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湘南は冬がベストシーズンです

澄んだ青空の下、相模湾の青黒い波が押し寄せる。そのコンパスで描いたような曲線に江ノ島の弁天様が飛び出している。島の向こうからは、フタコブラクダの親子の箱根山、そして雪化粧をした富士山がこちらを見ている。

逗子・披露山より

なんと風光明媚な海岸だろうか。

以前は、湘南に対して苦手意識を持っていた。
「湘南」は言わずと知れた人気の観光地である。地名のブランド力もあり、自動車のナンバープレートでも「湘南」ナンバーは全国でも5本の指に入るほどだ。

一方で、人気の観光地というのは、地域ブランドを誇大的に掲げる節がある。外部の人間にも分かりやすく伝わるよう、地域のオリジナリティを見出して他の地域と差別化をする。私が学生時代を過ごした京都市もその例外ではなく、古い「京町家」の街並みを演出し、京都が「京都」を演じているような地域もあった。
そして、何より人が多い。小さな禅寺に何台もの大型バスが押し寄せる光景はもううんざりだった。

捻くれ者の私は、「『湘南』もどうせ同じだろう」と決めつけ、食わず嫌いをしていた。

でも、日本各地の観光地と呼ばれる場所に足を運んでいるうちに、すべての観光地がそうではないことが分かってきた。現に京都ではステレオタイプの「京都」を演じている場所とそれとはやや異なる側面をいくつも見てきた。

先入観を取っ払って現地へ訪れる。自分がどう思ったかを大事にする。これは初めてのnote投稿でも触れた私のポリシーでもある。

もしかして、「湘南」も同じなのでは…?先入観を持って見ているのは私の方ではないのか。

人の波も落ち着いた冬の日に、湘南を訪れた。

なんだ、ただの景色の良い穏やかな海辺じゃん。

何より冬という季節が良い。空気が澄んで遠くの街まで見渡せる。穏やかな浜辺に緑豊かな丘、無骨な岩たち。そこに所狭しと住むニンゲンたち。

寒かろうと海に入るサーファー、砂浜で走り込む高校生たち、そのそばで踊るマダムたち。散歩しているワンチャンに、彼とどこか雰囲気の似ている飼い主とおぼしきおっちゃん。

冬の湘南、たまらないな。意外にもベストシーズンではないか。

今後も先入観に捉われずに、自分の視点を大切にしながら、湘南を訪れていきたい。

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撮影地:鎌倉市、逗子市、葉山町、三浦市
カメラ:SIGMAfp, NikonD200
レンズ:AiAFNikkor50mmF/1.4D, AiMicroNikkor105mmF/2.8S

P.S. 国府津〜大磯〜平塚近辺とか歩きたいなぁ…。

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