茅葺きを体験して思うこと
今日は午後に突然の大雨が降ってきて、雨の準備など何もしていなかったのでその場から動けなくなってしまいました。
なんて現代人は弱いのか。車という便利な道具を手に入れて足を使わなくなり、スマホという情報に覆われた世界にひたすら入り込んで抜け出せなくなる。そんなことは考えもせず、「便利」に直走り人間の本質が薄れていくのです。
さて、昨日の投稿で茅葺き職人さんに出会ったと書きました。
その職人さんが作っていたのは「茅葺きのテント」でした。大人の背丈もないくらいの高さのコンパクトなものでした。
ぜひ入ってくださいと言われたので、足元に敷き詰められた稲藁のジュータンの上を歩き、膝ほどしかないテントの入り口をくぐり中に入らせてもらいました。
その瞬間に感じたことは、「匂い」でした。
床、屋根の全てが稲藁で覆われていて、その匂いが鋭く鼻に入ってきました。
もちろん背丈もないテントなので小さな空間にその空気が充満していたのです。
なんだか動物にでもなったような気持ちになりました。
これは決して悪い意味ではなく、僕にとってはプラスなことでした。
何がそんな良かったのか?
それは、脳裏をよぎった言葉が「野生」であったこと。
これは最近ずっと意識していることであり、250万年前の狩猟採集民のような生き方を学んで、現代でも取り入れられることを実行していきたいと思っています。僕らの遺伝子はまだその時代のままだから。
藁で住居のような原型を作り出したのはもっと後の時代かもしれませんが、人間を除く動物たちはきっとその時代にはすでに巣をつくり、藁などを集めてそのふかふかベッドの上で寝ていたかもしれません。
茅葺きテントの中でそんな景色が見えたので嬉しくなってしまったのです。
やっぱりこういうのが心地良くて、今の自分にフィットするなぁと思いました。
ただ、稲藁の家で生活をしたいわけでもなく、スマホを手放すつもりもないのですが、こういう相反するものをうまく両立していくために色々と実験しています。
そのベースとなるのは狩猟採集民の生活なのです。
まずは自分の体を整えるために、どんな暮らしをしていたか、現代だからわかる体内の働きや生活への影響などを知ることから始めます。
今回のこの体験は、人間である以前に動物であり自然であることを確認させてくれました。
なによりこういう職人さんたちがいらっしゃるということに感動を覚え、かっこいいなぁと思わせてくれました。
茅葺きのテントから思わぬところに飛躍しすぎましたが、今はそんな感じで昔の生活をインストール中です。
歴史というのはおもしろいものですね。
僕がこういうことに興味を持つようになったきっかけは「銃、病原菌、鉄」という本です。
おもしろくて勉強にもなるのでおすすめです。
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