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ネガティブ・ケイパビリティを考えるヒント② ~指を意識しているわけじゃないんだ~

ザ・ローリングストーンズのギタリスト、キース・リチャーズのインタビューより

指を意識しているわけじゃないんだ。ただ、やるべきことが起こる数ミリ秒前に、指のことを信じているというだけなんだ。まあ、これには少しコンビネーションの要素はあるけれど。やってみたら分かると思うよ。特にステージの上では考えを一時的に止める必要がある。意識しなくても足が体を支えてくれているのと同じように、指が自分よりも曲を覚えていることを信頼するんだ。思考があるとスピードが落ちてしまうからね。

曲を生かすか殺すか、ステージの上では本当にギリギリのことをやっている。もし1音1音、完璧に覚えていたら、きっと退屈でやってられないと思う。俺は難しいことに挑戦するのが好きなんだ。もちろん、基本進行は踏まえなきゃだめだけど、曲を生き生きと保つ唯一の方法は、毎回同じように演奏をしないってことさ。

少し不確かな状況に頼りつつも、本能や感覚で乗り切るんだ。時には「ああ、レコーディングの時にこうやっとけばよかった」と思うこともある。でも、曲は生きているものだから、同じことをやる必要はないんだ。だから、これは「ピンクの歯ブラシ、君の小さな歯ブラシ」みたいな、あるいは「窓にいるその子犬はいくら?」みたいな、そういう置物のようなメッセージにはならないんだ。

https://www.youtube.com/watch?v=Orm_0IKyKcQ


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小林範之
最後まで読んでいただいて、どうもありがとうございました。