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なぜか相性の良いカメラNikonF-801
「使ってないフィルムカメラがあるんだけど…どうかな?…別に名機って訳ではないんだけど…」
「Nikon F-801」
大学2回生の秋、僕はひょんなことからこのカメラと出会った。高校時代の同級生から譲ってもらえることになったのだ。
当時、ニコンについて全く分からなかったためまずネットでスペックを調べた。
1988年発売のAF一眼レフフィルムカメラ、プラスチックのボディ、シャッタースピードはなんと8000分の1秒まで切れる。
鳥がどれだけ必死にバタつこうと、余裕で静止して見える速さだ。
ただ、そんな高性能機にも関わらず、プラスチックの外観ゆえにやや人気が劣るそうだ。
見た目はともかく、中身は決して悪くなさそうなので、1万円で買い取ることにした。
さて、そんなこんなで「801(ハチマルイチ)」を手に入れた僕だったが、当初は彼にそこまで期待していなかった。
気持ちの良いシャッター音とウィーーーンという不器用な電子音以外は、特筆して良い部分もなかったのだ。
完成品を見るまでは…
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なんか…良くない?
ファインダーで見たまんまの画が撮れていた。ピントも問題無く合っていた。
それもあんなに楽に。
フィルムカメラってこんなに使いやすいのかと舌を巻いた。
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ただ、残念なことに当時の僕は便利なデジタルカメラに惹かれていた。
この後、キヤノンのデジカメを2台所有しながら、気が向くと801を使った。
譲ってもらってから2年が経ったある日、801で撮った写真たちを眺めていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1702571322700-2pNF0WX2ws.jpg?width=1200)
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![](https://assets.st-note.com/img/1702571390485-mSSkNDvWtm.jpg)
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![](https://assets.st-note.com/img/1702571562007-htYd4EFATw.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1702571610987-99WQPeg1hU.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1702571633047-TULT1cvcKw.jpg?width=1200)
お気に入りの写真、801で撮ったものばかりじゃん。
それに、他の人から良いねって言われる写真も、801のものが多かった。
![](https://assets.st-note.com/img/1702572130114-NfgYmvuE7O.jpg?width=1200)
あなた、ひょっとして僕と相性良い?
当時はそれほど期待していなかったカメラだっただけに驚いた。
でも、なんでだろう?
そういえば、801で撮るときは集中力の入り具合と肩の力の抜け具合のバランスがちょうど良い気がする。
僕がフィルムを使う場面は、その性能の低さと1カット当たりのコストから、被写体に十分に光が当たった「絶好」のシーンに限っている。
よく言えば、シーンをきちんと吟味し、撮影に集中しているのだ。
マニュアルで露出を設定し、広々としたファインダーを見ながら、ヘリコイドを回してピントを合わせる。そして、カシャ。
この作業が本当に心地良い。ストレスがない。
これらは801以外のカメラでも体験できたかもしれないが、僕は彼と出会ったおかげで知ることができた。
例え「名機」でなくとも、フォトグラファーとの相性次第では名機にふさわしい関係性を築くことができる。
世間的に不人気?そんなことはどうでも良い。
このプラカメは僕にとっての100%だ。