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あいなご物産展と次の時代に向けた地域商社的存在へのムーブ

運営するローカルメディア「IDENTITY名古屋」で東海3県のお取り寄せグルメを販売するECサイト「あいなご物産展」をはじめました。

世界がどんなに変わろうとも、おいしいものを食べる幸せは忘れないでいたい。そんな願いを込めて、東海エリアで人気のお取り寄せグルメを、ぎゅっと集めました。(中略)
あいなご物産展は、だれかの「とっておき」と、あなたの食卓を結ぶ場所。

このリード文にもあるとおり、僕らの「とっておき」を詰め込みました。飲食店の皆さんへの応援の気持ちもこめて、費用はいただいていません。この街に、思わず紹介したくなる「とっておき」といえるお店があるからこそ、僕らメディアは存在できます。その恩返しの想いもこめて企画しました。

以前、ライターのカツセさんに企画を協力してもらって地元目線で名古屋の紹介記事をだしたように、僕らは「名古屋の観光メディア」ではなく「ナゴヤ(*1)の人のメディア」というスタンス。名古屋めしみたいなわかりやすいラベルはなくても、この街に住む僕らが推せるIDENTITY名古屋らしい商品を揃えました。

(ちなみにこの記事は1日で6万PV以上。ありがたや)

そろそろ自炊も増えて、毎日の食事を考えるのにも疲れてきた頃だと思います。どれも本当に美味しい地元のお店なので、ぜひお試しください。
出展店舗は今後も続々と増えるので、どうぞお楽しみに。

地域商社という在り方について

さて、この企画をはじめるにあたって僕らの会社の在り方について少し考えました。

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僕たちIDENTITYという会社はメディアブランドを軸としたプロジェクト毎にチームが分かれていて、それぞれが半独立型のモデルをとっています。

僕自身は神奈川出身なんですが、現在は岐阜・名古屋を拠点に活動しているのでヨソ者の視点から多くの学びが得られます。
そうして気づいた「もっとよくできそうだぞ」という地域の資源に目を向けてWebメディアを中心としたブランドをつくり、事業を運営してきました。

・地域に根付いた経済→IDENTITY名古屋
(地方によくあるローカルフリーペーパーや雑誌のリモデル)

・陶器産業→cocorone
(うつわを魅力的に紹介するにはどうしたらいいか、という発想からインスタメディアを立ち上げ)

そうしてメディアを運営して得た知見やリソース(事業アセット)を元にパッケージ化して、法人向けに提供するtoBのスタジオ事業。読者をはじめとするユーザーコミュニティとの対話からニーズを探って商品を開発・販売するtoCのメディア事業、という2つの事業で収益を立てています。

地域の産業を起点として商売をしているので、やはり地元に還元(投資)していきたい。そうした地域商社(的な振る舞い)をベースの考え方において会社を経営しています。

そもそも、地域商社とは何か。詳しくはおググりいただきたいのですが、要は特定地域の農作物や工業品をブランド化して外貨(地域外のお金)を獲得、その地域経済へと還元する事業体のこと。*下図参考

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1→10なのか0→1なのかはさておき、要は地域に新しい仕事をつくる存在です。

これは個人的な感覚なんですが、東京で仕事をつくるよりも地域で仕事をつくりだす方がよっぽど難しい。
細かい話は割愛しますが、地元の企業や行政からお金をもらって事業を立ち上げるよりも、域外で稼いできたお金で地元企業と新しい事業をつくる方が早いし効果的に投資もできる、というのが僕たちの考え方です。

そうして動いたこの1年ほどで、岐阜県東白川村の新世紀工房さんと取り組んでいる「美濃加茂茶舗」(20年4月に株式会社茶淹として独立)、同じく岐阜県の多治見にある丸朝製陶所さんと「きほんのうつわ」というブランドを立ち上げました。

まだまだ事業規模が小さく、地域経済に貢献できているとは到底いえないレベルですが、なんとか形にできるよう頑張ってます。

ポストコロナ時代によせて

フルリモート組織なので働き方そのものは変わらないのですが、それでも多くの人と同じように、僕らの環境もコロナ禍で大きく変わりそうです。予定していた仕事や計画の大半は止まり、少し前の1年分ぐらいの売上が1ヶ月半でなくなりました。
それ自体はまぁどうでもいいんですが、お陰で立ち止まって考える余裕も生まれました。

リモートワークの普及により東京ではオフィスの解約が進んでいると言うけれど、その人たちが地方に移住するかといえば、そう簡単にはいかないかもしれない。ただ、特定の地域にいながら域外の仕事を獲得することの可能性はグッと広がったと感じています。

コロナにより強制的にデジタルシフトされた世界では、人々のITスキルも劇的にあがり働き方や消費の在り方が変わりました。これからは選択肢における地理的条件の優先度は格段に下がるはず。
仮に消費側は一時的に回帰したとしても、今までリアルに依存していた小売・メーカーとしてはリスクが大きすぎて今まで通りとはいかない。
そしてそれは個人店や中小企業にとっても同じこと。しかし、STORESやBASEのように便利なサービスがでてきても、まだまだデジタルに転換できてない業務フローは山ほどあり、そこに予算や時間を割く余裕もないのが現状です。

まずはその1つ1つに地域のプレイヤーとして向き合うこと。そしてBeforeコロナの頃から、デジタルで域外の仕事を獲得してきた知見やスキルを余すことなく地域に還元すること。それがいま僕らのできることなのかな、と考えています。

どうやら地域の産業の多くが地域商社的な振る舞いをしないと生き残れない時代になりそうです。そこをリードしながら地域経済の総和をあげる存在になりたいな、と考える今日この頃。
その1歩として立ち上げたのが「あいなご物産展」です。

他にもいくつか考えていることや動いていることがあるので、それは結果がでてきたらそのうち書くかも。
本当はなぜこれから地域商社的な振る舞いがより重要になるのかっていう話をメインに書きたかったんだけど、エビデンスとか色々調べてたら面倒くさくなっちゃった。

つづきは世の中が落ち着いときにでも三密しながら話しましょう。

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ikari
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