけでは十分な活躍が見込めない。
この訓練ではこれまでの技術に加え、「隠密行動の技術」が必要になる。
先ほどまでの訓練よりさらに実戦に近い「敵から隠れながら移動し、敵を探して狙って撃つ」訓練であるため、この訓練の成績が良ければ狙撃手として機能すると言ってもいいだろう。
狙撃手のコンセプト
上記で説明した狙撃手に必要な技術をまとめると「一方的に敵を捕捉し、攻撃を当てる技術」と言える。
これはそのまま「奇襲を成功させる技術」と言い換えることができ、狙撃手のコンセプトとは「奇襲特化」であることがわかるだろう。
つまり「狙撃」とは「奇襲」であり、「奇襲」には「攻撃の命中」「索敵」「隠密行動」の全てが含まれていて、どれか一つが欠けても成立しないのだ。
改めて狙撃手のコンセプトについて確認したところで、機動型狙撃手とはどのような役割を持つものなのか考察していく。
機動型狙撃手のコンセプト
機動型狙撃手とは
機動型狙撃手とはその名の通り「機動力が高い狙撃手」のことだと推測でき、隠岐は「グラスホッパー」を装備することによって狙撃手でありながら高い機動力を有している。
グラスホッパーの特徴といえば「空中機動」である。隠岐はその特徴を活かして狙撃ポイントにつくまでの時間を短縮できている。
もう一人の機動型狙撃手と二人の共通点
隠岐の他には草壁隊の「宇野隼人」も高い機動力を有している狙撃手だと推測できるため、機動型狙撃手と言ってもいいだろう。
「グラスホッパーを装備し、狙撃ポイントにつくまでの時間を短縮している隠岐」と「サイドエフェクトの力で走りながら狙撃を当ててくる宇野」には戦闘中に狙撃できない時間を減らしているという共通点がある。
この「走る」時間を短縮している狙撃手が隠岐、「走る」時間すら攻撃できる狙撃手が宇野だ。
このことから、機動型狙撃手は高い機動力を活かして狙撃の「量」を増やしていると推測できる。
狙撃の「量」を増やすメリット
狙撃の「量」を増やすことで、相手は常に狙撃手の存在を警戒しなければならない。
これにより相手の両攻撃を牽制することができる。
両攻撃ができないということは前衛陣がシールドを駆使して銃手や射手相手に間合いを詰めやすくなるということだ。
他にも狙撃を警戒して移動する場合は射線を切らなければいけない。
そして射線を切るためには建物に張り付いて隠れながら移動することが多い。
つまり相手の行動範囲を制限し、両攻撃も牽制することもできるのが機動型狙撃手の理想的な動きだと考えられる。
ここまででようやく狙撃手のトリガー選定基準・機動型狙撃手のコンセプトが判明したため、これらの結論をもとに隠岐はなぜ狙撃手で唯一グラスホッパーを装備しているのかについて考察していく。
隠岐はなぜ狙撃手で唯一グラスホッパーを装備しているのか
狙撃手がグラスホッパーを装備するデメリット
狙撃手がグラスホッパーを装備するメリットについては以下の通りだ。
狙撃ポイント間の移動が速い→狙撃の量が増やせる→相手の両攻撃を防ぐ
移動中の接敵をある程度回避できる→相手に見つからない
これまではグラスホッパーを装備するメリットのみを挙げてきたが、デメリットも考えることで隠岐以外の狙撃手が装備していない理由も判明すると推測できる。まずは狙撃手がグラスホッパーを装備するデメリットについても2点説明していく。
トリオン消費
まず最初はトリオン消費が挙げられる。
狙撃手はサブ側のバッグワームで常にトリオンを消費していて、狙撃一発ごとのトリオンの消費も重い。
さらに狙撃銃は出したままオフができない仕様になっており、グラスホッパーを起動する場合はその都度銃を出し入れする必要がある。
狙撃の「質」
もう一つのデメリットは狙撃の「質」の低下が考えられる。
狙撃の「質」は「得点力」と言い換えても良い。
まずはグラスホッパーを装備すると狙撃銃を二種類しか装備出来ない。そしてグラスホッパーを装備して狙撃の「量」を増やさずに戦うなら、三種類装備していて同じ立ち回りをする狙撃手と比べると駒としての性能がやや落ちる。
つまり、グラスホッパーを装備するなら狙撃の「量」を増やすことが基本になるのだ。
先述した通り、狙撃の「量」を増やすということは相手に狙撃を警戒させるということである。
しかし上記の説明のように、狙撃を警戒している相手に狙撃を成功させることは難しい。
隠岐は他の狙撃手と比べても狙撃の量は多いが、警戒の外から狙撃で相手を仕留めた場面は外岡への狙撃しかない。
しかも潜伏した末での狙撃だったため、警戒されていた状態からの狙撃では一度も仕留めきれていない。
上記のように狙撃手がグラスホッパー装備することにもある程度デメリットがあることがわかったはずだ。それでは隠岐はなぜグラスホッパーを装備しているのかについて検証・考察していく。
隠岐がグラスホッパーを装備している理由
トリオン量
隠岐のトリオンは「8」であり、現時点で判明している狙撃手の中では雨取に次いで高いトリオン量である。
このように1つ目のデメリットである「トリオン消費」が他の狙撃手より気にならないことは隠岐がグラスホッパーを装備する理由の一つになるだろう。
攻撃へのためらいと所属部隊のエース
詳しい理由はわからないが、隠岐には攻撃することをためらう描写がある。
さらに得点力の高い攻撃手エースも自部隊にいるため、自身の得点力よりもエースの活躍を重視しているとすると2つ目のデメリットも問題にならない。
トリオン量が多く、攻撃へのためらいがある狙撃手なら雨取や鳩原も該当しているが、雨取は「桁違いのトリオン量」鳩原は「並外れた技術」でその弱点をカバーしている。
一方で、狙撃手として秀でた能力を紹介されていない隠岐は「グラスホッパーを扱う身体能力(=機動力)」でカバーしているのではないだろうか。
特に隠岐の場合は狙撃の「質」が多少低くても相手に狙撃を警戒させ、建物に張り付かせることで生駒の「壁越し生駒旋空」を通すことができるのもわかりやすいメリットだ。
そして他の狙撃手にはこのようなわかりやすいメリットがなく、移動時間を短縮するメリットよりもデメリットの方が勝っているためグラスホッパーを装備していないということがわかるだろう。
つまり、隠岐は狙撃ポイント間の移動時間を短くし狙撃の「量」を増やすことで、「所属部隊の前衛陣を活躍させること」を重視してグラスホッパーを装備しているのだ。
以上で隠岐がグラスホッパーを装備している理由についての考察を終了とする。
今のところは索敵で活躍している描写が多いが、狙撃手としての実力がつけばつくほど活躍の幅が広くなる戦い方をしているため、今後の隠岐の成長に期待したい。
参考:隠岐がROUND6で千佳との撃ち合いに負けた理由の考察についてはこちら
※ここまで読んでくださりありがとうございました。誤字脱字や質問等ございましたらコメントか筆者のTwitterまでご連絡ください。
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