なかやまきんに君はナウ・オア・ネバーを拒絶する
「筋肉料理研究家のマグマ中山です。」
そう名乗るのは、奇妙な格好をした筋肉ムキムキの男。
なんでも、筋肉料理を紹介してくれるらしい。
「今日はみなさんにマグマスパゲッティをご紹介したいと思います。」
「まずは皆さん、コンビニでスパゲッティを買ってきてください。」
「これだけなら普通のスパゲッティ。でもここからが“マグマ”なんです...」
「皆さん、粉チーズを用意していただけますか?」
「それではミュージックスタート!」
ほぼ料理が完成されているやん…そう思ったのも束の間、ボンジョビのIt's My Lifeが流れ出す。
いったいなにが起こるというのだ。
♪でんでん!ででででーんでーん♪
♪でんでん!ででででーんでーん♪
ディシナソングフォーザブローキンハーディ
♪でんでん!ででででーんでーん♪
ノーサイレンプレイヤーフォーザフェイスデパーディ
♪でんでん!ででででーんでーん♪
アインゴナビージャスタフェイシンナクラウド
ユガナヒャーマイボイスウェナイシャウディダウラウド
でんでん♪
イッツマイ
やーーーーーーーーーーーーー!!!!
何が起こったのか、起こっていないのか、一瞬では理解できなかった。
歌に合わせてボディビルのポーズをいくつか取った後、急に男が大声を上げながら粉チーズを全て、スパゲティーの上にぶちまけたのだ。
見たこともない筋肉料理だというからどういうものかと期待していたが、男が作ってみせたのは粉チーズをぶちまけただけのカロリーが高く、筋肉に悪そうなスパゲティーである。
しかし、私にはそれよりも許せないことがあった。
それはナウオアネバーの手前で曲を止めたことである。
サビのIt's my lifeの後の歌詞はIt's now or neverと続くのだ。
それを、この男は手前で無理矢理止めたのだ。
こんなことが許されてなるものか。
良い訳がない。
私は謝罪させるために男に勝負を仕掛ける。
といっても喧嘩をするわけではない。
もちろんデュエマである。
私はネバーループを取り出す。
男もデッキを取り出す。
さて、ナウオアネバーの強さを分からせてやろうではないか。
デュエマが始まる。
きんに君「チャージ、ブレイズクローを召喚、エンド。」
自分「ドロー、チャージ、エンド。」
きんに君「ドロー、チャージ、カンゴク召喚。ブレイズクローでシールドブレイク!」
自分「ドロー、チャージ、巨大設計図、カースブレイカーサイクリカ回収。」
これでネバーが盾にあれば無限耐久ができる。
きんに君「ブンブン我我我。ブレイズクローで1点!カンゴク1点!我我我2点!」
自分「シールドトリガー! ナウオアネバー!」
サイクリカネバーカースブレイカー、ナウオアネバーを盾へ。
これで無限耐久ができるので、赤単には勝ち確である。
後はゆっくりループパーツを揃えるだけだ。
「ドロー、チャージ、エンド。」
きんに君「ドロー。」
すると、きんに君が二カッと笑う。
「ミュージックスタート!」
突然きんに君が叫ぶ。
♪でんでん!ででででーんでーん♪
また音楽が流れ出す。
今度は何が起こるというのだ。
♪でんでん!ででででーんでーん♪
ディシナソングフォーザブローキンハーディ
♪でんでん!ででででーんでーん♪
ノーサイレンプレイヤーフォーザフェイスデパーディ
♪でんでん!ででででーんでーん♪
アインゴナビージャスタフェイシンナクラウド
ユガナヒャーマイボイスウェナイシャウディダウラウド
でんでん♪
イッツマイ
やーーーーーーーーーーーーー!!!!
男が叫びながらバトルゾーンに出してきたのは単騎連射マグナム。
パワー!
ブレイズクローが最後の盾であるナウオアネバーをブレイクする。
ナウオアネバーを唱えてもバトルゾーンにクリーチャーは出せない。
きんに君「アーノルドシュワル zenegger.」
盾が無くなったネバーループはなすすべもなく、カンゴクのダイレクトアタックが決まる。
私は溶鉱炉に突き落とされ、右手の親指を立てながら沈んでいく。
赤単にマグナムを入れてまでナウオアネバーを拒絶するきんに君には、もう見事としか言いようがない。
彼は吉本を退社してもなお、ナウオアネバーを拒絶し続けるのであろう。
ナウオアネバーが殿堂するその日まで。
なかやまきんに君はナウオアネバーを拒絶する
パワー
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