GND浮き(アース浮き)正しく理解しましょう
GND(グランド)浮き、アース浮き。
これを間違って理解している・・・は、言い過ぎかもしれませんが、本質を理解していない人が多い気がします。
GND浮きを端的に説明すれば、GNDの電位が本来の0Vからその名の通り浮いている事です。原因は断線や接触不良だけではありません。
「測定の結果、GND部の抵抗は0Ωで問題なし! 接触不良や断線はありません。よってGND浮きの原因は不明です」では話になりません。
GND浮きの原因は、主に二つあります。
1、GNDの断線や接触不良
2、GND配線のスペック不足
1は説明するまでもないので省きます。これは私に言わせればGND浮きではありません。そのまんま「断線・接触不良」です。 だって、わざわざ「GND浮き」なんて言わなくても、断線・接触不良の方がわかり易いですから。
そして、本当の(?)GND浮きは2です。
これは、電流の「大きさ」や「変化」に対して配線の能力が足りない事を意味します。 電流値に対して配線が細すぎたり長すぎたりすると、配線抵抗が無視できず電圧降下が発生します。この分がGND浮きになります。
電流変化に対して適切な配線長でない場合は、配線の寄生インダクタンスが効いて電圧降下(V=L×Δi/Δt)が発生します。(これが発生するシチュエーションの一つとしては、電源ON時にバックアップコンデンサを貫通する突入電流があります)
注意すべきは、定常状態ではGND浮きは発生しないのです。
何か急激な変化が発生した瞬間だけ発生するのです。
GND浮きとは、前述の二つの原因つまり、GND配線の物理的な接触(ネジやボルト、はんだ等)の問題と、電気的な性能のマッチング不良の問題があるのです。
では、GND浮きが発生すると何が起きるか・・・。
言うまでもなく誤作動が発生します。これも説明の必要はないと思います。
(但し、外部とのインターフェースが無く、単一系内で一点GND回路であれば、GND浮きが発生しても誤作動など起こりません)
更にGND浮き(主に断線)が原因で発生するもう一つの事、
それは素子(IC)の破壊です。
例えば、電源ICのGNDが断線すると、入力の高電圧が降圧されずにそのまま出力に出てくる為、それを受けているマイコン等のICが破壊するのです。
(耐圧にも依るので、必ず破壊するわけではありません)
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