『お詫び行脚 新宿・渋谷』
ハリケーン・ヨーコにカネをむしり取られてから新宿に戻った。ゴールデン街『エスパ』に行くと、みんな「5日間での閉店」を知っていた。
みんな古くからの常連ばかりなので、イーズカにカネの無いことは知っている。「ホントにどうしたの?」「大丈夫なの?」と訊かれた。
実は「真っ赤なbar さぶ」は店舗オーナーから「持続化給付金が出るから、来年5月まで家賃は要らない。光熱費も必要ない。コロナで大変だとは思うが、君たちの好きなようにやってみなさい」という特別な好条件でスタートしていた。
しかし「好きなよう」にはできず、オーナーは鍵を渡すこともなく、店舗に居座り続けイーズカの呼んだお客様に無礼な対応を繰り返していた。
イーズカは「コイツ、殴り殺してやろうか」というくらいに腹を立てていたが、共同経営者が居り、資金はすべて彼から出ていたので、勝手にケツをまくることは許されなかった。
たった5日間ではあったが、「反吐が出る思い」で店舗運営を続けていた。
しかし最終日の12/19(土)、ベリーダンス・ショウを演じてくれたヨーコから「イーズカさん、この店は無理だよ。あの爺さんワタシにイーズカさんへの文句ばかり言っていたわ。一度冷静に話し合った方が良いと思う」と言われた。
もうイーズカもガマンの限界を超えていたので、共同経営者と合流して閉店を決めた。
爺さんには爺さんの「思い」があるだろうが、「好きなようにできない」なら、家賃ゼロでも何の価値も無い。時間をかけて説得できる状況でもない。
告知広報・集客活動はすべてイーズカがやっていたので、日曜日に収支報告書・事実経過表・総括意見書を経営陣全員に送付して、合意を得た上でその日のうちに「閉店」を告知した。
そんな事情と事実経過を説明して、みんなに安心してもらった。先行投資は、酒などを店舗運営可能な最小限を買うに留めていたので損害額は少なかった。危機管理は「二次被害の防止」が最優先である。被害の少ないうちに「損切り」するしかない。
しかし買い込んだ酒類は自分たちで飲んで消費できる量ではない。先行投資してくれた先輩に少しでも戻さなくてはならない。まだ確実な目途はついていないが、この酒を有効活用するアイデアがある。年内にはまとめて共同経営者の合意を取り付ける。
そんなこと以上に、多くの店から「早くショップカードを持って来い。みんなに宣伝してやる」との協力提案を受けていた。そんな人々に事情を話し、撤退閉店を詫びなくてはならない。
イーズカは全店舗に直接出向き「お詫び行脚」することが、必要不可欠・最優先である。
昨日、「さぶ」に行き、残置物すべてを引き揚げた。段ボールで20箱くらいはあった。爺さんからは「完全予約制で5月までやらないか」との話もあったが、「もう何もやる気はありません」と断った。
最後にタクシーに積み込んで出発する時、「本当に申し訳ないことをしてしまった」と泣きながら謝罪されたが、そんな事にかまっている余裕はない。
仕切り直しなど「言語道断」である。このジジイと組むことは未来永劫あり得ない。
イーズカは、バカと不義理なヤツを許す気は無い。バカは何度でも失敗を繰り返す。
教育を長く続けてきて思うのだが「バカは決して、賢くならない」。バカと関わり続ける事は、「時間の無駄」である。
現在は少し疲れているので休むが、「新展開」をどうするか、にしか興味は無い。
イーズカは「転んでも、タダでは起きないオトコ」なので、新しい場所、新しいアイデアで、次なる展開を考えている。
一度「ミソが着いた案件」は「オトシマエをつけて、廃棄する」しか無いのだ。
自らの危機管理に失敗して、何度も谷底に沈んで、血反吐を吐きながら這い上がって来ているので、ゼッタイに「振り返らない」のが、イーズカの人生哲学だ。
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