音楽の詩
あの馬鹿みたいにかっこいい音楽が耳に入るとき
僕らは手を挙げてそれを迎え入れた
思い思いの形に飛び跳ね
訳の分からない言葉を叫んでいた
それが例えば
誰かの一日を救うとき
誰かの夜を救うとき
音楽は音楽となって私たちの
体に流れ 血となって巡り
脚や腕や首筋をも奮わせ
そうして僕たちを揺らす。 強く揺らす
音楽は人の命を救わない 音楽で救われる命はない
音楽は人を殺す 音楽は子どもを生む
太陽のヴァギナ
月の光のペニス
そして その間の あの見たことも無いような色の空から
音楽が降ってくるのだった。