小学生でも出来る!成長企業の見つけ方!

どうもこんにちは!

今回は「小学生でも分かる成長企業の見つけ方」というテーマで、書いていこうと思います。

もちろん企業が成長する要因や、見ていくポイントはたくさんありますが、非常に重要でめちゃくちゃ簡単な考え方を1つ紹介します。

早速結論ですが、それは企業にとって「積みあがるものがあるか」を考えるという事です。

めちゃくちゃ当たり前の話ですが、積みあがっていくものがある企業は成長が期待出来ます。
積み木も毎日積んでいったら大きくなっていきますよね。

一方で積みあがっていくものが小さい企業や事業ではやはり成長は容易ではありません。
例えば、企業ではありませんが私はいくつかのメディアで、決算に関する記事を書くという仕事もしています。
こういったビジネスは、毎回新しい記事を書いて原稿料をもらうといったものなので、毎回ゼロからの稼働が必要で積みあがっていくものが少なく拡大は難しいです。

もちろん、それを書いている事で信用だったり知名度だったりと積み上がるものが無いわけではありませんから、単価が上がったり、受注が増えたりと成長が期待できる要因もありますが、常に自分のゼロからの稼働が必要なので大きな成長は難しいという事は分かると思います。

そして毎回記事を書くという作業時間が必要になりますから、時間的制約もあって上限は見えやすいです。

では、その一方で積みあがるものがある企業はどうなのか、ここからは色々な成長企業を見て、どのようなものが積みあがっているのか見ていきましょう。

まずは非常に単純なところから、これはニトリの業績の推移です。
長期的な成長が続いている事が分かりますね。

では、これは何が積みあがっているのかといえば、それはもちろん「店舗」であり「売り場面積」です。
ニトリは毎期店舗数を拡大させながら成長しています。

もちろん、2024年3月期は減収減益になったようにマーケットの動向や競合環境など、業績に影響を与える要因は複数ありますので店舗数が増えたからといって必ずしも拡大が続くというわけではありません。

とはいえ、店舗数や売り場面積といったものはどんどん積み上がっていきますから、拡大しやすいという事は分かると思います。

このように積みあがるものを見つけるというのが、企業が拡大を続けられるかを考える上では分かりやく非常に重要です。

もちろん、その他にも信用や知名度、販売データ、生産能力や開発力など他にも積みあがっていくものはたくさんあり、どれか1つという話ではありません。
今回はビジネスモデル的な部分を中心に書いていきますが、積み上がるものはその他にもたくさんありますので、自分なりにそれがどういった影響を与えるのかを考えてみましょう。

続いてNTTデータの業績の推移を見ていくと34期連続で増収と長期的な拡大が続いています。

ではこれはなぜなのかというと、やはりNTTデータのビジネスモデルが関係しています。

主力事業の統合ITソリューション事業は、NTTデータが自己資金で設備投資を行い、構築したITシステムをNTTデータが保有し、それを利用してもらい利用料を得るモデルとなっています。

以前に作ったシステムが複数期間に渡って活用され、複数期間に渡って売上を得られるので、これまで作ったサービスが積み上がっていくという事です。

例えばNTTデータは、規模の大きなサービスとしては金融機関の全てのATM取引を中継する仕組みである「統合ATMスイッチングサービス」やキャッシュレス決済の統合プラットフォームである「CAFIS」などを展開しています。

1年目に「統合ATMスイッチングサービス」、2年目に「CAFIS」を作ったとすると、1年目は「統合ATMスイッチングサービス」からの売上しかありませんが、2年目には「統合ATMスイッチングサービス」と「CAFIS」からの売上があります。

このようにこれまで作ったサービス数が積み上がっていきますから、拡大しやすいという事です。

もちろん、いつまでも同じサービスを利用してもらえるとは限りませんから、解約によって売上が減少する事はありますが、拡大しやすいという事は分かると思います。

こういったものは、いわゆるサブスクリプションといわれるビジネスモデルで、近年は特にSaaS型のモデルの注目度が高いですよね。

実際にバックオフィス系のSaaSマネーフォワードなども拡大が続いています。

マネーフォワードの場合は、サービス数というよりは主力サービスに課金する顧客数が積み上がっていきます。

こういった積み上がりが重要なのでSaaS系の企業ではARRという、主力サービスに課金しているユーザーの1ヶ月の売上を12ヶ月分に引き伸ばしたものが重要視されています。

このようにサービスを利用してもらう形態の事業では、サービス数や顧客数の積み上がりが期待できますし、それが重要視されるという事ですね。

ちなみに、当たり前ですが特にデジタルのサービスは拡大しやすいです。
同じサブスクでも、私が書いた自筆の手紙を毎月届けるというサービスであれば、書ける手紙の数に上限がありますから、拡大は難しいです。

一方でデジタルのサービスは複製コストが非常に低いですから、大きな拡大が期待出来ます。

その他には、不動産業界では三井不動産の業績を見てみると拡大が続いています。

ではそれはどうしてなのかというと、三井不動産は賃貸や不動産管理の規模が大きいという事が影響しています。

分譲(作って売る)では毎期の販売状況や大型の売却があるかなど、一定の増減があります。
一方で賃貸や不動産管理は保有している物件や管理契約をしている物件が積み上がっていきますので、拡大しやすいです。

複数の事業を行っている企業でも、積み上がっていく事業の規模が大きいと拡大が続きやすいという事ですね。

とはいえ、分譲事業に関しても拡大が期待できる部分があります。
それは開発能力もそうですが、資金面でもあります。

不動産開発には多額の資金が必要です、そしてその資金は事業規模の拡大と共に自己資金も増えていきますし、与信枠も積み上がっていきます。

実際に三井不動産の有利子負債は拡大傾向となっています。
資金調達が可能な額も積み上がっていくので、分譲も拡大がしやすいという事です。

また、積み上がるものにはアフターサービスもあります。

これは小松製作所の業績の推移です。
建設機械という、需給の増減が大きい製品を扱っており、業績も市況によって増減していますが、ある程度安定した推移だという事は分かると思います。

ではそれがなぜなのかというと、実は小松製作所の売上の約半分が機械本体の納入後の部品販売や定期メンテナンス、オーバーホールなどの部品・サービス事業だからです。

建設機械の販売は市況によって影響を受けやすいですが、アフターサービスの売上はこれまで納入した累計の機械によって積み上がっていきます。
なので、需給の増減がある業界で事業を展開していても、ある程度安定した業績が期待されるという事です。

そして、アフターサービスは積み上がっていきますから、例えば建設機械自体の売上が10年前と同程度だとしてもアフターサービスは積み上がってきていますので、企業全体の売上は10年前と比べて拡大が期待できる事が分かると思います。

このように企業の中でも積み上がる部分を見つけるというのは重要だという事は分かると思います。

その他に積み上がるものには消耗品もあります。

半導体を削る・磨く・切るといった装置に強みのあるディスコでは、高利益率を実現しながら拡大が続いています。

これは主力の加工装置が好調だという影響が大きいですが、好調の要因はそれだけではありません。

ディスコの売上構成は以下の通りです。
①精密加工装置:64%
②精密加工ツール(消耗品):22%
③その他(オペレーション・メンテナンス)など:14%
売上の1/3ほどが、ブレードなどの加工装置の稼働に必要な消耗品やメンテナンスなどのアフターサービスです。

この部分は装置の販売拡大と共に積み上がっていきます、さらにこういった部分は利益率も高いからこそ、ディスコは高利益率を実現しつつ成長しています。

機器の販売後に、アフターサービスや消耗品も売れる事業は強いという事ですね。

こういった消耗品の販売でよく知られるのはリコーなどの複合機です。
機器の納入後にインクやコピー用紙が売れるために積み上がっていきやすい事業となっています。

とはいえ、複合機の事業は近年は印刷需要の減少で苦戦しています。ビジネスモデル的には強いモデルでも、市場の大きなトレンドには勝てないという事が分かりますね。

ちなみに、こういった消耗品販売で儲けるビジネスモデルは替え刃モデル(ジレットモデル)などといわれます。

これはカミソリを展開するジレット社が、それ以前の主流だった厚い刃をどんどん研いで使うカミソリから、刃の部分を薄くして取り換え可能な消耗品にする事で成功した事に由来しています。

売りきりのビジネスモデルに見えても、消耗品などが積み上がる場合がありますので、事業内容をしっかりチェックするのが重要だという事です。

ちなみに、この替え刃モデルというのは結構幅広く、考え方は様々な企業で使えます。

例えば任天堂です。



任天堂の業績の推移を見てみると、常に拡大が続いているわけではありませんが、好調な時期と不調な時期がはっきりしている事が分かると思います。

ではそれはなぜかというと、ゲーム機のハードの売上は一定期間積み上がるためです。
ゲーム会社では利益率が高いのはソフトですが、そのソフトの売上にはハードが必要です。

100台しかハードが売れてなければ、ソフトの販売も100人にしかアプローチできませんが、1万台売れていれば1万人にアプローチできるという話ですね。

さらに、ハードを購入したユーザーが1つしかソフトを買わないという事は考えにくいですから、ハードが売れればその後の複数ソフトの販売が期待できます。

つまり、1度ハードがヒットするとそのハードが人気の内は複数期間に渡ってソフトが売れやすく好調が期待できるという事です。

なのでDSやスイッチが人気となった時期には複数期間に渡って任天堂は好調となり、人気のハードが無かった時期は複数期間に渡って不調となっていたという事です。

任天堂のような企業も積み上がる部分があるため、新投入のハードが失敗する事が無ければ、不調が突然やってくることはあまり無いという事ですね。

だからこそ、スイッチの後継機には非常に注目が集まっているという事です。

という事で、このように企業にとって何が積み上がるのかを考えてみるのが重要だと分かった思います。

今回はビジネスモデル的な部分を中心に書いてきましたが、信用や知名度といったものだったり、データや技術力など積み上がるものは様々あります。
ぜひ色々と考えてみましょう。

という事で、今回は小学生でもわかる成長企業の見つけ方というテーマで書いてみました。


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