土曜日は『蛸焼堂』

 昨日は薄曇りの天気だったので、自転車で渋谷のんべい横丁に出掛けた。飲み屋はぜんぶ閉まっている。
 友人の「りべか」というバイリンガルな美人MCがタコヤキ屋を始めた。横丁の角の店で現時点では酒が出せないが、上物の蛸を使用した大阪仕込みのタコヤキをワインとともに食せるコダワリの店である。

 グレーのタイツに青紫のパンツ、赤い長袖ウェアに白キャップ、真っ赤なレイバンサングラスという出で立ちで店の前に乗り付けた。
 イーズカの場合、登場する瞬間からプレゼンである。家を出る前に鏡の前で衣装チェックしてから外出する。

 店には男女のカップルが居た。まあイーズカの風体に驚かれたので、「ダンサーですから」と挨拶した。日本で最初にエアロビクスを始めて38年になる話を、訊かれても居ないのに延々とした。
 りべかが「私のFBに、足のカタチが良いとか、ふくらはぎが素晴らしいとか、露骨な書き込みをするので、わたしの周りでは警戒の話題で持ち切りなんです」と説明してくれた。

 そう、イーズカはオンナのカラダは筋肉が付いていないと興味が無い。フィジカルにしか興味が無く、性格などネジ曲がっていても平気である。
 カップルの女性から「まるでカラダ目当てみたい」と言われたので、「その通りです」と答えた。「婚活中なので、当然ながらカラダ目当てです」と豪語した。
 しかし、押し倒そうと連れ込んで、押し倒されたりと、成果はそれほど上がっていない。

 故に「ワタシは脱ぐとスゴイんです。一発やると大したことないかもしれないけれど」と言い訳している。
 カラダには異常に自信があるが、恋の駆け引きと性愛の技巧には拙い64歳である。

 そんな他愛のない会話を繰り広げながら1時間ほど楽しんだ。それから千駄ヶ谷、新宿とビキニパンツを探して回った。ボクサーブリーフというモノが嫌いで、ビキニパンツを探している。従来は豊富にあったのに、いつの間にかボクサーブリーフだけになってしまった。
 エアロビなどで激しい動きばかりしているので、ビキニパンツが動き易いのだ。

 エアロビ以外でも、「どんな事が起こっても対処できる」ように準備に怠りない。
 ヒトはそれを「無駄に健康で、無意味にオシャレだ」と評している。

 仕方なく、ビックロでローライズ・パンツを買って帰った。


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