重低音の響きに、股間を直撃される
ウーファ・スピーカーは、勿体付けて16時15分頃に届いた。
直径30センチもあるスピーカーは重い。背後に巨大なマグネットが付いているので半端な重さではない。
危うく落としそうになって息が止まった。修理交換したばかりのコーン紙に指が突き刺さりそうになった。
指を引いて畳の上に落下させた。スピーカーの背後は磁石以外は強固な金属で支えられている。落として正解だった。
端子は簡単に繋がった。外す時は訳が分からなかったが、プラスとマイナスの端子が大小2種類のサイズになっていて間違えようがない。
外す時はチカラが必要だったが、はめ込む時は容易である。
1時間前からアンプとCDデッキの電源は入れてある。音響機器は真空管ではないが、暖まらないと良い音がしない。
最初のCDは、ボブ・ディランの『オー・マーシー』にした。しかし、右のスピーカーだけが鳴って、左のスピーカーから音が出ない。
「何たることだ!!」と天を仰いだが、数秒後に左のスピーカーも鳴り出した。
そう、このCDは左右の音の分離が、抜群に良い。オーディオ・マニアの友人が、ステレオのチェックの時に持ってきたモノを、イーズカも買ったのだった。
スピーカーの再現力が凄まじく、左のスピーカーは鳴り出すまでピクリとも動かない。
おお、やはり音響装置は大音量を鳴らさないとツマラナイ。静岡の25畳もあるオーディオ・ルームで聴いた時よりも、音が重厚で素晴らしい。
よし、夜は大音量が出せないので、新宿の飲み屋に出掛けて「自慢話」の押し売りをする。
誰にも口を挟ませず、延々とひとりでしゃべってやる。覚悟せよ、新宿ゴールデン街。
今夜は、イーズカの独壇場だ。
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