若いオンナ
ゴールデン街の常連店に行った。小生意気そうなオンナが居た。R子と話しているのを聴いていたら、幡ヶ谷に引っ越すらしい。
イーズカも京王線とは長い付き合いなので、会話に紛れ込んだ。東京に来て、最初に住んだのが桜上水だった。ゴールデン街で飲んでいて、幡ヶ谷の「コケコッコー」という店によく行った。朝までやっている店だった。
聞くと彼女は不動産屋に勤めていて、あの界隈の賃貸物件に詳しい。新宿から近くて便利なので、古いアパートが多く残っているという。
すぐに店子が埋まるので、建て替えずに使われている。
それで新しいが高価格のモノと、古くてそこそこの価格のモノが混在しているらしい。
さらに話していたら「ド田舎出身」というので、何処かと訊いたら佐賀県だという。イーズカもオランダ大使館の仕事で「江戸参府400年」キャンペーンをやっていた。
長崎ハウステンボスからスタートして佐賀県も通った。岡山、神戸、堺、名古屋、静岡、横浜などを経て、東京の「船の科学館」がゴールだった。
生意気そうな楽しいオンナの子であった。名刺交換もした。
昨日は打ち合わせの後、いったん家に戻って渋谷のんべい横丁に行った。
行きつけの店には、美人なムスメが居た。オトコと一緒だったが初顔らしい。しきりにお通しや料理の味を喜んでいた。
裏手の店の慶応・文学部・哲学科の現役学生がママとして復活していた。怒りに燃えてコンクリ壁にパンチを食らわせて骨折していた。バカである。そんなことはイーズカでもやらない。
カウンター2辺に4人×2、8名で満席になる、密なる空間である。彼女はケガで洗い物ができず客席に居たので、最初はオンナは彼女ひとりのムサイ顔ぶれだった。
そのうちの一人「ブタサン」が、これまで色々と世話になっている女性を呼んだので来る、という。
どんな女性だろうかと思っていたら、チョー美人の31歳だった。なぜかみんな歳を自己紹介した。
イーズカも「聞かれてないけど、63歳です」と参戦した。
ふたりの関係は良く分からないが、31歳にしては根性の入ったオンナである。
ダンサーだと名乗っていたので、帰り際カウンターの角で腰振りを披露した。
店内がどよめいた。
最近は狭いスペースで十分にアピールできるワザを身に付けた。美女が居ると真剣にやる。
やんやの喝采を浴びながら店を後にした。
この手の芸を披露したあと、長居すると馬脚を晒す。あの腰つきを言葉で解説すると、「芸」としては死んでしまう。
酔いもあって、真っすぐ帰宅した。最近は若いオンナと毎晩のように出会っている。