きみつ 港南中央のかあちゃん
勤務先の近くに「きみつ」という個人経営の居酒屋がある
港南中央の「かあちゃん」「おかあさん」と呼ばれる店主がひとりで切り盛りしているお店である
仕事で疲れている自分達をいつも元気に迎えてくれる知る人ぞ知る「港南中央の名物かあちゃん」が経営している
現在勤務している会社に転職して10年以上が経った
それなりに人が入れ替わった。。。
仲良くしてくれる先輩が退社。。。
自分よりあとに入社して、自分より先に辞めていく人も見送った
「ひとりで飲みに行くのもなんだしな・・」
社内の仲良い人物が辞めてしまってから
自分は「きみつ」から足が遠ざかっていた
最後に「きみつ」へ行ったのは3年半前、グループ会社の後輩男性が退職する際に2人で飲みに行ったきり…
きみつに行かなくなっても
仕事が終わってタイムカードを打った後に「きみつ」の前を通りかかる
「のれん」「看板」「ちょうちん」が出てるのをみて「おかあさん頑張ってるんだな」なんて思いながら帰宅していた
しかし、いつからか「のれん」「看板」「ちょうちん」が出ていない日が続いていた
店の明かりはついているから中に人はいるんだろうけど・・・
「おかあさん、大丈夫なのかな?」
営業していない「きみつ」の前を通り過ぎる日々が続いた
そんなある日の事、というか一昨日w
2024年11月7日(木)
「きみつ」の「のれん」と「看板」「ちょうちん 」が出ていた
「おおっ!」
小生は久しぶりにきみつを訪れた
ガラス戸を開ける、、、
店内にはちょこんとおかあさんが座っていた
お客さんは誰もいなかった
「ひとりなんですけど、吞んでっていいですか?」
おかあさんは席を案内してくれた
特徴的なパーマのかかった黒髪は真っ白になっていた
どことなく細く華奢になっている感じがした
「のれんと看板が出ててから、嬉しくなって久々に来てみたんです」
お通しと瓶ビールを頂きながら、かあちゃんに話しかける
かあちゃんは色々と話をしてくれた
8月5日に倒れてしまって、そこからお店を休んでいた
でも治療を重ねていくうちに少しづつ体が動くようになり、
周囲の勧めもあって営業を再開
一昨日からお店を開けているそうだ
お店を始めてから46年が経っていて、かあちゃんは86才になったそうだ
注文した「ニラ玉」が届く
かあちゃんの料理の腕は折り紙付き
相変わらず美味い
「メチャメチャ美味しいっす!!」
感想を伝えると、かあちゃんは自分に「ありがとう」を連呼してくれた
「いやいや、こちらこそ感謝です。会社の人達と何度もきみつで飲んでるし、何より、、、おかあさんがまたお店を開けてくれて本当に嬉しいっす!」
かあちゃんは目に涙をうかべているように見えた
しかし、その5分前、、、、
実は
小生は
お店の片隅で涙を大量に流していたwww
かあちゃんが作ってくれた「おとおし」「ニラ玉」とんでもなく美味い
回復してくれなかったらもう食べれてなかったかもしれない
かあちゃん86才、、、
またこうしてかあちゃんの料理を食べて、お話出来た喜びを感じていたら涙が流れていたのだ
(泣いている事を気づかれないように下を向いてニラ玉食べてました)
メニューが書かれたホワイトボード
以前より品数は半分以下に減っている
まずは出来る範囲で色々思い出しながら料理をつくっているかあちゃん
物価高騰の時代なのに、、、価格が安い(TnT)
品数は減っても
かあちゃんの得意料理はまだまだ健在で、お客さん想いな価格は変わっていなかった
全然値上げしてくれていいのに、、(TnT)
営業時間は以前より短くなった
無理のない範囲でかあちゃんは頑張っている
かあちゃんは常連客との再会を楽しみにしていると言っていた
かあちゃんが特に再会したがっている常連客2名は弊社の社員
「明日、きみつが営業再開してることを伝えてみます」
最後はかあちゃんと握手して店を出た
いつも通る道路から見えるお店
漏れてくる店内の明かり
のれん・看板・ちょうちん
ガラス戸越しに聞こえてくる話し声
当たり前の様で当たり前ではない
病気に打ち勝った「港南中央のかあちゃん」がちょうちんの明かりを灯して
港南中央のみんなを待っているのだ