スラムダンクを読み終えた
恥ずかしながら、スラムダンクを最近読み終えた。それまでは有名だから名前は知っているものの、手を出すことはしていなかった。
アマゾンプライムでハイキューの稲荷崎戦を見終えた後、他にもスポーツもののアニメが見たいと思い、たまたまオススメで表示されていたため見ることにした。
アニメは全部で101話。知り合いからはスラムダンクは漫画で読むべきと口酸っぱく言われてはいたものの、その時すでに30話まで見てしまっていたので最後までアニメで見ることにした。
ただ、漫画の内容全てがアニメ化されているわけではないため、101話まで見終わってからは知り合いのスラムダンクを持っている人に頼み込んで読ませてもらった。
結論から言うと、小学生の頃に読んでいたら間違いなくバスケをやっていたと思うくらい面白かった。何なら今からでも始めたいと思ってしまったくらいだ。
桜木花道と流川楓のライバル関係。赤木や小暮を含む湘北高校バスケ部の支え、数多くのライバルの登場。男女問わず胸が熱くなる展開が盛りだくさんで、見ごたえがありすぎた。
読み終えた後に振り返ってみると、どの人物も個性が強く、一番好きな人はと聞かれると答えに困ってしまうのがスラムダンクであろう。どのキャラを選んだとて何もおかしいとは思わない。
アニメと漫画を通して、私が思うスラムダンクの登場人物で一番好きだったのが、
『鉄男』
登場回数は多くはないが、不良三井からスポーツマン三井になるまでの短い間に関わっており、。
圧倒的ボスキャラ感。圧倒的悪役。性悪男で喧嘩っ早く、三井のように怪我で不良になったわけではなく根っからの不良としての立ち振る舞い。
私は初めから鉄男が好きであったわけではない。むしろ初めは嫌いな部類であった。そりゃあそうだ。バスケ部を潰そうと乱闘騒ぎを起こし、結果的に桜木花道に喧嘩で負けてしまうというかませ犬っぷりは愚かではある。
私が鉄男を好きになったのは、その後だ。
三井が膝の検査のために病院を訪れた帰り道、たまたまバイクに乗った鉄男に遭遇する。
鉄男はロン毛でなくなった三井を見て一瞬驚く素振りを見せる。三井は少し気まずい感じではいるものの、対する鉄男はいつものように言葉数少なく、堂々とした振る舞いであった。
ガードレールに腰を掛け、タバコを吸い始める鉄男。バスケ部に戻ることを決めてもうタバコを吸わなくなった三井。以前までは不良として、親友として共に居たが、今では対照的な二人になってしまった。
鉄男が言葉を発す。
「なんだその頭は。スポーツマンみてえだな。」
「ま、そっちの方が似合っとるよ、おめえには。」
どんだけ良い奴なんだ鉄男...
鉄男と同じ立場だったとして、三井と会ったら同じような言葉をかけられるだろうか。間違いなくできない。
普通なら、桜木花道に負け鉄男のプライドはズタズタであるはずなのに、それに加えて、バスケ部を潰そうと誘ってきた三井はバスケ部に戻るという始末。なのに、親友である三井を追いかけようとしない鉄男には、信念があるのか、あるいは元から三井はこっち側の人間ではないと思っていたのか、そこまでは定かではない。
ただ、間違いなく言えるのは鉄男は確実に悪役ではあった。悪役ではあったが、完全に染まり切った悪ではなかった。
三井もこの鉄男の言葉がなければ、心の中にしこりが残っていただろうと思う。この言葉でどれだけ三井が救われたことか、私はそういう風に解釈をしている。
そうして、三井と別れる際に発した、
「じゃあな、スポーツマン」
この言葉には、三井とは別の道に進む鉄男という男の生きざまが如実に表現されており、小馬鹿にした感じではなく真剣に親友である。親友であった三井の事を応援しているかのように感じた。
先日、スラムダンクの映画化が決まった。正に私が読み終えるタイミングを見計らっての発表であったため、私のためにサプライズをしてくれたようにも感じた。
映画館自体はあまり好きではないが、是非足を運んで劇場でスラムダンクを見たいと思っている。
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