ネガフィルムのデジタル化
イーズカが海外に良く行っていたのは35歳から42歳くらいで、ひとり旅が多かったので写真ばかり撮っていた。
京セラの「Tプルーフ」というカメラをもっていて、カールツァイスのレンズだったので、ヨーロッパの乾燥した空気感が写っていた。
カメラの技術は無いので、フレーミングだけに凝っていた。
行った先は、イタリア、スペイン、ポルトガル、モロッコである。エアラインの関係でスイスにも行った。
ポルトガルのナザレ海岸と、モロッコのマラケシュや西サハラ砂漠の写真が気に入っていて、大きくプリントして板張りにしてあった。それらが引越しを繰り返すうちに行方不明になったので、再プリントしようと思っていた。
アイララのカメラマンの皆様に相談した。「それ何年前のフィルムなのだ?」と訊かれて、「40歳前後のモノなので、23年前くらいです」と答えた。
「それ、もうフィルムの限界だから、ネガフィルムをデジタルデータに変換した方が良い」と教えられた。
ネガフィルム上では化学変化の結果として像が定着されている。それをスキャンしてデジタルデータに変換する。今ではネガフィルムを現像・紙焼きするのではなく、データからプリントアウトしている。
ヨドバシ本店に持ち込もうと思っている。昨日、そのネガフィルムを整理していたら、他にも色々なモノが出てきた。ホントに几帳面な「整理整頓魔」なので、全部残っている。
叔父からもらった海軍の皮トランクには、高校時代の恋人からの手紙も残っていた。イーズカからの手紙は、「アナタの手紙は、海岸で全部燃やしました」との手紙が来た。
恥ずかしくて、恐ろしくて、とても開けられない。だったら捨てればイイのに、捨てられない。
昔のオンナとの手紙を持っている、というのは、「恥辱のタイムカプセル」を所有しているに等しい。