よく泣くようになった母
自分の親にも親がいる。そして自分の親もその親の子どもである。
でも、自分は親の親の役割は担えない。
自分の親がしてくれたことをそのまますることは親孝行でも何でもない。
大人になると親と距離ができる。
自分の親もそうして新しい家族を作ったのだろう。
ある日、母の親が亡くなった。そして、母はよく泣くようになった。
母のぽっかり空いた心の穴を自分が埋めるべきか悩む。
いや、違うなと思い、そっとペットのワンちゃんを母の側に置く。
親を強くて弱い。子は弱くて強くなる。
ふたりの関係は家族とも言え、他人とも言える。
お父さん、今を大事にしてね。