005 全身ヒョウ柄サンクトペテルブルク姐さん
世界三大美術館の一つ、エルミタージュ美術館に行くことにした。その周辺もステキな街並みで自転車で縦横無尽に走り回った。
美術品の価値は皆目わからないが、せっかく来たのだから行ってみよう。観光をするつもりはない。と言いながら、結局いつもそういう場所に行ってしまう。
とにかく建物が大きすぎて、入り口がわからない。
1周半ぐらい回ってやっと入り口に到着。
海外の美術館は入り口で持ち物検査がある。
検査ゲートから入ると広いロビーになっていて、
たっぷり休憩ができた
次々やってくる人たちを眺めながら休憩していた。
すると、金髪でスタイル抜群の女性が入場してきた。
No rice no lifeの丼が食べられるサンクトペテルブルクにはハイセンスな女性は少ない。おそらくモスクワから来たであろう彼女。
何よりも私の目を釘付けにしたのは全身豹柄のドレス。
かの有名な大阪のおばちゃんの豹柄の着こなしは見事だが、彼女はその徹底ぶりで優っていた。
てっぺんからつま先まで全て豹柄。
なんとハイヒールも豹柄。
完全無欠である。
あれで大阪のおばちゃん並みにデブって入れば無敵である。
さらにすごいのは、お付きの青年がいたことだ。
荷物検査を終えて入場した彼女はもちろん手ぶら。
後から入ってきた青年がバッグから取り出したのは白いスニーカー。
私としては完全無欠で、あの超広い館内を余すことなく歩いて欲しかった。
しかし、優しい彼の手解きで可愛い白のスニーカーに履き替えている。
アンバランス!!!
もしかしたらお付きの彼が気を利かしたのか。
素晴らしい選択である。
メチャメチャ歩いた。
モスクワまで歩いていけるぐらい※嘘です。
とにかく館内は大きくて建物の作りがわかりにくい。
階段が変な場所にあって、何度も同じ場所を歩く。
トイレは地下にしかない。
地下はエジプトコーナー。
本物のミーラが眠っておられる。
何度も迷いながら階段を探して昇り降り。
毎回不気味なミーラにこんにちは。
お付きの彼のサポートは完璧である。
あの従順ぶりは彼氏ではなさそうだ。
マネージャーか子分。
でも、自分の彼女を完全無欠の豹柄女に仕立て上げているとしたら大したものだ。
私もそんなにナイスガイになりたい。
館内はすばらしい美術品が大量に収蔵されていた。
多すぎる。学生街のメガ盛りランチみたい。
一流の駄作を大量に保管している物置という感じだった。
あれだけあると、ありがたみが薄れる。
自分にとって最高の逸品は、自らが磔られる十字架を肩に担ぐキリスト。
あの大量の作品の中から出会えた1点。
私にとっての宝物になった。
ありがとう。豹柄姐さん!!!