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ネガティブ・ケイパビリティを考えるヒント① ~願望はあなたの中にあるのではない~

あなたの願望はあなたの中にあるのではない。
願望とは自分の力で湧いてくるものではない。
それは自分の外側にある集合的なもの。
「人間だったらこう思うであろうなぁ」という過去の人が皆たどってきた道のようなもの。
いや、過去の人たちが積み上げてきたものなのだ。
だから、価値観やメンタルモデルも、一定のパターンや類型に分けることができる。
人間的な常識というものをもって。
つまり、アドラーの言う、「コモンセンス」がこれに近い。
 
成長段階に人はそれを取り入れ、それをもってアイデンティティーが成る。
多くの人はそれを自分固有のものだと錯覚している。
 
同じ願望を描く人など、世にごまんといる。
願望と言うのは、自分だけの願望ではなく、多くの人の願望なのだ。
 
意志も同じで、自分の意志と思っているものは自分の意志ではない。
ずっと過去から巡ってきた人々の想いなのだ。

それは生成AIのアテンション・メカニズムと似ている。
その仕組みは、データの関係性に重みづけてアウトプットする。
心もあなたの内部にずっとあるものではなく、AIのように、瞬時に生成されるものかもしれない。
 
意志も願望も自分の中にあるのではなく、自分の外にある。
心は自分の中にあるのではなく、自分の外にある。
あなたはそれら、集合的知性の受け手ということだ。

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小林範之
最後まで読んでいただいて、どうもありがとうございました。