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【ワートリ考察】隠岐孝二があのとき弾を外した理由〜かわいい子は撃ちにくい?〜
「ワールドトリガー(18巻)」を2万回読んでいるときに隠岐はなぜ雨取との撃ち合い(以下、本件)で弾を外したのかという疑問が浮かんだ。
当真にも指摘されたこの行動にはどのような意味が隠されているのだろうか。
先に筆者が作中から情報を集めて導き出した結論から言えば
隠岐は一方的な攻撃をしたくない狙撃手だったから
である。
当真「『撃てない』やつはどこまでいっても撃てねーが 『撃ちたくない』やつは追い込まれれば撃つ」
この結論は上記の考えを軸にして導き出したものだ。もし忘れている場合は該当箇所を参照していただきたい。
それではこの結論に至った経緯について、下記の流れで説明していく。
本件の不自然な点
最初に、本件の不自然なポイントを二点紹介していく。
三雲の指示
三雲「千佳!」
雨取「…………了解!」
まずは玉狛第二が雨取を使って撃ち合いを仕掛けたという点から見ていこう。
上記箇所で三雲が雨取に対して指示を出している。
その指示の内容は隠されているが、後の行動を考えると「隠岐を鉛弾で行動不能にしろ」のようなものだと推測できる。
隠岐「雨取ちゃん捕捉しました このままアタマ押さえます 下は頼んますよ」
そしてこの指示は隠岐が雨取をマークしている状態で出されたもので、雨取も落とされる危険性がある。
宇佐美「修くんと遊真くんは 千佳ちゃんに無理してほしくないんだよ
『危険なときは自分の安全をまず考える』 実戦に向けてそういう癖をつけてほしいって思ってるの」
しかし、上記の通り三雲は雨取を危険に晒すような指示は基本的に出さない。
この三雲の指示は一般的な狙撃手相手なら本来あり得ないはずの不自然なものであることがわかるだろう。
隠岐自身の言い訳
当真「おー 前の試合肝心なとこではずした隠岐じゃねーの」
隠岐「いやいやあれは違うんですよ当真さん」
当真「なにが違ーんだ」
隠岐「おれ一人っ子なもんで 雨取ちゃんみたいな妹がおったらなーって前から思ってたんですよ」
当真「なんだそりゃ 相打ち狙いに怯んだだけだろ」
隠岐「いやいやかわいい子は撃ちにくいって話ですわ な」
次に、隠岐自身が本件について語っている内容だ。
ROUND6後の狙撃手合同訓練にて当真に本件で負けたことを指摘され、言い訳するシーンである。
ここでも「妹が欲しかったから」「かわいい子は撃ちにくいから」などと表現を変えていて一貫しないが、今までの隠岐の行動・言動との矛盾も多く信憑性に欠ける。これからそれを説明していく。
ROUND6前ミーティング
水上「雨取ちゃんはカウンター狙撃で落とすのが一番早い 頼むで隠岐」
隠岐「了解 心をオニにして撃ちますわ」
隠岐は水上から雨取を落とせと指示されており、それに対して何の躊躇いもなく「了解」と言っている。
生駒隊の主な玉狛対策は隠岐のカウンター狙撃であったため「かわいい子を撃ちにくい」のであれば、この時点で自隊に相談するべきである。
戦闘中の前言撤回
生駒「隠岐どない?」
隠岐「今ちらっと見えました 一発撃つごとにちゃんと移動してる まじめな子ですわ」
生駒「そっちは任せんで」
隠岐「いや〜正直自信ないっすわ ずるいでしょあんなちっちゃい子 撃ちにくいに決まってますやん」
生駒「そういうええ人アピールはええから」
隠岐「いやいやいや それやったらイコさんが雨取ちゃん獲ってくださいよ おれが空閑くん獲りますから」
生駒「アホか 俺はちっちゃい子斬ったらあかん顔やろが おまえは雰囲気がイケメンやから何やっても許される」
隠岐「むちゃくちゃ言うなあ」
水上「グズってる方が好感度下がんで」
ROUND6中に雨取を見張りながら話している場面。
ミーティングでは雨取を撃つことに「了解」していたにも関わらず、戦闘が始まってからグズり始めた。
しかし同じような背丈の空閑を狙うことには積極的で、「撃ちにくい」が心理的な意味であっても能力的な意味であっても矛盾する。
隠岐「あらら 腕かい」
実際この後に空閑の腕を削っているため、ちっちゃい子を能力的に撃ちにくい訳ではないことは確定する。
そしてここで隠岐は「ちっちゃい子が撃ちにくい」と言っており、当真への言い訳で使った「かわいい子が撃ちにくい」と表現がブレる。
加えて、前述したとおり「ちっちゃい子が撃ちにくい」のであればミーティングの時点でグズるべきであり、ここも違和感のあるセリフと言える。
さらに当真は「相打ち狙いに怯んだ」と指摘していたが、隠岐はこのように相打ちを狙われる前から雨取を撃つことをグズっていた。
この点から隠岐が本件で弾を外した理由は相打ち狙いに怯んだとも考えにくいことがわかる。
かわいい子が撃てそうなセリフ
「こっち連れてきぃや おれも向かってるし」
帯島に追われている南沢に対してのセリフ。
ここから隠岐は帯島を撃てそうなことがわかる。帯島がかわいい子か否かは言わずもがなである。
ここは隠岐の援護なしだと南沢が帯島に勝つ、もしくは逃げきることが難しい状況であるため、撃てないならこのセリフは出てこないだろう。
当真への言い訳は隠岐本人の言葉であるが、このように「かわいい子が撃ちにくい」という理由では明らかに不自然な点があり、他に理由があると考える方が妥当だ。
まとめ
これまでで本件は「三雲が雨取に対して相打ちのリスクがある指示を出した」という点、「隠岐の『かわいい子が撃ちにくい』という言い訳では説明できないことがある」という点から不自然な描写であることがわかった。
それではようやく本題の「本件でなぜ隠岐は弾を外したのか」について次章から考察する。
まずは「隠岐が撃てる人間・撃ちにくい人間」から考察を始めていく。
隠岐が撃てる人間・撃ちにくい人間
隠岐が撃てる人間・撃ちにくい人間については一つ明確な基準がある。
それはROUND6前のミーティングの「了解」とROUND6中にグズったシーンである。
つまり隠岐は「了解」するまでは雨取のことを躊躇なく撃てて、ROUND6が始まってから撃ちにくくなったと考えられる。
では隠岐は雨取の何に対して「了解」し、何に対してグズったのかについて整理していく。
隠岐が「了解」した事項
まずは隠岐がROUND6前のミーティングで雨取についてどこまで把握できているかを確認していく。が、実はこのシーンで隠岐が雨取について語っている箇所は一切ない。
生駒「玉狛第二 ヤバいな」
南沢「2万回見ました!」
水上「あのワイヤーはどうにかせなあかんけど 今回もうちMAP選択権ないしなあ」
細井「前衛陣はあんま突っ走らんときや 派手にこかされるで」
それどころか、生駒隊の中で唯一玉狛の戦術について一言も言及していない。
そのため隠岐以外のメンバーが雨取について言及した箇所を抜き出し、それを隠岐が雨取について知っている情報とする。
生駒「あとは当然あれや 玉狛第二の女の子な あの子ちっちゃくてカワイイな」
一同「「「そこ?」」」
水上「雨取ちゃんに関してはもうネタは割れてる 鉛弾狙撃の防ぎ方もわかった 柿崎サンとこの照屋ちゃんに感謝やな」
生駒隊が雨取に対して言及した箇所は上記のとおりだ。そして隠岐はこの情報に対して「了解」と言っている。
時枝「雨取隊員のライトニング鉛弾も面白いですね 集中シールドでは防げないことに加えて 射撃の瞬間はバッグワームが使えなくなることを差し引いても 前の『大砲』よりは人目を引きにくい とはいえ莫大なトリオンがないとこの組み合わせは成立しない 他の人には真似できない芸当ですね」
少し補足をすると「鉛弾を使う狙撃手」には「莫大なトリオン量を持つ」以上の情報はない。
三輪のように人を躊躇なく撃てるが鉛弾を装備している隊員も存在しているからだ。
隠岐「雨取ちゃんのボカーンは 対策しようがないしなあ」
細井「あんたがマークするんやで?」
さらにROUND8前のミーティングではROUND6と異なり、ミーティングの時点で雨取を撃ちにくそうな発言をしている。
このことからこの「了解」が強がりとは考えにくい。
つまり、隠岐は「玉狛第二所属の」「ちっちゃくて」「カワイイ」「『雨取』という名前の」「鉛弾を使い」「莫大なトリオン量を持つ」「狙撃手の」「女の子」をカウンター狙撃で落とすことに対しては「了解」したということだ。
隠岐がグズった事項
隠岐が「了解」した事項について判明したため、次は隠岐が何に対してグズったのかを確認する。
隠岐がグズったのは雨取を撃つことだけであるため、雨取の行動について確認していく。
蔵内への鉛弾狙撃
蔵内「!! (鉛弾……!!)しまった……!」
このとき、雨取は完全に蔵内の意識の外から狙撃を決めている。確実に弾を当てられる場面だが、雨取は鉛弾を使用している。
つまり、この時点で隠岐は雨取が人を撃てないと把握することができる。
蔵内への同時狙撃
蔵内「ぐっ!!」
このときに隠岐も雨取もある程度の位置は王子隊に捕捉されている。そして蔵内は隠岐がいる方面にシールドを張っており、雨取の弾には気づいていない、もしくは避けている。
しかし隠岐の弾は蔵内の左肩を抉っているため、ここで狙撃の能力は雨取より隠岐の方が高いことがわかる。
雨取の動きを確認したときのコメント
隠岐「一発撃つごとにちゃんと移動してる まじめな子ですわ」
東「狙撃手は位置を知られると大きく不利になる 数発ごとに狙撃地点を変えるのが基本だ だから走る」
木崎「……雨取 狙撃手の基本は忘れたのか?」
雨取「……!『狙撃手は居場所を知られたら負け』『まずは姿を隠すこと』『相手に見つかったまま戦ってはいけない』……です!」
木崎「……よし 覚えてるならいい」
ここで隠岐は雨取が「基本に忠実な狙撃手」であることを把握する。
そしてこの後にグズる。
つまり隠岐がグズる要因になったのは「人が撃てない」「自分より能力が低い」「基本に忠実な狙撃手」のどれか、もしくは全てと考えられる。
なぜランク戦が始まってからグズったのか
では、そもそも隠岐は雨取が「人が撃てない」「自分より能力が低い」「基本に忠実な狙撃手」という情報をなぜ把握していなかったのかについて深掘りする。
記録を確認していないと思われる描写
モテるの?モテないの?隠岐「オフのときに連絡が取れなくなる時間帯があることから、彼女がいるに違いないとにらまれている泣きぼくろバイザー。」
日浦「奈良坂先輩には一昨日の狙撃手の集まりで ちゃんとお礼言えましたから」
同23巻 199話p.76
隠岐はオフの日に連絡が取れない時間帯がある点・恐らく防衛任務の合間に開催された日浦の送別会に参加している描写がない点などから隠岐はオフの日が忙しいと推測を立てることができる。
そして前述した生駒隊で隠岐だけが玉狛の戦術に対して一切言及していない点も踏まえると、隠岐はランク戦のログを確認していない、もしくは確認する暇がないということになる。
生駒「あとは当然あれや 玉狛第二の女の子な あの子ちっちゃくてカワイイな」
一同「「「そこ?」」」
この説を補強する描写として上記のツッコミシーンが挙げられる。
このシーンの吹き出しは3つしかない。ということは水上、隠岐、南沢、細井のうち一人は参加していないということになる。
そしてこのツッコミには「(今まで玉狛第二の戦術の話をしていて、雨取にもトリオン量というわかりやすい特徴があるのに)そこ?」というニュアンスが含まれていることは文脈から読み取れる。
これは隠岐が記録を見て雨取の活躍について把握していなかったためツッコミができなかったと考えることができる。
上記のことから隠岐はランク戦の記録を確認していないため、雨取が「人が撃てない」「自分より能力が低い」「基本に忠実な狙撃手」という情報を把握できていなかったのだ。
まとめ
ここまでで隠岐が「玉狛第二所属の」「ちっちゃくて」「カワイイ」「『雨取』という名前の」「鉛弾を使い」「莫大なトリオン量を持つ」「狙撃手の」「女の子」は撃てて、「人が撃てない人物」「自分より能力が低い人物」「基本に忠実な狙撃手」のいずれか、もしく全てが撃ちにくいということがわかった。
ここまで絞り込めたら次章では隠岐が人から指摘されたもう一つの行動と照らし合わせつつ、隠岐が撃ちにくい人間を確定させていく。
隠岐が人から指摘されたもう一つの行動
実は隠岐にはもう一つ他人から指摘された行動がある。次はその行動について追っていく。
ROUND8での問題行動
王子「炸裂弾大爆発の時からトノくんをマークしてたのかな?
トノくんは見失うと後が怖いからね 気持ちはわかる」
水上「隠岐くん?その腕前を俺らを救うために使えんかったん?」
隠岐「いやーそっちは狙撃警戒されてそうやったんで」
ヒュースを複数隊で囲んで狙っていたときに雨取が外岡に狙われて爆発した後、隠岐は隊の誰にも連絡せずに独断でヒュース包囲陣を離脱し、外岡をマークした。
宇佐美「……ダメだ修くん!狙撃は警戒されてる!射線が通んないよ!」
実際にヒュース包囲陣のメンバーに狙撃は警戒されていて射線が通らない状況だったが、独断で離れる理由にはなっていない。
隠岐「うわ アイビス持って来てんの読まれてるやん」
しかも隠岐はROUND8の最初にヒュースを狙撃しているため、「ヒュース・クローニン」という人間自体が撃てないわけではない。
このことから、隠岐はヒュースが見つかってから炸裂弾大爆発までの間にヒュースを撃ちにくくなり外岡をマークしたと考えられる。
では、なぜ隠岐はヒュースの何を見て撃ちにくくなったのだろうか。前述した条件と照らし合わせていく。
隠岐が撃ちにくい人間とは
自分より能力が低い人物
武富「生駒隊と弓場隊が怒涛の攻撃!ヒュース隊員これを凌ぐ!」
王子「なんであれで死なないんだろうね……」
ヒュースが隠岐より能力が低い、という描写はないためヒュースの実力が明らかにわかるシーンを抜粋する。
生駒隊と弓場隊の攻撃を捌ききるような人物を隠岐が「自分より能力が低い」と評することはないはずだ。
よって、隠岐がROUND6でグズった要因も「自分より能力が低いから」ではない。
基本に忠実な狙撃手
蔵内「外岡隊員は隠密行動がうまい狙撃手 最初の一発を確実に当ててきます たしか最近の捕捉・掩蔽訓練でも3位だったはず」
三雲「弓場隊の狙撃手……外岡先輩はかなり慎重な印象の人だ」
狙撃手の基本は前述のとおり敵に見つからないため、狙撃地点をこまめに変えることだ。そして外岡はこの基本に忠実な狙撃手である。
ということは隠岐がROUND6でグズった要因は「雨取が基本に忠実な狙撃手だから」でもないことがわかる。
人が撃てない人物
ここまで全ての条件がヒュースに当てはまらなかったが、この条件は少し解釈を変えると当てはまるようになる。
ヒュース「チッ……!」
武富「ヒュース隊員足にダメージ!」
王子「これはさすがにきついね」
隠岐がヒュースを狙撃してから弓場隊と犬飼が参戦して瞬く間にヒュース包囲陣が作られ、左腕と左足も削られた。
蔵内「……片足を失ったことで かなり厳しくなりましたね 足が止まって守りにトリオンを集中しなくてはならないので 持ち前の高い攻撃力を発揮するタイミングがない」
武富「防御に手いっぱいで 反撃する隙がないということですね……!」
この時のヒュースは防戦一方で、反撃する隙がない、つまり攻撃ができない状態になったのだ。
つまり、隠岐は攻撃できない人物を撃ちにくい狙撃手なのだ。
まとめ
以上のことから「隠岐は攻撃できない人物を撃ちにくい狙撃手」要約すると、「一方的な攻撃をしたくない狙撃手」という結論が導き出せる。
米屋「あーあ やっぱ一対一で戦りたかったなー 反撃がなきゃイジメみたいになっちゃうじゃん」
南沢「複数部隊で1人を囲むの好きじゃないんですよねー」
同21巻 187話p.175
このような考え方は空閑と戦っているときの米屋や、ヒュースを囲んでいるとき南沢もしていて、隠岐は特にその傾向が強いのだろう。
ここで隠岐の名誉のために絶対に忘れてほしくないことは「隠岐は本当に撃ちにくいながらも自分が活躍できる方法を探して生駒隊に最大限貢献していること」である。
余談:隠岐の狙撃解説
雨取への最初の狙撃
水上「隠岐〜!」
隠岐「はいはい」
このシーンで隠岐は水上の合図で雨取への狙撃をしているが、隠岐は「カウンター狙撃」で雨取を落とせと指示されていたのだ。にも関わらず、水上が声をかけるまで撃っていない。さらに隠岐はこの場面で汗をかいている。
これは事前会議で自分が玉狛対策の軸になることを「了解」したために水上の指示を断れなくて「追い込まれた末の狙撃」にも見える。
雨取への二回目の狙撃
隠岐「盾堅っった 弾撃つ瞬間狙わなあかんか」
隠岐「雨取ちゃん捕捉しました」
同157話p.122
隠岐は雨取への一回目の狙撃直後にシールドで完全に防がれたことを上記のように反省していた。
しかし二回目の狙撃は弾を撃つ瞬間ではなく、雨取が隠岐のことを警戒していない、かつ足を止めている状態で狙撃を全弾外している。
さらにこの狙撃の直前のコマを確認すると「このときの隠岐の目」と「雨取がROUND4で初めて人に向けて撃ったときの目」が酷似している。(※13巻113話p.136参照)
これは先ほどと同様「追い込まれた末の狙撃」とも読み取ることもできる。
なぜ隠岐はROUND6最後の撃ち合いで弾を外したのか
これまでで隠岐は一方的な攻撃をしたくない狙撃手であることがわかったため、本件の不自然な点を解決できる。
三雲の指示
まず一つ目は雨取が隠岐と相打ちになるかもしれない指示を出したことを解決する。
三雲「生駒隊の得意戦法は 4人部隊の数の有利を活かした多角的な攻撃 要注意なのは弧月使いの隊長・生駒さんとグラスホッパーを装備した『機動型狙撃手』隠岐先輩だ」
三雲は生駒隊の記録を当然確認しており、得意戦法も把握している。
攻撃ができない状況は弧月使いや銃手の両腕が飛んでいるときなどがあるが、そうなってしまった相手に対して明らかに隠岐が攻撃をしなかった、もしくは外した記録があったのではないだろうか。
三雲「……まあ試合を見てればそのうちみんな気付くことだ しゃべったのはダメだけど」
雨取「ごめんなさい……」
空閑「はとはら先輩もチカと似たタイプだったってことは にのみやさんももうチカの弱点に気付いてるかもな」
上記セリフを参考にすると、人を撃てない雨取がチームメイトにいる三雲は、ここまでの動きで「隠岐が本件で雨取を撃てない狙撃手」という確信があってこの指示を出したと考えることができる。
隠岐はなぜROUND6最後の撃ち合いで弾を外したのか
ではようやく本題を解決していく。
隠岐「おっ顔だしたな雨取ちゃ……ん?」
本件で雨取は鉛弾でこちらを足止めしようとしており、隠岐もそれに気づいている。
さらに隠岐が生駒隊から任されている役割は「雨取を抑えること」であり、ここで何もしなければ雨取をフリーにしてしまう。
この追い込まれた状況の中で選択した苦肉の策が「雨取の脚への狙撃」だったのではないだろうか。
足止め目的の狙撃であれば雨取と同じ目的になっているため「一方的な攻撃」には該当せず、チームでの役割も遂行できる。
その後の当真とのやりとりでは、はっきりと理由を言ってしまうと「雨取が人を撃てないから」ということになり、傷つける可能性があるために適当な言い訳で誤魔化したのだ。
雨取に「な」と話しかけていることからも気遣っている様子が伺える。
よって隠岐はROUND6最後の撃ち合いで最初から脚を狙っていたため弾を「急所から」外したのである。
以上で「隠岐孝二がROUND6最後の撃ち合いで弾を外した理由」の考察を終了とする。
穴はあるかもしれないが隠岐がスカウト組であるということも考え、戦闘でシビアになりきれていない面があってもいいのではないだろうか。
優しい性格ゆえに雨取とヒュースには手を出せなかったが隠岐自体は優秀な狙撃手である。今後の遠征選抜試験の活躍に期待したい。
参考:隠岐がグラスホッパーを装備している理由についての考察はこちら
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