楽天の決算から考えるどうして赤字でも問題ないのか
どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
今日見ていくのは楽天株式会社です。
過去記事:楽天のLyft への投資と出資総額について改めて書いてみる
:Lyft投資と持分法から見る楽天の未来
こんなニュースがありました
楽天、8年ぶり最終赤字318億円 19年12月期
楽天が13日に発表した2019年12月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が318億円の赤字(前の期は1422億円の黒字)となり、8年ぶりの最終赤字に転落した。投資先の米ライドシェア大手リフトに関連して減損損失を計上したほか、携帯事業への先行投資も重荷となった。
売上高に相当する売上収益は前の期比15%増の1兆2639億円、営業利益は57%減の727億円だった。自社物流網整備への投資や携帯事業への先行投資がかさみ、利益を押し下げた。20年12月期の連結業績予想は公表していない。
国内EC事業の営業利益は514億円と、前の期に比べて11%減った。減益の主な要因は自社物流網への先行投資だ。10年で2000億円を投じる方針で、倉庫や配送センターへの投資を行っている。
どうやら赤字になってしまった楽天の決算を見てみましょう。
早速こちらの資料をご覧ください
売上高は14.7%の高成長をしながらも、営業利益は57.3%減でさらに当期純利益は赤字になってしまっていますね。
どうして増収減益になってしまったのでしょうか
続いてこちらの資料をご覧ください
持分法による投資損失というのが赤字の大きな要因となっていることが分かります。
これは主にアメリカで配車サービスを提供しているLyftに対するものです。これについては以前に書いた記事をご覧いただければ分かりますが実はトータルで見ると楽天は700億以上プラスの状態で投資としては問題の無いものです。
過去記事:楽天のLyft への投資と出資総額について改めて書いてみる
:Lyft投資と持分法から見る楽天の未来
さらに持分法に対する投資損失という項目についてはキャッシュアウトを伴いませんので、赤字ではありますがキャッシュフロー的には何の影響もないものです。
続いてこちらの記事をご覧ください。
今回の営業利益を押し下げている大きな要因は、物流への投資と楽天モバイルへの投資であることが分かります。
続いてこちらの資料をご覧ください
実際にコア事業と楽天証券や損保などの事業だけで見てみると200億近く増益となっている事が分かります。
さらにこちらの資料をご覧ください
営業キャッシュフローは1600億円増加しています、金融事業の規模が大きい楽天において一概には言えませんが金融事業を除いてキャッシュフローを計算してみても400億円以上プラスですので、本業でしっかりと稼げているという事です。
楽天の未来!!
ここまでの情報をまとめてみましょう。
1.楽天の今期の業績は増収減益で最終赤字
2.赤字の主な要因はLyft投資と配送網の整備、楽天モバイルへの先行投資
3.先行投資部分を除けば増収増益
4.営業キャッシュフローは増加していて本業でしっかり稼げている
という事で楽天はしっかり既存の事業を拡大して、新規事業への投資も進めているという状況で最終赤字となってしまいましたが良好な決算ではないかと考えます。
しかし、集配量が一気に増加し物流クライシスといわれる現状、思うように基地局整備が進んでいないという状況も考えると楽観視できる状況ではないのは間違いありません。
それでも、必要になるところには赤字になったとしてもしっかり投資しています、この辺は自身が大株主である三木谷さんがトップであることの強みが出せていますので、今後はさらに業績が伸びるのではないかと予想します!!