記憶のインデックス
んぁぁ、思い出せないなぁぁ。
記憶
過去に自分(自分たち)が得た情報たちのことだ。我々は記憶をもとに生きている。僕が手で水をすくって飲めるのは、それが冷たくて、しっとりとしてて、手で操れる程度の硬さで、割とおいしいことをどこかで知り、水を記憶しているからだ。
水のように、今までもこれからもしつこく触れるものなら記憶を失うことはない。しかし、一度しか会えていない人の顔や昔住んでた場所の匂いなど、情報が少なかったり古かったりするのを取り出すのは非常に難しい。
脳ミソのどこかしらには眠っているはずなのに。こういう類の記憶は、何かきっかけになる情報を泳がせないとなかなか取り出せない。
こんな経験はないだろうか。
たまたま立ち寄った食堂でカレーを食べたら高校の昼休みを思い出した!とか。たまたま通りすがった人の匂いで昔会った人を思い出した!とか。
写真もその一つだ。小学校のことを思い出すのは難しいけど、写真アルバムを見たのをきっかけに思い出したなんてこと、ありませんか?
ただ、現代は写真や動画が溢れすぎている。目の前の情報に集中しなくても、膨大な写真や動画がすぐに記憶を起こしてくれる。ありがたいんだけど、脳ミソの「集中力」の能が落ちている。
もっと丁寧に丁寧に観察して情報を取り込まないと、脳ミソの記憶力が衰えてしまう。能力がどんどん写真に吸い取られてしまう。
そう。一度だけ会った人。よく見たはずなのに、なかなか顔が思い出せないのだ。
あー、よく観察しろ自分!
写真はあくまで記憶のインデックスにすぎんのだ。本当に頼りになるのは自分の脳ミソなんだぞ!