指す将順位戦6th 1回戦 vsひっささん 自戦記
春はあけぼの。夏は夜。
夏に傾きつつある季節の中、夜更けも早く日の入りも遅いこの頃をいかがお過ごしでしょうか。
今回は指す将順位戦の自戦記を書いていきたいと思っております。
自戦記はね、ふざけないで真面目に書いていくんだよ。
棋譜はこちらから。見ながら追っていくと面白いかもしれませんね。
https://shogi.io/kifus/249305
対局するに向けて
指す将順位戦開幕局。過去3年は全て黒星スタートとなっており、そのジンクスを破りたいと思っていた。
加えてA1を3期連続で残留しているように、A1のメンツも崩したくないとも思っていた。
順位戦B級1組が鬼の住処と言われているように、その役割を果たしたいと考えていた。
しかし、自身のレートは参加者中最下位。
他の方が1900後半~2200まである中で1人だけ1800台。
勝つためには、何かをしなければ勝てないと踏んでいた。
とはいえ去年まで事前準備を全くやって来なかった為、どのように準備すれば良いか分からず…。
結局、対戦相手の情報は全く入れずに道場で対局をして感覚を取り戻すだけに落ち着いた。
対局開始
時刻は17:00。対局開始時刻。
今だから言えることだが、毎期開幕局の開始前は吐き気に苛まれている。
それほどの緊張感を持ってパソコンの前に向かった。
初手▲26歩。後手番で指す将順位戦6thが始まったのである。
居飛車対振り飛車のほぼ基本構想の形でスタート。
ここで指す手が悩ましく手が止まる。
△同歩▲同角で形を決めて手番を貰うのかそれとも変化の余地を与えるのか。
普段ならノータイムで△同歩を選択していたはずだが、開幕局のプレッシャーか2分程考えて△14歩とした。
端攻めの選択である。
これが悠長と言われればそうであろう。
しかし変化の余地を与えることで、相手に時間を使わせたいという意識、方針を分かりやすくするための△14歩を選択した。
端攻めの可否
端の交換でポイントをあげた…気がしている。
確実に端を破れる形になり、少し優勢を意識した。とはいえ、相手玉に迫る形も難しく相手の攻めを受け流す形を目指していた。
着実に優勢を築く
相手の左桂の攻めを上手くいなしつつ角交換を行い△44角。
ここではっきりと優勢を意識した。
相手からの攻めである▲44歩~▲54歩を消す角打ち+飛香両取りで先手を取れる一手。
加えて上記を受けると飛車を動かせなくなる形になり、加えて桂取りも残っており駒得は確実な形となった。
そしてなにより時間差が約10分付いており、自身の消費時間も6分と、中終盤に不安を抱えている自分にとってはまだセーフティな時間配分であった。
魔の一手
手は進みに進み、この局面。
端の突破を確定的なものにし、相手の持ち駒はなし。加えて受けながら攻めに使える△51香の存在。
確実な優勢である。
当初描いていた通りの受けきりを実現し着実に勝ちへ一歩一歩前進していた。
しかしここで待っていたのが落とし穴であった。
時間も残り1分を切り、持ち駒には小駒のみ。
時間もなく、受け間違えたくないという意識。
小駒で手を作るのは苦にしていなかった自身の経験も含めここで△85桂と攻め合いを選択したのだが…これが魔に魅入られた大悪手。
▲86歩と突かれて大パニックを起こしてしまった。
この一手が+1300近い盤面から-276と大ブレーキの一手。
とはいえまだ-276なわけなので焦る必要は無かったのだが…時間のなさ、角の働きの悪さも含め焦りに焦り
勝利という山の頂上付近から奈落の底へ真っ逆さまに転げ落ちるのであった。
ネット対局ゆえの…
とはいえ逆転負けも逆転勝ちも何度もしてきた経験をいかし、相手の緩手を咎め最後の勝負局面に。
ここで第一感として考えていたのが△28龍~△24角の手順。
歩切れも相まって角の覗きがうるさいだろうとの判断であった。
それを△79銀などの拠点を作ってから行うか、もしくは別の手段で追っていくか。
10秒…20秒。刻々と時間は過ぎていく。
40秒…50秒。△79銀を打つ為に持ち駒の銀を選択する。
55秒…57秒。ここで△46歩と打ち、相手の逃げ場所を塞いでおく手を見つけた。
しかし残り時間は2秒。時間切れを恐れて△79銀を着手したのだが、これが完全な敗着。
ネット将棋じゃなければ持ち替えれたかもしれない。ただこれはネット将棋である。
△46歩が浮かばない時点でもう負けていたのだ。最後の勝負手が放てなかった。
この自戦記を書いている中で
△46歩を指していたらどうなっていただろうか。
と頭をよぎる。しかし勝負の世界。
たら、れば。は存在しない。
あるのは打てなかった事実と打つことが出来なかった自分の弱さだけである。
終局
見事に最後は即詰みに討ち取られ、負けてしまった。
A級1組。またしても黒星発進となった。
レートが低いから負けてもいいのか。
そんな訳はない。レートなんて飾りであり、あるのは勝ったか負けたかだけである。
勝敗を分けたのは、敗勢になっても諦めないひっささんの強さであった。
敗着を引き摺った自身の弱さでもあった。
次回は2回戦 vsNZさん戦。
第三期では同じA1を戦った仲であり、その時は4-7と奮われなかったが実力者。
初手合いとはいえ、今から緊張しております。
(第三期の参加者がめちゃんこ多くて懐かしさを感じたのは内緒)
次回も気合を入れて。昇級に向けて負けられない一戦。
頑張ります。
暑さが益々増した6月から、皆さんへ。
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