私は消滅していたかもしれない。銭湯がなければ。
半年ほど前に遡る。
私は精神的にも身体的にも死んだ。
一気に人生のスピードが加速しすぎて、自分でも何が起きているかわからないほど頭がおかしくなった。
去年6月に普通のOLからよくわからない西成女芸人になり、夢だったライターの連載の仕事ももらえた。初めて書いた連載の記事はYahoo!トップにも載った。並行してYouTubeもやっていたが、記事を出すたびに登録者がみるみる増えた。
まず、「西成」という題材を扱うというということは、何かしら批判はあるだろうと、覚悟していた。
にも、関わらず自分はそれを受け止めきれなかった。
自分のブログやTwitter、Yahoo!のコメント欄に来る「死ね」「探して殺してやる」という言葉が並んだ。
冷静に考えたら居場所も明かしていないのに、殺されるわけない。
目の前のことをこなすことに必死でガムシャラで余裕のなかった私には、冗談に思えなかった。
私は不特定多数の批判に耐えられるだけの車体を持っていなかった。
そして、やろうとしていることが多すぎて、軽自動車のくせに、戦車並みのエンジンを積んでフル稼動しようとしていた。
メンタルはもともと強くない、身体もそこまで。
それじゃあ、壊れるのも目に見えていた。
そして、その状況を見た両親も劇高した。
娘が「死ね」って言われている状況、耐えられないだろう。
しかもそれが一般的にはイメージの悪い「西成」なのだから、なおさらだ。
自分のやりたいことを優先して何者かになろうとした結果、私は破滅した。
破滅オブ破滅
それからというものの不眠が続いたり、寝れたとしても朝布団から動けなくなった。
朝起きてすぐは、自分の身体に乗っている大量の「鉛」のようなものをどける作業に追われることになった。
目がさめる。全身が布団に吸いつけられるように重く、憂鬱な気分が襲って来る。自分の上に乗っている「鉛」の正体が最初はわからなかった。
ただただしんどくて、でもこの状況をわかってくれる人も居なくて、世界の人全員が敵のように思えた。
人に攻撃的になってしまい、この訳のわからない感情をぶつけたこともある。
心療内科に行っても、うまく説明できない。
「とりあえず」のお薬が出されるだけであった。飲んでも、一時的には楽になった"ような"気分だったけど、またすぐに落ち込んだ。
なんで、わかってくれない!
あのとき、他の人がなんでああしてくれなかったんだ!
私は、自分の負の感情と対話し続けることしかできず、楽しいことが全く考えられなくなってしまった。
あと、ずっと蕁麻疹止まらなかったり、体調も安定しなかった。
そんなどん底の時期に出会ったのが「銭湯」だった。
きっかけは・・・
銭湯に通い出したきっかけは、住んでいた西成のシェアハウスの風呂が壊れたことだった。
シャワーからぬるま湯は出るが、さすがにこりゃ厳しいと思い、銭湯に行った。
西成は日雇い労働者の街という背景から、銭湯が非常に多い。
最初は、「風呂なしはきついしな〜」としゃあなしで行ってみた。
銭湯なめてた。
こんな娯楽が身近にあるなら早くくればよかった。
ひとっぷろ浴びた後、私は今までなぜ銭湯に来なかったのかを悔いた。
銭湯のいいところ①ワンコインで様々な種類の風呂が楽しめる
ワンコインで以下(大阪だと440円)で、テーマパーク感がある。
ブクブクの気泡風呂に子どもみたいにきゃっきゃ言ってみたり
狭い天井の隙間から、都会の空を見上げながら露天風呂を楽しんだり
そして、電気風呂とかプレイのようなアトラクションもある←
銭湯のいいところ②気分は修行僧
私、銭湯に行くと必ず交互浴(水風呂と熱いお湯のお風呂を交互に入ること)するのですが、
水風呂の時に寿命が縮まりそうな感覚があるのですね。
「ア゛ァ〜〜〜〜〜〜〜寒い〜〜〜〜〜〜(震え上がる)」みたいな。
でも、それを乗り越え水風呂に浸かってみると、水に感じなくなってなるんですよね。感覚を徐々にバグらせ、雑念を吹っ飛ばすみたいな。その過程が非常に楽しい。
銭湯のいいところ③番台のおっちゃんおばちゃんに癒される
番台に立ってる人って、大抵年配の方が多いじゃないですか?
みなさん、すごく「可愛い」のですよね。
こちらが1000円出しても、すぐお釣りの560円が返せるように、あらかじめ硬貨をセットして置いてある、あの何気ない配慮とかがたまらんのです。
銭湯から出る時に「おやすみ〜湯冷め気をつけなはれや〜」って声をかけてくれたり、優しい方が多くほっこりしますよね。そんな所に超癒される。
銭湯のいいところ④あらゆる社会からデトックスができる
人間関係、仕事、SNS。。。あらゆる社会から無理やり隔離をしてくれます。
特に、私なんでも気にする人類なので、SNSを見て、何気ないネガティブにいちいち落ち込んで、自分で自分の感情を谷に突き落としてしまうのですよね。(すごくよくないと自分でもわかっております。。。)
そんなしがらみからも、銭湯は隔離してくれます。
銭湯って嫌でも、デジタルデトックスしないといけないですからね。。。(家風呂とかだったら、風呂にスマホを持ち込んで永遠と触ってしまうしw)
銭湯で心と身体を整えていきましょう
今、私は西成には住んでいないが、週2は銭湯に通っている。
正直、まだ「鉛」はたまに襲いかかって来る。
けど、前に比べたら重さはかなり軽くなってきた。
「鉛」の正体、なかなか直接言葉では言い表しづらいが、私の言うことをだんだん聞いてきてくれている気がする。
もうすぐ、この鉛を暗闇のトンネルから全部外に運び出すことに成功しそうだ。破滅の出口はもうすぐらしい。
まだまだ、安定はしないが、前よりは平穏な日常を送れていると思う。
不眠も改善しつつあるし、肌ツヤもよくなってきている。
それも銭湯が定期的に「整えて」くれるおかげだと思っている。
癒しがない疲れた人類よ、銭湯を信じて行こう!
私は「人間」とか変化するものより
その場所に行けば裏切らずに存在してくれている「銭湯」を信仰するっていうのも一つの精神安定法なのかなって思いました。
銭湯は裏切らない。
銭湯、ほんといいよ。銭湯。
社会しんどいとか、人間関係しんどいとか言ってる人。
銭湯教(狂)に入水(信)しようぜ!
ってことで、こんな重いような?文章で始まりましたが、
とにかく私は「銭湯はいいよ!」ということを単純に伝えたいだけである。
おしまい。
少しでもあなたの心に響いたら嬉しいです🌼