【ワートリ展開予想】王子一彰の「いろいろ考えてる」についていろいろ考えてみた
<ネタバレ注意>この記事には単行本25巻以降の内容が含まれています。
最新話で久しぶりに王子が出てきてこのセリフが回収されそうなため、王子がどういうことを考えているのか考察してみる。
1.「そのあたり」とは?
まずは本記事で考察する内容である「王子がいろいろ考えてる内容」を確定させる。
このセリフが出た直前を読み返してみよう。
この会話を読み返すと辻󠄀ちゃんの
「戦闘シミュはもうちょっとどうにかしないとまずい」
というセリフに対して
「そのあたりは一応いろいろ考えてる」
と言っているため、王子は戦闘シミュについて一応いろいろ考えてるということがわかる。
さらに、戦闘シミュで何を目指すかについても確定させていこう。
1-1.閉鎖環境試験に満足している王子一彰
王子は「いろいろ考えてる」と発言する直前に「十二分に満足してる」とも発言している。
そして王子2番隊のコンセプトは上記の通りで、「長時間戦闘試験重視」であることがわかる。閉鎖環境試験に関係する要素は『組み合わせ的に面白そうなメンバー』以外にないはずだ。
さらにドラフト時点で戦闘シミュの存在を予想できるはずもなく、王子と辻󠄀ちゃん以外のメンバーは成績に自信がないメンバーである。このことから、王子はドラフト時点から成績など気にせず閉鎖環境試験を楽しもうとしていて、実際に楽しんでいるということがわかる。
目の前で「戦闘シミュ漫才」が展開されている今の状況は本当に「十二分に満足」なのだろう。
1-2.負けず嫌いな王子一彰
一方で王子は負けず嫌いでもある。実力が全く関係ない臨時部隊の番号についても「1番がよかった」と言うほどである。
そして戦闘シミュ1日目の成績は11部隊中9位、暫定順位は総合・単日ともに7位である。当然7位で満足するような男ではない。
だが現在王子が参加しているのはあくまで「遠征選抜試験」であり、「閉鎖環境試験」ではない。さらに前述した通り王子2番隊のコンセプトは「長時間戦闘試験重視」である。「遠征選抜試験」が全て終了したときに勝っていればそれでいいのだ。
つまり王子2番隊にとって致命的な展開は
閉鎖環境試験有力チームに圧倒的大差をつけられて長時間戦闘試験でも追いつけなくなる
長時間戦闘試験有力チームに閉鎖環境試験で並ばれる、もしくは負ける
以上の2点である。
そしてその致命的な展開を防ぐことに最も適している課題が戦闘シミュレーション演習というわけだ。
したがって、本記事でこれから考察する内容は王子2番隊が遠征選抜試験で最終的に勝つために戦闘シミュで好成績を収める方法とする。
2.王子2番隊の戦闘シミュレーション演習
王子2番隊が戦闘シミュで好成績を収める方法を探すために、まずは王子2番隊の基本戦術を知ることが重要だ。
先に結論から話しておくと、
護衛適性+近接連携+射撃トリガーで相手にプレッシャーをかけ続ける戦術
が王子2番隊の基本戦術だと筆者は考えた。
それでは各部隊の「基本戦術」とはどのようにして決まるのかというところから説明していく。
2-1.部隊の基本戦術の決まり方
基本戦術が作中で説明されている諏訪7番隊を例にして考えていこう。
諏訪7番隊はなぜ「近接連携」を使った攻撃が基本戦術に決まったのだろうか。
その答えはオッサムが説明している。戦闘シミュは防御を固められると撃破まで手数がかかるため、コストなしで自然と火力を集中させられる「近接連携」を基本戦術としたのだ。
ここまではこの記事を読んでいる人なら理解している内容だろう。
ではなぜ撃破まで手数がかかるとダメなのかを考えたことはあるだろうか。
それは相手の狙い通りに行動力のパラメータが奪われているからである。これについて詳しく解説していこう。
宇井が説明している通り、戦闘シミュレーション演習とは自分たちのユニットを操作して勝利条件を満たすことを目指すゲームである。
そして勝利条件を満たすためには自隊のユニットの消耗を抑えて相手のユニットを減らさないといけない。
さらに相手のユニットを減らすためには「攻撃」という行動が必要であり、行動するためには「行動力」というパラメータが必要になる。
つまりこのゲームは行動力のパラメータがすべてということだ。行動力がないと攻撃や防御はおろか、移動さえもできない。
そして勝利条件の「相手のユニットを減らす」を言い換えるとそのターンでの残りの行動力を完全に奪うということだ。
さらに言えば、それ以降のターンは撃破したユニットがゲーム中に存在しないため、そのターン以降全ての行動力を奪うということだ。
要するに、戦闘シミュとは行動力の奪い合いをするゲームとも言えるだろう。
また「撃破まで手数をかけている状況」に話を戻すと、例えば上記のような足止め目的の攻撃なら狙い通りの行動だが、撃破目的の攻撃なら相手の狙い通りに行動されているということになる。
撃破まで手数がかかる=相手の狙い通りに行動力を奪われているということだ。
そのため、諏訪7番隊は火力を集中させて相手をすぐに落とすことができる「近接連携」を主軸にしているのだ。
これまでの説明の通り、戦闘シミュでは相手の行動力をより奪える行動が強いとされている。そのため、部隊の基本戦術もこのような行動を軸にするよう決まっているのだ。
以上で部隊の基本戦術の決め方がわかったため、次は王子2番隊の基本戦術を決める「スキル」について考察していく。
2-2.王子2番隊の所持スキル
まずは王子2番隊の基本戦術の軸になる所持スキルについて考察していく。
なお、王子とオビ=ニャンはセットしているトリガーの種類が多く絞り込みにくいため、辻󠄀ちゃんとイコさんの所持スキルについて考察する。
所持スキル数についてだが、上記のシーンを参照すると最弱ユニット(仮)のオッサムでさえ2つ以上所持しているため、全ユニット最低2つは所持していることとする。
そして以下が2023年2月現在判明しているスキル一覧だ。
近接連携
射撃連携
弧月適性
スコーピオン適性
幻踊適性
(スラス?)ター突撃
拳銃適性
擲弾銃適性
変化弾適性
合成弾適性
サイレンサー適性
レッドバレット適性
グラスホッパー攻撃
グラスホッパー移動
テレポーター適性
ワイヤー機動適性
隠密行動
嘘つき射撃
足止め射撃
混合両攻撃
護衛適性
万能適性
トリオン・大
元・攻撃手
(回避系のスキル)
ユニットが所持しているスキルは主に「使用トリガー」「得意な戦術」「その人独自の特性」によって決まる。
そのためセットしていないトリガーに関連するスキルや明らかに関係ないスキルを上記から除外し、残ったスキルが以下の通りだ。
近接連携
弧月適性
護衛適性
辻󠄀ちゃんは上記の他にも味方を守っているシーンが非常に多く、護衛に入っている印象があるとも言及されている。
そのため、辻󠄀ちゃんのユニットは「護衛適性」を所持しているだろう。
そしてイコさんはボーダーでも上位の攻撃手であり、点取り能力が非常に高い。
つまりイコさんのユニットは点を取りやすくなる「近接連携」を所持しているだろう。
そして二人とも弧月を装備していてポイントはマスタークラス以上であるため、「弧月適性」も所持しているだろう。
他にあるとすれば辻󠄀ちゃんは「近接連携」、イコさんは「生駒旋空」関係のスキルを所持している可能性が高いだろう。
というより現状ではこれ以外の選択肢がない、という方が正しい。
したがってここから先の考察は
辻󠄀ちゃんが
弧月適性
護衛適性
(近接連携)
イコさんが
弧月適性
近接連携
(生駒旋空)
を所持しているとして考察を進める。
2-3.王子2番隊の基本戦術
前項で辻󠄀ちゃんとイコさんの所持スキルを考察できたため、ようやく王子2番隊の基本戦術を考えていこう。
まず結論から書いておく。
王子2番隊の基本戦術は「古寺6番隊」「諏訪7番隊」のハイブリッド戦術だ。
詳細を説明する前にまずは王子2番隊の戦闘シミュにおける特徴を二つ紹介しておく。
「走れる」
王子2番隊の一つ目の特徴は全員が走れるという点だ。
つまり、全員の行動力が多めに設定されているということが推測できる。
おそらく総行動力では全部隊トップクラスだろう。
すなわち、王子2番隊に逃げの戦術は通用しないということだ。
逆に言えば、王子2番隊が逃げの戦術を取ればどこにも捕まえられない。
「剣が使える」
もう一つの特徴は「全員が剣使い」という点だ。これは射程が短いとも言える。
王子2番隊の最長射程は王子とオビ=ニャンで、上記のシーンを見るにその数値は「7」程度だろう。おそらく全部隊の誰かには確実に射程で有利を取られている。
射程で有利を取られていると、自分たちの射程圏内に入るまで前進しないと五分の勝負ができない。
基本戦術考察
以上の2点を踏まえて王子2番隊の基本戦術を考えていこう。
射程負けしていて行動力に余裕がある王子2番隊の最も重要な行動は「前進」である。前進さえできればイコさんの「近接連携」で一方的な攻撃が続き、そのままゲームを終わらせられるだろう。
その「前進」で鍵になるのが辻󠄀ちゃんの「護衛適性」ではないだろうか。
豊富な行動力を使いつつ「防御力が1.5倍になるフルガード」+「上がり幅はわからないが防御力が増加する護衛」で前進できる辻󠄀ちゃんのユニットは、射程が短い編成においてこれ以上ない答えだろう。
攻撃を耐えきったら相手は次のターンに備える行動をするか、もう行動力が残っておらず完全に無防備である。そこへ余った行動力を使って攻撃すれば無料で相手を撃破できる。
そしてこの戦術が有効なことは古寺6番隊の三浦・木虎・奥寺と諏訪7番隊のオッサムが証明している。
さすがに上記のように上手く決まることは稀だろうが、この戦術の強力さは伝わったかと思う。
まとめると、王子2番隊の基本戦術は辻󠄀ちゃんの「護衛適性」とフルガードを楯に前進しつつ、王子とオビ=ニャンの射撃でイコさんの「近接連携」を発動させるというものだ。
この基本戦術をもとに、王子が「いろいろ考えてること」をいろいろ考えていこう。しかし、まだ細かい疑問点が残っているため、まずはそこを解消してから本題に進むことにしよう。
2-ex.「護衛」コマンドと連携スキルの仕様考察
コマンド「護衛」の仕様考察
早速だが上記のシーンに映り込んでいるこの「護衛」というコマンド、少し違和感がないだろうか。
「護衛」の意味をGoogleで検索すると「つきそって守ること。また、その人」とある。つまり、味方やその他の何かを守るためのコマンドと予想できる。
だが、ただ味方を守るだけならシールドをセットしつつ味方と一緒に移動させて「オート防御」に頼ればいいだけである。
さらに、味方が周囲にいない場合は何をするのかもいまいちわからない。何かこのコマンドだけの特性があるはずだ。
そこで注目したのが「追跡移動」である。
これは上記の通り「狙った相手を自動で追跡する」コマンドで、ユニットの動きが敵の行動によって変わる。
つまり、カトリーヌのようにすべて追跡移動を選択したユニットを護衛したい場合、どう動かせばいいかわからない。
同じ敵をターゲットにして追跡移動しても片方が攻撃を受けて足止めされれば分断され、行動力に差があっても途中で別れてしまう。
それを解決する説が「コマンドの『護衛』は追跡対象を敵から味方に変えた『追跡移動』なのではないか」というものだ。
この仕様ならば護衛したいユニットが途中で足止めされても、追跡移動で不規則な動きをされても確実に役目を果たせるというわけだ。(ついでにプログラムも半分になるためエンジニアが少し楽な思いをする)
まとめると、コマンドの「護衛」は「任意の味方を自動で追跡する」という仕様なら全ての問題を解決できるということだ。
連携スキル仕様考察
以上が連携スキルの仕様である。宇井の説明を聞く限り、近接連携と射撃連携の発動条件は全く同じだろう。
そして上記は射撃連携が発動するまでの流れだ。
てるてるのユニットに注目してほしい。一番最初のてるてるAの攻撃に対して、てるてるBの「射撃連携」が発動していない。てるてるBの攻撃に対しても同様だ。
そしてその後のみずかみんぐの攻撃に対しては発動している。
つまり、連携スキルの発動条件の「味方の誰か」とは別種のユニットであることがわかる。
「護衛」と「連携スキル」の詳しい仕様がわかったことで、ようやく王子の「いろいろ考えてる」ことを考察する材料が揃った。少し余談を挟んでからいよいよ本題に入ろう。
余談:辻󠄀ちゃんはなぜ王子の考えに賛同しないのか
このシーンからさらに別の疑問について考察していく。
辻󠄀ちゃんは試験の最初に王子から「賢さの面で助けてあげてね」と頼まれていて、王子の考えはわかったと発言しているにも関わらず、なぜ戦闘シミュに固執しているのだろうか。
先に筆者の結論から話しておくと、辻󠄀ちゃんは王子の考えを理解はしても納得はしていないからである。この理由について順を追って説明する。
王子の考え
まずは王子の考えを整理しよう。
王子の言う通り太刀川さんが閉鎖環境試験に参加していたとしたら、いい成績を収めることはないだろう。
遠征艇内でも頭脳労働があるにも関わらず太刀川さんが遠征部隊に選ばれ続けているのは、それを補って余りある戦闘能力のおかげである。
つまり王子の考えを要約すると「短所(=太刀川さんだと頭脳)があっても長所(=太刀川さんだと戦闘)で力を発揮すれば上層部は評価してくれる」ということだ。
そして先述した通り辻󠄀ちゃんはこの考えに対して「わかった」と発言している。
しかも事前に「賢さ」という辻󠄀ちゃんの長所で活躍してと王子からお願いされているのだ。
それにも関わらずなぜ辻󠄀ちゃんは戦闘シミュをどうにかしたいと思っているのだろうか。
辻󠄀ちゃんの考え
これから辻󠄀ちゃんの考えについて掘り下げていくが、まず前提として辻󠄀ちゃんは事前アンケートで少なくとも「チームでなら希望する」を選んでいるはずのため、この試験で手を抜く理由はないとする。
この前提を踏まえて辻󠄀ちゃんは今回の遠征選抜試験をどう捉えているかを考えよう。
遠征選抜試験に対する辻󠄀ちゃんの考えは上記の通りだ。
少し途切れて見えない部分もあるが、辻󠄀ちゃんにとって「遠征選抜試験」とは「苦手なこと・弱点を克服させる場」と考えているように見える。
つまり、「苦手なことがあっても得意なことでアピールすればいい」という王子の考えと真っ向から対立しているのだ。それもA級からその場で3点稼いだ意見を聞いてもブレないほどに辻󠄀ちゃんの意見は固まっている。
それはなぜなのか考えてみたところ、王子の考えに一つの例外が見つかった。
それが鳩原未来の存在だ。
ご存知の通り、辻󠄀ちゃんが所属する二宮隊は遠征部隊の合格を取り消された過去がある。
また、その理由は定かではないが「鳩原未来が人を撃てなかったから」とされている。
そう、ボーダー随一の能力を発揮していても、短所があると上層部は評価してくれなかったのだ。
この経験によって、辻󠄀ちゃんにとって「遠征選抜部隊」とは「苦手なこと・弱点があってはならないもの」になってしまったのではないだろうか。
要するに、王子の考えは「適性試験」や「データ収集の場」という観点で見ると正しいかもしれないが、「遠征選抜試験」という観点で見ると正しいとは言いづらいのだ。
上層部にも評価をしたい長所がある。そして辻󠄀ちゃんは身をもって知っている。
このことから、辻󠄀ちゃんは王子の考えを「わかった」と言いつつも納得できず苦手な戦闘シミュに固執しているのではないだろうか。という結論でこの余談は終了しよう。
余談も終わり、ここからが本記事の主題である。いよいよ王子のいろいろ考えてることに迫っていく。
3.王子のいろいろ考えてること
それでは王子のいろいろ考えてることをいろいろ考えていこう。
3-1.戦闘シミュ3日目の「ネタ」
ここまで引っ張っているためまずは本題から。
例の如く結論を先に述べる。
王子のいろいろ考えてることとは、
ドキドキシャッフルで近接連携祭り
である。詳細を説明しよう。
まず、王子2番隊が他の部隊と違うところは「全員が攻撃手運用できる」という部分である。
前項で近接連携は「別種のユニットの攻撃」にのみ反応する仕様だとわかった。
そして、この仕様を踏まえると戦闘シミュは連携スキル持ちユニットを軸に複数種のユニットを固めて動かすのが強いということが推測できる。
事実、みずかみんぐは「射撃連携」を持っているてるてるのユニットを軸に全ユニットを同時に動かして諏訪7番隊に圧勝した。
要は、王子2番隊の中に4つの『ミニ水上隊』を作ることができるということだ。他の部隊よりは複雑で正確な連携部隊が「4つ」組めるのだ。
王子の「いろいろ考えてる」ことはおそらくそれだけではない。近接連携のスキル仕様をもう一度よく読み返そう。
この仕様をよく読むと、自分のスキルを発動させる条件は「自分のブレードトリガーの射程範囲内」しか指定されていないのだ。メイン・サブどちらのブレードトリガーかは指定されていない。
そしてイコさんのユニットは「生駒旋空」を再現するスキルを所持していると前項で予想した。
その仕様は「旋空使用時、射程と攻撃が増加する」というようなものだろう。
つまり、「自分のブレードトリガーの射程範囲」を広げるということだ。
この仕様を利用して、イコさんのユニットのサブ側にも「弧月」と「旋空」を装備すればどうなるだろうか。
近接連携の射程が単純に2倍になるのではないだろうか。
要するに、他の「近接連携」持ちより射程範囲が4倍以上広くなるということだ。
さらに前には護衛適性持ち、後ろには弾トリガー持ちである。
かつ、コマンドの「護衛」の仕様が正しければ、辻󠄀ちゃんのユニットは「護衛」を連打しているだけで良い。操作も簡単だ。他のユニットで追跡移動も混ぜればもっと簡単になる。
この純粋に強くて複雑で正確な連携部隊が4ヵ所同時に攻撃してくるのだ。
もはや説明するまでもない強力さだろう。
ここまでの要素をまとめると、王子2番隊の戦闘シミュ3日目の「ネタ」は
操作するユニットをシャッフルし『ミニ水上隊』を4つ作る
イコさんのユニットのサブ側に「弧月」と「旋空」を装備し、近接連携を最大限活用する
以上の2点で、これがドキドキシャッフルで近接連携祭りである。
これで戦闘シミュの「ネタ」の予想は終了だが、これだけで遠征選抜試験を勝ち上がれるほどボーダーは甘くない。
さらに王子一彰が特別課題を担当している理由を考えたのち、上位部隊の対策も考えてみよう。
3-2.なぜ王子が特別課題を担当したのか
前述した通り、王子2番隊は全員のユニットの運用が同じなため、ハルニレ以外の誰が特別課題を担当しても問題がないはずだ。
いち早く抜けた理由に関しては上層部の裏の意図を読んだからだろう。
その中で誰でも良かったはずなのになぜ王子が抜けたのか、その理由について考える。
まずはもう一度「王子2番隊にとって致命的な展開」を確認する。
閉鎖環境試験有力チームに圧倒的大差をつけられて長時間戦闘試験でも追いつけなくなる
長時間戦闘試験有力チームに閉鎖環境試験で並ばれる、もしくは負ける
以上の2点である。
つまり、長時間戦闘試験有力チームには閉鎖環境試験で負けられないということだ。
長時間戦闘試験有力チームは当然戦闘シミュも強いだろう。
そこで重要になってくるのが「共通課題」「分担課題」「特別課題」の三つだ。
そして特別課題は配点が重く制限時間も短い。ここで差をつけることができれば一気に取り返すこともできる。
さらに王子は遠征選抜試験を「データ収集の場」であると予想した隊員の一人で、王子2番隊の中で特別課題が最も得意だと言っていいだろう。
つまり、王子が特別課題を担当することが最も長時間戦闘試験有力チームへの対抗策になるというわけだ。
それだけではない。王子が担当することで、まだ戦闘シミュに慣れていない隊員たちが練習する機会を増やすことにもなるのだ。
ちなみに上記のシーンを見返すと、王子のユニットは二人とも生存しているためすでに戦闘シミュをまるっと理解していることがわかる。
他にも王子以外の隊員が新しい発想で作戦を思いつく可能性もある。
王子の作戦以上に有効なものが見つかればそれを採用しない手はない。
まだまだある。王子が抜けてもハルニレ、イコさんと指揮をする隊員が残っているのも他の部隊とは違う点だろう。
加えてイコさんに指揮を任せるメリットが一つある。
イコさんの指揮はふざけているように見えて内容はまじめであるため辻󠄀ちゃんの不安が一つ消える。その状態で勝てれば完全に消えるのだ。
よって2日目も王子が特別課題を担当し、イコさんに指揮を任せることで辻󠄀ちゃんの不安を解消しようとしたのではないだろうか。
というわけで、王子が特別課題で抜ける選択肢がチームにとって最善なのだ。
理由をまとめておこう。
王子2番隊はハルニレ以外の誰が抜けても問題ない編成
王子が特別課題を担当することが「長時間戦闘試験有力チーム」への対抗策となる
戦闘シミュに慣れていない隊員が練習する機会を増やすことができる
新たな視点で作戦を思いつく可能性がある
王子が抜けても指揮ができる隊員がいる
イコさんに指揮を任せると辻󠄀ちゃんの不安が解消される(かもしれない)
これらの理由から王子は特別課題を担当したのだ。
3-3.上位部隊対策
前項で長時間戦闘試験有力チームは「王子が特別課題を担当することが対策になる」としたが、戦闘シミュについてもまだやれることがある。閉鎖環境試験有力チームへの対策とともに考えてみよう。
長時間戦闘試験有力チーム
長時間戦闘試験有力チームの二宮8番隊、歌川1番隊については「引き分け狙い」だと考えている。
歌川1番隊はそもそも1日目の成績で100点近く勝っているため、引き分けをとっていればよっぽどのことがない限り他の課題で勝ち切れるだろう。
二宮8番隊に関しては戦闘シミュで負けてしまうと二宮8番隊大幅有利になるが、引き分けをとれるとやや有利まで抑えられる。
さらに言うと二宮8番隊は上層部が「勝てない敵」として設定していることも考えられるため、無理に勝とうとする必要もないように感じる。
勝てない敵に対して「撤退」の戦術を選べることも評価されるべきだ。
加えて先述した通り、総行動力で勝る王子2番隊に逃げあいで勝てる相手はいない。引き分けを取ることは容易だろう。
来馬5番隊
来馬5番隊に関してはエースの相性が良い。イコさんのユニットを軸に動かして射程を活かしつつ連携を決めれば特に問題はないように感じる。
村上10番隊、古寺6番隊
かなり似たような編成だが、射程で負けているのがおそらく古寺6番隊は古寺のみ、村上10番隊は蔵内のみだと考えられるため、それぞれのユニットに注意しつつ他は射撃で牽制して前進したい。
水上9番隊
射程で完全に負けており、相手は「待ち」の姿勢を崩すことはないと思われるためかなり厳しい。
ただ、戦闘シミュ最初の2日を「自分だけでプレイした水上」と「自分以外にプレイさせた王子」がどのような結末を迎えるのか楽しみである。
ただの願望になってしまったが、そもそも基本戦術が強いチームであるため、オッキーの言うとおり連携がうまく決まればそのままどこにでも勝ち切れるだろう。
3-4.王子一彰が「いろいろ考えてる」こととは
最後にこれまでの内容をまとめよう。
王子がドラフトによって作った王子2番隊のコンセプトは「長時間戦闘試験重視」で、閉鎖環境試験では「閉鎖環境試験が得意なチーム」にできるだけ離されず、「長時間戦闘試験が得意なチーム」に勝つことを目的とする。
そこで重要になるのが「戦闘シミュレーション演習」で、王子が「いろいろ考えてる」内容も「戦闘シミュでどのようにして勝つか」だと予想できる。
そして王子が「いろいろ考えてる」内容は
『1人で連携を全部組む』部隊を4つ作り、近接連携を発動させて押し込む
というものだ。
終わりに
以上で王子一彰がいろいろ考えてることの考察を終了とする。
さて、ここまで読んでくださった方はうっすらお気づきかもしれないが、本記事は「王子一彰」という人間についてほとんど考察できていない。
ただ、北添もアンケートに書いているように王子は目の付け所が他の人と違う。
そう、王子一彰の考察など普通の人間にできるわけがないのだ。ここまで考察した内容はあくまで他の部隊でも出ている作戦を組み合わせただけに過ぎない。
「王子一彰」ならではの視点でいろいろ考え、今後の遠征選抜試験で大暴れする姿を心待ちにしている。
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