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異人file2.西田浩二(BICYCLE SHOP GRINS)
西田 浩二(にしだ こうじ)
岩手県盛岡市出身
盛岡市下ノ橋町に構える街の自転車屋さん GRINSを営む。高校生からBMXを始め、すぐにのめり込む。20歳をすぎた頃に就職先として選んだのが盛岡の老舗自転車屋さん”佐々宗輪店”だった。約10年の修行期間を経て2015年に満を辞して独立、開業した。本格的なロードバイクから、街乗り用・子供乗せ・ファットバイク・BMX等、豊富なジャンルの完成車や各パーツの取扱い、修理・点検などサポートも行なっている。開店から丸6年、盛岡になかったセンスを取り込んだ自転車屋さんは年々存在感を増している。
↓ホームページ
BICYCLE SHOP GRINS | 岩手県盛岡市の自転車屋さん
【どんな人物か】
西田さんとの付き合いは10年近くになる。
僕が20歳前半の頃、ピストバイク(固定ギアの自転車)が流行り、東京都内から発信されたブームの波は盛岡にも到達していた。
当時ピストバイクを積極的に取り扱っていたのが佐々宗輪店であり、僕の自転車を組んでくれたのが佐々宗輪店で働いていた西田さんだった。
初対面は無愛想な人だったが、会う回数を重ねると徐々に心を開いてくれた。
年が近いこともあり、若年層は彼に群がった。多分。
少なくとも僕の周りの友人は西田さんから自転車や部品を買った人は多く、佐々宗輪店の稼ぎ頭だったに違いない。
とにかく経験値が段違い、聞けば出てくる自転車の知識。
客とすれば心強い。
何も知らなかった若造のシロートに、にこやかにとは言わないがストレートに分かりやすく教えてくれた。
BMXライダーとしても一流の腕を持つ男で、彼がBMXを扱っている姿はクールな人柄からは想像できないほどド派手である。
バビョーンと飛ぶ。ちょっと無愛想な顔で。
失礼を承知で書くがぶっちゃけ彼は営業トークは上手ではない。
おそらく嘘が苦手。
それが故に、購入して欲しさにお客さんに安い営業を仕掛けてくることはない。
必要ないものは買わなくて良いと言う。
(幼児用自転車を検討していて買う寸前だった僕に)小さな子供の内は下手に自転車を与えるより、ストライダーを乗せていた方がバランス感覚が養われて後々良いとハッキリ言う。
お店で取り扱う製品には自分の魂が乗っており
個人店の肝である”信頼”への拘りが伝わってくる。
盛岡の街中にあるGRINSには自転車通勤のサラリーマンから若者・子連れファミリーと幅広い層のお客さんがくる。
西田さんは
「近隣の自転車屋さんと競争している感覚はない」と言う。
彼の価値観やセンスやスキルを信頼してくれているお客さんがこの店を選ぶ。
どの店も特徴があり、客層も様々。
オリジナルな自転車屋さんを追求していく。
最後に西田さんは
「街の人が世間話をしに気軽に立ち寄れるアットホームでもっともっと愛される自転車屋を目指す。流行や販売の好不調の波が激しい業界だが継続こそが力。粘り強く続けていくよ」
と語った。
取材日:2021年2月25日