
5日目| 『あつい!うまい!ほっかいどう旅』
美味しい有珠山、不思議な函館
忘れもしない。
この日はそう、辛かった…。

◯天気も体調も微妙な5日目。
有珠山に登った後、
函館へ渡る北海道旅行5日目。
明日、東京に帰るのが信じられない。
食堂で朝直、オムレツやパン、
デザートにメロンなどを食べながら、
旅の終わりを痛感し、
寂しさをひしひしと感じた。
そんな烏賊の気持ちに共感する様に、
天気は若干崩れ気味。
未明に雨が降ったらしく、駐車場には
水たまりができていた。
烏賊たちは洞爺湖観光へ繰り出したのだった。
◯この日の気温
約23度
検索先:tenki.jp
◯有珠山カフェグルメと悲劇。
洞爺湖の近くに、有名な山々がある。
現在でも活動を確認できる火山、
有珠山と昭和新山だ。
昭和に噴火活動で麦畑が隆起してできたから、
昭和新山。
アイヌ語で入江の意味を持つ''ウㇲ''から
由来したのが有珠山。※Wiki調べ
有珠山は麓から山頂までロープウェイに
乗っていける。
ロープウェーからも確認できる、
岩や土がむき出しの荒々しい山肌は、
たくましい自然のエネルギーを感じる一方、
なんだか少し怖さもあった。
悠々と着いた山頂は風が強く、
うっかりすれば帽子が飛ばされてしまうほど。
そんな頂からは、本来麓の町まで一望できるが
今日はあいにくの曇天。
絶景は見られなかったが、代わりに雲海のような景色を見ることができた。
少し雨に降られながら、山頂に作られた
テラスエリアに座ってカフェグルメをいただく。
軽食と、リンゴを扱った濃厚で甘いスイーツが
多いそれらはおいしかった。
特に、もこもこしたフォルムの
りんごソフトクリームは、
思った以上にフレッシュな、
果実をまるかじりしたような
りんごの味であった。

ここまでは実に良かった。
問題は下山後に起こった。
洞爺湖駅から函館駅までの特急電車移動中、
ひどく具合が悪くなった。
薬を飲んでも全く効かない。ツボも効かない。
その上、痛みで寝ることもできず、
到着までの2時間ずっと瀕死の状態であった。
函館のホテルに着く頃には、
すっかり心身ともに疲れ果ててしまった。
しおしお。
そんな効果音が今の烏賊に似合う。
正直動く元気はあまりない。
…のだが、そんな中でも、
食べ物はおいしいのだ。
◯坂の途中のパン屋、坂の上のピロシキ
南部坂道半ばにある、
パンで有名なお店でランチをとる。
パン2種とサラダ、スープのセットを注文。
柔らかで香ばしい厚い食パンと
滑らかなコーンスープに、
痛みで固くなった心がほぐれる。
家族と仲間たちには悪いと思ったけれど、
ランチの時間を長めにしてもらえて、
ゆったりと過ごせた。
体力も少し戻り、大変助かった時間だ。
パン屋からさらに坂を登った先に、
ロシア料理屋があり、ピロシキが売られている。
ピロシキ…そもそもロシア料理全般
食べたことがない。
お腹はいっぱいだが、知見を広めるためにも
1つピロシキを買って、食べてみた。
簡単に言えば惣菜パンのようなものだった。
具材にはしっかりと味が付けられており、
もちもちパン生地とバランスがいい。
分け合って食べたのだが、
一口だけでも結構お腹が膨れてくる。
予約購入できるとのことだったので、
明日東京に持ち帰る用に
何個か注文をしておいた。
◯函館夜散歩と油そば
お腹が膨れ、散歩がてら修道院や公会堂、
赤レンガ倉庫などを巡る。
赤レンガ倉庫は横浜のものと全く違う。
ここでは念願の緑女神のご当地カードを
ゲットできた。やったぜ。
古くからある洋風建築は風情があるだけでなく、
ライトアップされてより豪華に見えた。
夜散歩の間、天気はどんどん崩れていき、
霧雨が降り始めた。
予定していた有名な世界三大夜景の1つは
見られなかった…。
まぁまた函館に来いという暗示だろう。
しかし徐々に肌寒くなっていく。
連日の猛暑が信じられないぐらいだ。
「どうした太陽、貴様のやる気はこの程度か。」
こうなるといっそ、暑さが恋しいものである。
夕食はバーに入り、油そばやお酒を嗜んだ。
体調が悪いのに酒を飲んでどうするのかと、
自問自答する。
良い子も悪い子も真似をしない様に。
酒はほどほどにおつまみのソーセージや、
ピリリと辛い、少しこってりした油そばを
堪能した。

◯5日目のおわり
夜が深まるにつれ、街灯の赤い光が点くと、
霧雨に反射して怪しく輝きはじめる。
坂道が入り乱れる函館の街は、
得体の知れない生き物に変貌していくよう。
言葉で言い表しにくい、
不思議な感覚に包まれながら、
5日目は幕を閉じた。
明日はもう東京である。
どんな1日を過ごすのか。
また次回お会いいたしましょう。
では。
○おすすめ暑さ対策
・涼しい時と体感が違うため、
体調管理に気をつけて。
2024年11月22日 公開