分散型ウェブの未来に向けたビジネスの構築
2021年7月20日付、公式ブログから翻訳
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Outlier VenturesのJamie Burke氏とColin Evran氏による、分散型WebのビジネスチャンスとFilecoin Base Camp Acceleratorが果たす役割についての対談です。
Outlier VenturesのCEO兼創設者であるJamie Burke氏とProtocol LabsのエコシステムのリードであるColin Evran氏が、Web3の未来における分散型ストレージのビジネスチャンスと、Outlier Venturesが最近発表したFilecoin Base Campが果たす役割について語っています。
Outlier VenturesとProtocol Labsは、分散型ストレージという観点から、Web3のエコシステムを成長させるために複数年にわたるビジョンを共同で策定しています。この取り組みは、コンセプトからビジネスモデルまで、初期段階のプロジェクトを育成・成長させるためのOutlier Venturesによる3ヶ月間のプログラム”Filecoin Base Camp Accelerator”から始まります。Filecoin Base Camp Acceleratorの詳細と応募はこちらから。
Web2の過去とWeb3の未来のデータビジネス
"Filecoinは、人類の情報のための、分散化された、効率的で堅牢な基盤を作るためのムーブメントです。" - Colin Evran氏
このビジョンは、巨大なビジネスチャンスをもたらします。今後4年間で、世界で生成されるデータ量は3倍の約175ゼタバイトになると言われています。現在のデータストレージのインフラでは、予想されるデータの5%しか維持できません。
今のデータストレージ業界は、ストレージの容量だけでなく、以下のような様々な問題を抱えています:
・中央集権:3社がクラウドストレージの大部分を支配しています。
・データコントロール: 現在、ユーザーは保存しているデータをコントロールすることができません。
・検証可能性:フェイクニュースやデータの完全性がますます問題になっており、人々はオンラインで見る情報をますます信用できなくなっています。
Filecoin、IPFS、イーサリアムなどのエコシステムは、これらの問題に対処するための適切なプリミティブ(訳注:サービスを構成する基本要素)を備えていますが、ゲームの勝敗は、人々がこれらのプロトコル上に構築するアプリケーションやビジネスに基づいて決まります。Outlier VenturesのFilecoin Base Camp Acceleratorのようなプログラムは、これらのビジネスを見つけ、育成し、立ち上げるために必要な資本を動員するために不可欠です。
データ・エコノミー
現在、データネットワーク・エコノミーは最適な形で機能していません。少数の企業が独占的に価値を獲得しすぎているのです。また、利用されていないデータがあまりにも多くあります。その可能性が実現されていないのは、世界のデータ・エコノミーが開かれていないことの結果です。
Filecoinは、クラウドストレージのAirbnbのようなものだと考えられます。現在、新しいデータセンターや成長を望むソリューションは、現在クラウドストレージを支配している企業と競争できません。Airbnbでは、個人が世界のマリオットホテルと競争するようなものです。Filecoinでは、個人、中小企業、新規事業者が、ゼタバイトの潜在的なストレージを利用することで、世界のデータ独占企業と競争できるようになります。
これは根本的に、世界のデータストレージ産業のパラダイムを変えるものです。企業は、差別化されたサービスを提供して、互いに競争したり、業界のベテランと競争したりすることができるようになり、企業の価格設定チームではなく、市場が価格を決める経済を実現することができます。
Web3データストレージのユースケース
"データの保存方法を考えていないのであれば、Web3スタートアップとしての資格はありません。" - Jamie Burke氏, Outlier Ventures
FilecoinやIPFSは汎用なプラットフォームなので、ユースケースは以下のように幅は広い:
・消費者ユースケース:Slate、Space、ChainSafe FilesなどのDropbox型プラットフォーム。
・NFTのストレージ:Opensea、Curio、Mintgate、Flameはすべてnft.storageを使用。
・データマーケット:Wolfram Alpha、Ocean、Filehiveなどのプロジェクト。
・ビデオ:プラットフォームでは、LivepeerやVideoCoinを使って、ビデオファイルのトランスコード、保存、取得を行っている。
・オーディオ:Audiusのようなサービスは、Spotifyと同様の機能をWeb3スタックで提供しています。
・その他:分散型アイデンティティ、リトリーブ市場、DeFiや金融、BraveやOperaなどのブラウザ、Starlingなどの検証可能なストレージプラットフォーム。
これらのユースケースを推進するのは、並外れた開発者のエコシステムです。FIlecoinのエコシステムでは、ハッカソンを通じて、この2ヶ月間だけで1万人の開発者が参加しました。補助金プログラムは、何千もの企業に資金を提供しています。また、Outlier VenturesのようなメンターがいるFilecoin Base Campのようなアクセラレータは、これらのアイデアが実際のビジネスになるために重要な役割を果たしています。これらはすべて、ベンチャーキャピタルがFilecoinのエコシステムのために5,000万ドルの資金を提供していることに支えられています。
知られざる未来のユースケース
クリエイティブなビジネスケースの中には、今すぐには予測できないものもあります。これまで不可能とされていた2つのユースケースが登場し始めています。それは、データの金融化とコンピュートの金融化です。
データの金融化
多くの企業にとって、データはコストであり(経済的に保存するにはどうすればよいか)、負債でもあります(顧客やユーザーのデータを保護することは不可能)。データの金融化によって、ビジネスとデータの関係は逆転します。ユーザーのデータセットは、オプトイン、パーミッション、担保化され、まったく新しい収益源として活用することができます。
IPFSやFilecoinのような技術は、データストレージの原始的なあり方を、サービスから石油のような商品へと転換する機会を提供します。現在、サービスとしてのデータストレージの価格はコントロールされています。もし、データストレージがコモディティ化すれば、市場が価格を設定し、様々なパラメータ、派生、商品を作り、多くの人々がそのコモディティにデータを保存するようになります。
コンピュート
現在、データが消費されるのは主にコンピュート(計算)です。したがって、完全な分散型クラウドは、ストレージとコンピュートの両方を備えていなければなりません。Filecoinスタックのコンピュートパワーは、モジュール化によってもたらされます。Filecoinネットワーク上の個々のクラウドプロバイダーは、特定のサービスに特化することができます(ビデオトランスコーディング、大規模データのゲノミクス、機械学習などを考えてみてください)。エコシステムでは、「ワンサイズ・フィット・オール」のストレージソリューションではなく、必要なストレージサービスに構成できるさまざまなスタックの層を持つことができます。
Outlier VenturesによるFilecoin Base Camp Accelerator
Filecoin Base Camp Acceleratorは、Filecoin、IPFS、およびlibp2pネットワークに焦点を当てた初期段階のプロジェクト、アイデア、コンセプトの成長を加速させることに焦点を当てた3ヶ月間の遠隔プログラムです。ベースキャンプに参加するプロジェクトには、最大25万ドルの資金が提供されます。応募はoutlierventures.io/base-campで受け付けています。
本ブログは、www.filecoin.io/blog からの翻訳となります。
ソース: https://filecoin.io/blog/posts/building-businesses-for-the-future-of-the-decentralized-web/
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