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スイッチング ロスは何故いけないのか

スイッチングロスとは、ON→OFF、OFF→ONに遷移する時に発生するロス(損失)です。 そして、ここで言うスイッチングとは、手動で操作するようなスイッチではなく、スイッチング電源やインバータ等の制御で行われる高速スイッチングを指します。

このロスをなぜ問題視するのかといえば、スイッチは本来、負荷であってはならないからです。(まあ、負荷もロスがあったら問題ですが・・・)

負荷というのは、電気エネルギーを得て仕事をする機構の事です。
リレー、ランプ、ヒーター等、これらはエネルギーを、磁気、光、熱に変換して仕事をします。 それに対し、スイッチは配線の一部ですので、そこで電力を消費してはいけないのです。

スイッチは切り替える動作(駆動)にエネルギーを使いますが、この場合のスイッチングはリレーではなく、半導体スイッチを使っているので微少で済みます。

問題は、イッチングの駆動損失ではなく、大電流が流れる部分の損失です。MOSFETで例えると、ゲートのオンオフの損失ではなく、ドレインーソース間の損失です。 ロスが発生するメカニズムはここを見てください。
この資料はトランジスタのハーフオンに関してですが、ロスが発生するメカニズムは全く同じです。


そもそもスイッチング方式は、効率が良いから普及したのです。
その一例の、スイッチング電源、インバータは、いずれも昔のリニア制御方式の
機器に比べ飛躍的に電力効率を上げました(=損失を少なくしました)。

ですので、今、スイッチングロスを削減しようとしているのは、更なる改善を追求している事を意味するのです。

スイッチがONとOFFの間の状態にあると、電力を浪費します。
なのでON、OFFしか使わない(中間領域を使わない)スイッチング方式を開発し効率を上げました。 しかし、ON→OFF(OFF→ON)への移行時間は0にはできません。わずかであっても、中間領域を通過するのです。
その時に発生する浪費が問題になります。

照明スイッチのようなものであれば、スイッチング頻度が低いのでロスなど問題になりませんが、スイッチング電源やインバータは高周波、即ち時間あたりのON/OFF回数が比べものにならないほど多いので、中間領域になる回数(=時間)が多くなりロスを無視できないのです。

以上が、スイッチングロスに関しての概要および課題です。

スイッチングロス削減の手段は、基本的には、スイッチング速度を速くしたり、ON抵抗を低くする事です。 

また、スイッチングロスによって過度な発熱があると、冷却の為の機構、例えば冷却フィン(ヒートシンク)や場合によっては、空冷(ファン)や水冷も必要になります。
(※文中、「ロス」「浪費」「損失」とバラバラに使ってますが、意図して使い分けてる訳ではなく、全て同じ意味です)


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